2008年10月29日

トリプル・クランチを解決するためのグリーンニューディール

A Green New Deal: Joined-up policies to solve the triple crunch of the credit crisis, climate change and high oil prices
という本だか冊子ができています。

英文のダウンロードはこちらから。
http://www.neweconomics.org/NEF070625/NEF_Registration070625add.aspx?returnurl=/gen/uploads/2ajogu45c1id4w55tofmpy5520072008172656.pdf
(連絡先の登録が求められます)

著者は
Andrew Simms, Ann Pettifor, Caroline Lucas, Charles Secrett, Colin Hines, Jeremy Leggett, Larry Elliott, Richard Murphy and Tony Juniper
NGO関係者や緑の党の議員などですね。

発行者
nef on behalf of the Green New Deal Group
nefとは「新たな経済学財団」とでも訳すんでしょうか。

発行日
21.07.08

価格
£10.00

isbn
978 1 904 882 35
だそうです。
(nefでは、the nef triple crunch blogというブログも開設しています)

 概要を紹介している?のは、この記事です。
Beyond the triple crisis: a green new deal「3重の危機を超えて:グリーンニューディール」
http://www.agoravox.com/article.php3?id_article=8796

”システムの問題

 最近数週間の巨額の資金提供パッケージは問題を封じ込めることはできないだろう、まさに問題は悪化しそうだと見込まれるため、中央銀行総裁たち、金融機関の首脳部、政治家たちに加えて、失業や住宅の喪失、信用の制限といった形で最も危機の被害を受けるだろう市民たちは恐怖におののいている。
 とはいえ、私は、物事はもっと悪くなるだろうと考える、なぜならとりわけ、この危機を封じ込めるための政策決定を行うべき金融機関や政治家のトップがこの役目に不適任だと思うからだ。
特に、蔵相や、IMFのスタッフ、欧州中央銀行(ECB)のジャンクロードトリシェ総裁と各国の中央銀行の仲間たちが間違った経済政策に固執しているからだ。”

”危機に直面しているのは単なる境界部分での政策調整で修繕できるような金融の破綻以上のものであることを、この間の経緯は明らかにしている。
そうではなく、この過剰に債務を帯びたグローバル経済は、(それぞれが現在の危機に寄与している)かつてない3重のクランチの一つの側面なのである。
* べらぼうなねずみ講的な債務の仕組み
* ピークオイル
* 気候変動
の3つのクランチだ。”

(以下ぼちぼち訳を)
”A radical agenda

The heart of such policies are a series of principles that if followed would lead to a more stable, strong and sustainable political economy that can begin to meet the tests of debt, peak oil, and climate change:

* debts must be recognised as unpayable, and written off. This needs to done as far as possible in an orderly, structured manner, and with due attention to principles of fairness and awareness of the causes of high levels of debt

* the monetary system must be managed in the interests of society as a whole, not just the finance sector

* debt/credit-creation must be carefully regulated

* capital flows must be regulated, and the power to fix the key levers of the economy (interest-rates and the exchange-rate) must be restored to elected, sovereign governments- accountable to labour and industry, and accountable to the ecosystem

* publicly accountable central banks must be free to a) inject debt-free money into the economy, and b) keep the cost of borrowing low, so that loan-expenditure projects can be easily financed

* incomes must be raised, to restore the balance between an economy burdened with debts and stripped of pensions, and people starved of income to repay those debts or unable to live in dignity

* there must be no ways eviction of people from their homes because of unpayable debts

* new forms of social, cooperative housing and housing finance should be developed

* resources must be raised to create jobs, by using the monetary tools above and by filling tax-loopholes and closing tax havens

* a "carbon army" of green-collar workers must be mobilised to insulate homes, transform every building into a power station, and build alternative sources of energy

* trade must be localised and regionalised in order to limit the impact of emissions, to cut oil consumption and to end trade imbalances, with only exceptional items traded internationally (when war-memorial panels in northeastern England containing lists of names of the fallen are stripped for the metal they contain to feed a ravenous global commodity-market, the destructive consequences of the dominant form of globalisation are vividly revealed)

* a new global and independent central bank should be established - based on JM Keynes’s International Clearing Union - to manage and stabilise trade between countries; this should be on the agenda of the G20 summit in Washington on 15 November 2008 as part of the discussion of a "new Bretton Woods" settlement.

