2006年06月08日

最新エネルギー白書:グラフは物語る

平成17年版エネルギー白書が閣議決定、公表されています。
ブログ:しなやかな技術研究会でこの紹介をしていました。

本文はこちら。

紹介するグラフの左側はOPECの価格と生産量のトレンド変化を示しています。
年毎に逆「の」の字を描いて推移していたものが突き抜けて、価格も生産量も右肩上がりとなっており、これの先どうなるのか、ハラハラします。
そしてグラフの右側の、米国WTIの価格指標である石油先物価格の長期予測も「市場の期待値」が安値への収束から高値へ、あるいは短期長期先物が逆転しかねない発散方向へと動いている状況をよく表しています。

”6月6日(火)に閣議決定された「平成17年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)」を配布致します。
本年次報告は、平成14年に成立したエネルギー政策基本法第11条に基づき、エネルギーの需給に関して講じた施策の概況について、政府が閣議決定の後、国会に報告するものであり、本年が第三回目の報告になります。”
プレスリリースより。
このエネルギー政策基本法ができるまでは、年次エネルギー白書は国会での討議事項ではなかったこと、「よらしむべし知らしむべからず」という官僚の態度は、国民の代表のはずの国会議員に対しても行われていたという、愕然とするような事実もありますね。
もちろんそのエネルギー政策基本法の法整備自身は、自民党が当時の電力自由化の風潮に逆らって原発推進路線を維持したいがために作ったという経緯がありますが。本文の中でも、これまでの新・国家エネルギー戦略やその下の石油政策小委員会報告と同様に、ピークオイルは刺身のツマとしては触れられています。

”また、最近の国際市場において生じているエネルギー価格高騰や需給逼迫懸念に直面して、資源制約の可能性が長期的な問題として注目されるようになっています。石油などの化石燃料資源が有限であるのは当然のことですが、石油の生産量は世界全体でもまもなくピークに達して減産に向かうという、「石油ピーク論」が注目を集めるようになっています。
前述したIEA の見通しでも2030年ごろには生産ピークを迎える可能性が指摘されています。
生産ピークの問題は資源の追加的発見・技術進歩による回収量の拡大等様々な要因によって影響されるため、その先行きを見通すことは容易ではありません。しかし、世界全体での生産ピークは別として、少なくとも米国や欧州(英国・ノルウェー領の北海)等、国際石油会社にとって投資が比較的容易なOECD 地域の生産量が減少傾向にあることは事実です。一方、豊富な資源を持つOPEC やロシア等では、資源に対する国家の管理が強化され、国際石油会社等による自由参入や投資は困難な状況です。
また、重要な点は、資源量が今後20〜30 年にわたる需要増加を満たすに十分あるとしても、資源を利用するには投資が必要であるという点です。すなわち、需要増加に見合った適切かつタイムリーな投資が実現するかどうかが問題です。しかし、中東産油国、ロシア、ベネズエラ等の主要な産油国では、外資導入による石油開発に対して後ろ向きになっているとも言われます。この点に加えて、産油国における情勢の不安定化から、全般的に投資リスクが増大しており、大規模な資源を持つ産油国での投資促進に懸念材料が顕在化するなど、国際石油市場の安定の先行きに懸念をもたらしています。”


この白書の第一部の最後の方(本文P.151)ではしかし、「超長期エネルギー技術ビジョンの概要」の検討で、石油のピークを2050年、天然ガスのピークを2100年とふざけた想定が相変わらず示されています。
白書全体の整合性はどう取るんでしょうか、単に各部局の官僚の作文をつなぎ合わせただけなんでしょうか。
白書に出せないから整合性のない仮定はやり直し、と命令するか取捨選択して研究会の報告書を使わないというような調整すらできないのだとすると日本の官僚病は深刻で、官僚にはなんの期待もできません。
posted by おぐおぐ at 10:41 | TrackBack(0) | 悪影響/ニュース/リンク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。