In other words, the way beyond this period of severe crisis and multiple threats lies in a green new deal.”


リチャード・ハインバーグのグリーンニューディールの必要性についての論はこちら。
「グリーンニューディールの出番だ!」
http://sgw1.seesaa.net/article/127880652.html
 詳細提案はこちら。
ポストカーボン研究所提案の”リアル・ニューディール”
http://sgw1.seesaa.net/article/127880679.html
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本日の二階経産大臣発言録その2

 後任の二階経産大臣の発言も引いておきます。
http://www.meti.go.jp/speeches/index.html
ピークオイルについてはいつになったら語り始めるのでしょう、11月のIEAの報告書が出てからでしょうか。

●平成20年10月28日(火)
9:55〜10:16
於:記者会見室
 景気の状況は、いまさら私が申し上げるまでもないことでありますが、この事態が中小企業にどのような影響を及ぼすかということを、緊張感を持って対応してまいりたいと思っております。株式、為替市場の大きな変動が景気に及ぼす影響等を、我々もさらに厳しく緊張感を持って対応してまいりたいと思っております。

 昨日、総理から政府・与党に対して金融機能強化法に基づく公的資金枠の拡大検討、さらに空売り規制の強化等の具体的なご指示がありました。今般の施策によって、金融機関の財務基盤が強化されることを通じ、我が国金融システムが健全に維持され、企業への適切な信用供与につながるものと認識いたしておりますが、この状況は慎重によく情報を収集して対応していきたいと思っております。経済産業省としては、当然のことでありますが、23日に出された総理の追加指示も踏まえて、近く策定される新しい経済対策の取りまとめに向かって、目下しっかりと取り組んでいるところであります。

 次に、ガソリン価格の問題について、この前もお尋ねいただきましたが、厳しい経済情勢の中にありますが、原油価格が異常な高値で推移しておりました夏頃に比べれば、大幅に下落していることは、国民生活や日本経済にとってプラスの要因であると考えております。原油価格の下落を反映して、生活と密接に関係する石油製品の価格も下落を続けております。具体的には、ガソリン価格や灯油価格は、10週以上にわたって連続して下落しているわけであります。これで家庭にどんな影響があるか、幾ら程度の影響があるか、こうした詳細な数字については、後ほど詳しくご説明をいたしますので、大変関心の深いところでありますから、家計負担の軽減にどのように影響をもたらすかということをよく聞いていただきたいと思います。

 ガソリンが1リットル当たり10円下落した場合には年間で5,000円程度、灯油では年間3,000円程度、一世帯当たりの負担がそれだけ軽減されるわけですが、本年8月の最高値の水準から、ガソリンは28円、灯油は20円安くなっているわけであります。仮に、現在の価格のまま推移するとしても、夏頃に比べて一世帯当たりで年間2万円程度の負担が軽減されるという見通しであります。

原油価格の動向は予断を許さないところであります。引き続き原油市場の安定化のために、あらゆる機会をとらえて産油国と消費国との対話を進めるなど、資源外交を粘り強く推進してまいりたいと思います。前に私は小泉内閣の当時に、産消対話の共同議長を務めたことがありますが、その共同議長のパートナーが、カタールのアッティーヤ副総理でございまして、近く来日されるということになっておりますので、このチャンスを捉えて、しっかりと資源外交について協力を要請してまいりたいと思っております。ガソリン、灯油の値段等の細かい資料は後ほどお配りして、事務方より詳しくご説明をさせていただきたいと思います。

 また、今日は閣議後の閣僚懇談会で、私から冬季の省エネルギー対策について発言をいたしました。このことについては、各閣僚に対して政府自らの取り組み及び国民の各界各層の皆様にご協力をお願いしなければいけないことでありますから、冬季の省エネ対策の強力な呼びかけを行っていただくように、お願いを申し上げてまいりました。

具体的には、暖房のエネルギー消費が、冬はどうしても増えてくるわけでありますが、暖房中の室内温度、政府は19度とし、民間は20度とすることを徹底したいと思っております。来年4月から施行される改正省エネ法の周知徹底、さらには、後で実物を持ってきますが、白熱の電球から電球型のいわゆる蛍光ランプへ切りかえますと、一時は切りかえのための料金は必要なのですが、その後、電気料金が低く抑えられますので、これをご家庭にも活用していただくようなことをお願いしていきたいと思っております。断熱性能表示ラベルの活用や冬季の省エネルギー対策についてあらゆる知恵を絞って、国民の皆様のご協力をお願いしたいと思っております。ですから、詳しく後ほどまた説明をさせていただきます。

 いまのエネルギーの問題について、OPECの減産決定についてでありますが、まだ私のほうとしては、納得のいく確たる報告がなされているわけではありませんが、新聞、テレビ等で既に皆様もご承知のとおり、OPECの臨時総会が、先週24日(金)に開かれたわけでありますが、日量で一時は100万バレル、あるいはまた200万バレルというようなことが話題として上がっておりましたが、結局日量150万バレルの生産量の目標の引き下げということで合意をされたようであります。しかし、OPECは同時に引き続き十分な量の供給を確保し続ける、そして世界経済にとって好ましい価格を維持するということをコミットしているところでありますが、先ほど申し上げましたカタールのアッティーヤ氏もOPECの前議長でありますし、有力者でもありますから、じっくりお目にかかって話し合いをしたいと思っております。産消対話ということを前々から申し上げておりますが、こういう機会をとらえて産油国への働きかけをしっかり行ってまいりたいと、外交ルートを通じても、あるいはまた私どもの出先の各機関を通じても、我が国の状況を伝え、ご理解を得る努力をお願いしたいと思っております。

 前にも申し上げたかと思いますが、我々のところで省エネルギー、新エネルギーの努力をしている一環として、新エネルギーパークというのをやっておりますが、これらに、偶然産油国でありますが、中東各国の大使の皆様に、一度日本のそういう現場、現状を見ていただきたい、日本はここまで努力しているのだということをよく見ていただきたいということを、私は前にお願いをしていたのですが、最近に至って、12月に入ってから6カ国の大使が一緒になって、そういう地域を訪問したいというお返事をいただいておりますので、そういう機会も活用して、我が国がエネルギーについてどれほどの努力をしているかということについても、ぜひご理解をいただくように努めたいと思っております。

 私のほうからは、以上でございます。

質疑応答
円高・株安
Q: 冒頭にもお話をいただいているのですが、円高、株安についてですけれども、昨日、緊急対策というのを打ち出しましたけれども、日経平均はバブル後最安値を更新してしまって、その後かなり底が見えないといったような状況にあるかと思うのですが、日本経済に与える影響というのはどのようにお考えでしょうか。

A: 実体経済に極めて厳しい環境といいますか、状況に置かれている今日でありますが、我々経済産業省として取り組むべきことは、一にも二にも、ここは中小・小規模企業の皆様、いわゆる420万社からありますこの企業を守るといいますか、積極的にこれらの企業の皆様が、元気を出して次なる目標に向かってチャレンジをしていただくという場面の対策を講じなければならないと思っております。いまご案内のとおり、9兆円の枠でもって特別保証と緊急融資ということを考えているわけですが、私はいまのこの状況から見ますと、また同時にこれは8月のころに我々のほうで考えて、こういう要求をしたわけであります。そのときは、経済産業省は少し思い切ったことを言われるなという雰囲気でした。ほかの省庁からは、特に補正予算について要求は出ておりましたが、そんなに大きなものが出ていたわけではありません。ですから、経済問題を論ずるときには、経済産業省の分がどうだということがいつも最初に話題にのぼったわけですが、私はそのときは9兆円で十分とは申しませんが、一応の対策はこれで打てる、一応中小企業の皆様が路頭に迷うようなこと、あるいは融資の問題で大変お困りになったというようなことだけは回避できるのではないかと考えた時点もありますが、今日この状況を見ますと、とてもそんなことでは間に合わないのではないかという声が非常に多くなっておりますし、私もそう思っております。従って、これから与党あるいは与謝野経済担当大臣等ともよく打ち合わせをし、また中川財務大臣とも連携をとって、次なる目標といいますか、経済産業省としてはこの時点で如何にすればいいかということに対して、相当思い切った対策を考えなくてはならないと思っております。先般来、麻生総理からも中小企業の問題に対しては、くれぐれもよろしく頼むということを言われておりますから、総理の期待にもこたえて、中小企業の皆様に対する対応を、これからいろいろな方々との調整に入りたいと思っております。続きを読む
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2008年10月21日

さまざまな型の生産量ピーク?

 僕自身はこれまでは、デマンド・プル型の以下の2つのシナリオ(ピークオイル政策検討に際しての枠組み)を想定していました。

1.価格上昇時の(スループットの限界型)供給の中断に伴う生産量ピーク

2.価格上昇時の(ストックの限界型)供給の中断に伴う生産量ピーク

 しかしどうやら需要崩壊/低下型の以下の二つも想定すべきだったと思います。

3.価格のボラティリティ(乱高下)拡大を受けた需要崩壊/低下に伴う(価格急落時の)生産量ピーク

4.金融恐慌→大不況→石油需要の崩壊/低下に伴う(価格低下時の)生産量ピーク

 4.は今回の金融危機シナリオで気づいたことですが、3.を追加したのは、どこかの時点でシステム全体がブリトル(脆弱)になる(なぜ市場に任せるのではなく需要側政策が必要か(完結編))ことが、不可逆的なスループットの減少を引き起こすという事態も想定すべきとなったからです。

 また、もし4のシナリオが今起こっていることなのであれば、ストックの限界によるピークを過ぎたというコンセンサスに私たちが達するのは、これから10年後以上あとになってのことに先延ばしされてしまうことでしょう。(ハインバーグも「Whither Oil Prices」の記事の中でそう書いています。)
 それは政治的には非常に大きな課題となります。

 難しいなあー。

 上の図のように08年7月にオールリキッドの生産量ピークが現れました。これが「地球最後の」ピークとなるかはまだ分かりませんが、4.のシナリオの場合は再びこのレベルにまで戻らないで、低迷している間にストックの限界を過ぎているというパターンになるでしょう(あるいは残存埋蔵量が半分を切った年はやっぱり05年あたりだったということが後付けで分かるのかもしれませんが)。
 上の図で、需要崩壊/低下局面がいつから始まっていたのかは、定かではありませんが、価格高騰の08年前半のどこかの地点で実態の需要はすでに崩壊/低下をし始めていたという評価でしょう。
 08年7月のピークは需要崩壊/低下型だ、と断定してしまってよいと考えます。
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2008年10月18日

ん!:ニュース短信その12

  この記事の中で、短いニュースを蓄積していきます。

・7/30劇的な幕切れ−WTOのドーハラウンド交渉決裂
・7/31中国政府の石油価格統制の行方
・8/5経産省の中小企業対策
・8/6英国グリーンピースのブログでもピークオイル論争
・8/10三菱UFJリサーチ・コンサルティング・(隔週)原油レポートで米国の投機規制についての紹介
・8/18福岡正信さんがなくなられました
・8/19原油高騰の原因追求
・8/26電気料金値上げ反対9/6デモ
・8/27とうとうお茶の間に入ったか
・8/29与党・政府の緊急総合対策決定
・9/2福田首相退陣するも不安なし
・9/2榊原英資と金子勝の共通点
・9/4田中優さん講演のYoutube
・9/12OPEC実質減産決定するも、価格は軟調
・9/15バレル当たり100ドル割れ、日経社説も
・9/15やっちまった−かな?ハリケーン・アイク
・9/16リーマン・ブラザーズ倒産とアメリカ発世界金融危機
・9/24ちょっと前の石井彰氏のピークセンチメント論
・9/26一瞬の130ドルへのジャンプ
・9/27ブッシュ政権によるウォールストリート救済策の行き詰まり
・9/28単月の貿易収支赤字に転落−26年ぶり
・10/1トヨタの委託研究者EV Worldでピーク発表
・10/51週間遅れで米金融安定化法案成立
・10/5ロシア大統領「米国/ドルの金融一極支配終わる」
・10/5NHKの新BSディベート「どうなる原油価格 広がる金融不安の中で」
・10/7米国食料価格も金融危機に反応して下落
・10/9「石油代替エネルギー促進法」の見直し始まる
・10/18エンドオブサバービア−米住宅着工件数底なしの下落

−−−
●エンドオブサバービア−米住宅着工件数底なしの下落
ブログ『化学業界の話題』「9月の米住宅着工 更に減少」
http://knak.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/9-5db1.html
の米住宅着工件数グラフの下り坂がすごいです。 中古住宅の相場下落もサブプライムローン他の含み損となっていくのでしょうね。

●「石油代替エネルギー促進法」の見直し始まる
電気新聞「総合エネ調総合部会、10日に再開−代エネ法見直し、化石燃料依存度低減へ新制度」
http://www.shimbun.denki.or.jp/backnum/news/20081007.html
”エネ庁が約30年ぶりに代エネ法に基づく「脱石油」から「脱化石燃料」に転換する背景には、エネルギー資源をめぐる国内外の情勢変化がある。代エネ法は石油危機を契機として石油依存度を下げるために導入されたが、近年は石油代替燃料である石炭、天然ガスも新興国の需要増などを受けて供給不安を招いている。”
 フーム。価格の問題じゃなくて、供給不安とな?

Gasoline will be free, will be free〜♪
Gasoline will be free, will be free〜♪
Way back in the year of 2017,
The sun was growing hotter,
And oil was way beyond its peak...
http://jp.youtube.com/watch?v=I3Wk_jcfm3Y
(シェリル・クロウの歌う「ガソリン」、お勧めです。)

つづく続きを読む
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2008年10月15日

イベント案内:11・8〜9シンポジウム「地域のチカラ」

 「地域の力」という名前の大江氏の書いた本が岩波文庫にあり、以前読みましたが。

tu-taさんのブログ『いま、考えたこと』
http://tu-ta.at.webry.info/200810/article_16.htmlにありました。
勝手ながら、転載をしておきます。TBも送っておきましょう。

===
2008年11月8日(土)「地域のチカラ」〜脱「グローバリゼーション」の現場から
パート1:映像(14:00〜16:30)

『ラダック 懐かしい未来』短縮版
『アジアの行動するコミュニティ』*
『パワーオブコミュニティ  キューバはいかにしてピークオイルを生きのびたか?』

パート2:講演(17:00〜20:00)
17:10〜18:10 基調講演 ヘレナ・ノーバーグ=ホッジさん
18:10〜18:55 大江正章さん講演
 (15分休憩)
19:10〜20:00 ヘレナさんと大江さんの対話、質疑応答


●11月9日(日)シンポジウム 共鳴するローカリゼーションのうねり
(13:00〜17:00)

パネリスト=ユ理恵子さん、松本哉さん、森能文さん 
コメンテーター ヘレナ・ノーバーグ=ホッジさん 司会=大江正章さん

■会場はすべて明治学院大学 白金キャンパス

11月8日(土) パート1 2号館 2101教室
       パート2 3号館 3101教室
11月9日(日) パート2 3号館 3102教室

〒108-8636 東京都港区白金台1-2-37
http://www.meijigakuin.ac.jp/access


【シンポジウム主旨】
ローカリゼーションはどこにいても実践できる「生き方」なのです

経済のグローバリゼーションは世界を豊かにする、という主張は幻想でしかありませんでした。
自国の豊かさが遠い国の貧しさの原因になっていると知ったら、 あるいは地球環境の劣化に繋がっていると知ったら、 その豊かな生活に居心地の悪さを感じる人も多いに違いありません。

しかも、その「豊かさ」だと思いこんでいることの多くが、実は本当の豊かさとはほど遠いものであることに気がついてしまった人も増えています。

行き過ぎたグローバリゼーションの弊害は格差社会の出現だけにとどまりません。 地域コミュニティや家族のつながりもずたずたにしてしまいました。

しかし、グローバリゼーションはわたしたちの生活の隅々にまで入り込んでいます。

銀行にお金を預ければ、それが原油価格を引き上げる先物取引の資金や米国の戦争のための資金として使われたりします。「これはお買い得」と思って靴を買ったら、それが結果的に貧しい国の児童労働を助長したりします。指輪を買えば、広大な原生林を破壊することに繋がったりします。

そうしたことを極力拒否したとしても、日本という国で生活している以上、多かれ少なかれ、「否応なく」グローバリゼーションの片棒を担がされている。

わたしたち、懐かしい未来ネットワークはそんなグローバリゼーションの波から自立し、本当の豊かさを実現するために、地産地消をはじめとした、食、経済、エネルギーのローカル化=ローカリゼーションの波を作り上げようとしてきました。本当に豊かな社会を作るという視点を持ち続けながら、現在を生きのびるためのローカリゼーションを語るときが来たのです。

基調講演を行うヘレナ・ノーバーグ=ホッジさんは、『ラダック 懐かしい未来』という本で、わたしたちに「本当の豊かさ」とは何かを問いかけてくれました。
近著『Breakaway』では、グローバリゼーションのキーポイントとなるWTO体制からの「離脱」(Breakaway)をテーマに、オルタナティブな未来を提唱しています。
ヘレナさんからは、この『Breakaway』の内容とともに、ローカリゼーションの成功例としてのトランジション・タウンやコミュニティの再構築を目指すエコビレッジの動向をお話しいただく予定です。

対談のお相手としてお招きするのは岩波新書『地域の力』をお書きになった大江正章さん。
自らコモンズという出版社を設立、環境、食、農、自治などをテーマに暮らしを見直す情報の発信を行っている大江さんが地域の食や経済、福祉などを立て直そうと奮闘する人々の実例を紹介しながら、食とエネルギー、経済の地域化に何が必要とされるかを考えていきます。

話題の映画、『パワーオブコミュニティ  キューバはいかにしてピークオイルを生きのびたか?』
の上映もあります。日本語版を活弁でお送りします。
これは、ソ連邦崩壊後、ソ連の援助も得られず、西側からも経済封鎖されたキューバが石油と食料のない中で、いかに都市農業を発展させ、餓死者を出さずに生きのびたかをレポートしたノンフィクション映画です。
ピークオイルを迎えるわたしたちに、さまざまなアドバイスに与えてくれます。

さらに、2日目のシンポジウムでは、「市民皆農」をキーワードに市内に5000区画もの市民農園を維持する横浜市から、都市農業を積極的に推進している自治体職員森能文さん。

『農家女性の社会学』を執筆、「農の元気は女性から」をキーワードに農と地域経済における女性の「チカラ」から脱グローバリゼーションの糸口を探るユ理恵子さん。

高円寺、阿佐ヶ谷の商店街を舞台に「素人の乱」と称する古着屋、リサイクルショップを展開し、都市住民がお金に巻き込まれずに生きる術を語る『貧乏人の逆襲!? タダで生きる方法』を出版した松本哉さんをパネリストに迎え、ローカルに生きることとはどういうことかを語り尽くします。

キューバからのメッセージ、ラダックとイギリス、オーストラリア、アメリカでの取り組み、都市農業、農業に携わる「女性のチカラ」、そして商店街という身近なコミュニティ。

ローカリゼーションは、どこにいても実践できる個人の生き方でもあるのです!

あなたの人生を変えるかもしれない、2日間です。


■パネリストプロフィール

ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ Helena Norberg-Hodge

スウェーデン生まれの言語学者。1975年にラダックに入り、ラダック語・英語辞書を作成。
ISEC(エコロジーと文化のための国際教会。本部イギリス)の代表。
著書「ラダック懐かしい未来」は30カ国語以上に訳された。ラダックでの活動を継続しつつ、グローバリゼーションに対する問題提起や啓発活動を行っている。世界的なオピニオン・リーダーの一人。
 近著(共著)に『Breakaway』。
 ISEC HP: http://isec.org.uk

大江正章 おおえただあき 

1957年神奈川県生まれ。ジャーナリスト、編集者。
出版社コモンズ代表として、農、食、環境、アジア、自治などをテーマにした書籍の編集、発行を精力的に行っている。
 著書に『地域の力 食・農・まちづくり』(岩波新書)、『農業という仕事 食と環境を守る』(岩波ジュニア新書)。

ユ理恵子 つるりえこ 

福岡県生まれ。社会学博士。吉備国際大学社会学部准教授。有機農業・農村女性起業などが持つ、食・農のグローバル化への対抗戦略の可能性がテーマ。
著書に、農家女性の地位の変遷や、女性起業を丹念なフィールドワークによってまとめた著書『農家女性の社会学 農の元気は女から』(コモンズ)。

松本哉 まつもとはじめ 

 1974年東京生まれ。96年「法政の貧乏くささを守る会」、
 97年「全日本貧乏学生連合会」をそれぞれ結成、
 2001年「貧乏人大反乱集団」結成。
 東京杉並区高円寺商店街に「素人の乱」という名のリサイクルショップを次々と開店。自身は5号店店主。
 著書に『貧乏人の逆襲! タダで生きる方法』(筑摩書房)、
 編著に『素人の乱』。

森能文 もりよしふみ 

 横浜市環境創造局北部農政事務所農業振興担当係長。
 横浜市に約70人いる農業専門職のひとり。栽培収穫体験ファームに当初からかかわるなど、地域の非農家住民をまきこんだ都市型農業施策を展開。大江さんの著書『地域の力』では「スーパー自治体職員」と紹介。


■参加費 11月8日パート1、11月8日パート2、11月9日シンポジウム
 各1000円 3枚セット券2500円(前売りのみ)

■申し込み:事前申し込み(先着順)
問合せ・申込先:  acf_uketsukeアットマークyahoo.co.jp (三谷)まで
1.お名前
2.メールアドレス
3.参加希望のプログラム
 (3枚セット券を希望される方は事前に申し込みください)
4.さしつかえなければご所属や関心ごとなどをお書きください

■主催 懐かしい未来ネットワーク(NPO法人 開発と未来工房)
■後援 明治学院大学 国際平和研究所 PRIME
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 うーむ、11月9日にはもうイベントを入れてしまっているのですが、行きたいなー。
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なぜ市場に任せるのではなく需要側政策が必要か(完結編)

 (初出10月4日)

オイルドラムより
「需要の崩壊で、より脆弱になるシステム」という記事がありました。
Oil Demand Destruction & Brittle Systems
http://www.theoildrum.com/node/4411
 から全体を無断仮訳しておきます。
−−−−
 昨年米国は日産数十万バレル分もの需要を削減させたのだから、我々は今や供給量の中断にそれほど敏感ではなくなっていると、オイルドラムや他所で多くのコメントを私は受け取ってきた。

 一般的には、自分自身が効率を上げ「浪費的な」石油消費を止めることによって、石油供給の中断や、信頼できない海外の石油に依存することから自分自身を切り離すことが可能だ、という感覚を人々はもっている。

 私の意見ではこれは逆だ。この記事では、自由市場経済の中では需要の中でも最も削減しやすい需要がまず崩壊するため、結果として需要側はより弾力性がなくなり、より脆弱になり、より供給の中断によるシステミックな(組織的、系統的)ショックを受けやすくなるのだ、ということを議論しよう。

 まずは、システムをレジリエント(回復力がある)にしたりブリトル(脆弱)にするものは何なのか、を議論しよう。そしてなぜ、市場に導かれる需要崩壊ではシステムがより脆弱になってしまうのかを説明しよう。

そしてエネルギー供給が減少する近未来における、エネルギーで動く我らの経済の回復力をどうやって増やせるかについての考察を最後に述べよう。

demand_elasticity.JPG
図1.需要崩壊の後の、各要素の弾性値
 市場主導の需要崩壊の理論モデル 最も高い弾性値の需要がまず崩壊するという理論を示したもの。
残る需要が全体としてより弾性的ではなくなっていく結果となる。Eの値は、相対的な弾性率であり、実際の需要に対する価格弾性値の意味ではない。続きを読む
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2008年10月11日

世界金融危機−ピークオイルの一つ前の?大波

 アメリカ発の世界金融危機についてNHKクローズアップ現代の番組を聴きながら書いています。

 以前に書いた関係する短信を再掲しておきましょう。

●9/16リーマン・ブラザーズ倒産とアメリカ発世界金融危機
 金融危機が波及することによる石油需要の崩壊という影響もあるでしょうし、一方では「投機」の実行者?の一端が破綻したことは今後の原油市場参加者に大きな影響を与えることでしょう。
 もう一つ、背景要因としては、アメリカの不動産バブルの崩壊の一因として遠距離郊外からの通勤をできなくするガソリン価格の急騰という要因もあったことでしょう。
 WTIの原油価格は急落していますが、スループットの限界による石油ショックがどこまで広がるかによって、また状況は変わるでしょう。
 いずれにしても、「アメリカ帝国の終焉」の一端を今見ているのでしょう。
 daiさんのブログ『分散型エネルギー社会を目指して』より
「アメリカ帝国の終焉に覚悟のある首相候補は?」
http://energy-decentral.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-b808.html

●9/27ブッシュ政権によるウォールストリート救済策の行き詰まり
 米政府の75兆円の不良債権買取りを元ゴールドマンサックスCEOのポールソン財務長官に一任する救済案に与党共和党が反対し、成立する見込みが立たなくなっています。さらにWaMuワシントン・ミューチュアル銀行の米国一の破たんもあり、10日間のドタバタにも関わらず、金融危機はさらに悪化しつつあります。
「米政府による金融機関救済」への怒りと抗議運動、ネットで広まる
http://wiredvision.jp/news/200809/2008092621.html
この抗議運動は市民側の怒りを表すものとしてニュースでも報道されていました。
 アメリカ帝国の崩壊をこんなにすぐに見るとは思っていませんでした。

●9/28単月の貿易収支赤字に転落−26年ぶり
金融危機にくらべればたいした問題ではないのでしょうが。
佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン より
「円安貿易立国終了」
http://blog.livedoor.jp/y0780121/archives/50195951.html
 戦後の初期を除いて貿易赤字になったのは前の石油ショックの時だけのはずです。
そもそも加工貿易立国というなら、元々多くの資源を輸入しなければならない日本では、貿易収支がプラマイゼロになる程度に儲けていればよかったはずですが、重商主義の強迫症を呈している経済産業省さんの中ではこの状況に発狂しかねない人がちらほら出ていることでしょう。

●10/51週間遅れで米金融安定化法案成立
 結果として、この1週間の株式下落の原因ともなりましたし、原案及び修正項目の内容についても批判的な目で精査がされる機会となったといえます。

●10/5ロシア大統領「米国/ドルの金融一極支配終わる」
AFP通信:Era of US financial dominance over: Medvedev
http://afp.google.com/article/ALeqM5jlhSvilwkBC3EfGG6DOXP1wTGFSA
”"The time of domination by one economy and one currency has been consigned to the past once and for all," Medvedev said during a forum alongside Chancellor Merkel.
"We must work together towards building a new and more just financial-economic system in the world based on the principles of multipolarity, supremacy of the law and taking account of mutual interests."”

●10/7米国食料価格も金融危機に反応して下落
HP『農業情報研究所』より
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/prices/cbot.html
まさに、金融危機が実体経済を悪化方向に動かしているというべきでしょうか?石油までは分かるのですが…。


 さて、リチャード・ハインバーグ師匠はこんなことを書いています。
The end of growth
by Richard Heinberg
http://energybulletin.net/node/46825
より抜粋します。

”「世界金融危機と、利用可能なエネルギーの減少とを見ると、私たちは今、世界全体の経済成長の最後の年を見ているかもしれない。」

 これははらはらさせる発言だ。昨日私はIFGが企画した環境NGOと経済公正NGOの集まる戦略会議でこうしゃべり、自分自身でも驚いて、すぐさま自分の言った事は正しいのだろうかと考えはじめた。”

”有効な戦略のためには、このたった一度の歴史的な瞬間における機会と限界を認識する必要がある。私たちは一つの歴史的な瞬間から非常に違った別の歴史的瞬間に移行したように見える。この状況では、人々(政治家を含む)に対して、いかにすれば長期的な持続可能性に違反しない形で動きつつ効果的に直近の問題を扱えるのか、という観点で話すのが助けになるだろう。それ以外のやり方ではせいぜい不適切、ひどければ全く歓迎されないだろう。

 成長は死んだ。それから得られるものを最大限に得よう。危機とは、無駄にするには危険すぎるものだ。”

 そして、一つ前の記事では、ハインバーグ師匠は「ピークオイルよさようなら」Say Goodbye to Peak Oil
http://postcarbon.org/say_goodbye_peak_oil
と書いています。ピークオイルが長期的な持続可能性の範疇の概念に後退した、その代わりに世界金融危機が目の前の問題として現れてきた、と見なしているようです。

 後日記:なにやら全くの勘違いのようですね。もう過去のものになってしまったピーク時代に、師匠は別れを告げているんですねー。


コメント:
 世界金融危機によって、実体経済もまた悪化し続けて、ピークオイルは単純に先送りされるということになるのでしょうか?
(Energy Bulletinでもそういう意見Economic Meltdown in America Saves the World from Peak Oilもあります。)
 それとも、石油需要は減退し、再び返らないとしたら、形の上では今がピークです。んーん、経済破局でその後の降下がなだらかなソフトランディング型のピーク現象が生まれるという、そんなシナリオも想定すべきでしたが、想定していませんでしたねー。
 どちらになるにしても、シナリオは大幅書き換えとなります。
一つ変わった現実があるとすれば、政府はリスクを認識したときに、非常に大胆な行動、それまでも考えられなかった行動を取ることがありうる、という実例ができたということです。
 ピークオイルへの適応策や、地球温暖化対策においても、金融危機対策のような大胆な行動がムリムリな理由はないということです。続きを読む
posted by おぐおぐ at 20:30 | TrackBack(1) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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