2006年07月09日

リチャード・ハインバーグの「パワーダウン」という本

リチャード・ハインバーグの「パワーダウン」という本を読み始めています。

 真理を求める人向けに書いた本なのでしょう。ハインバーグは楽天家ではないようで、ピークオイル後の社会について第2章から5章までの各章で4つのオプションを提案していますが、どれも陰鬱なものです。とても環境NGOが推せるようなものではありません。やっぱりたとえ「偽りの」であっても希望がなくちゃね・・・。

そんな声が聞こえてきそうです。でもそれは第4章に示してある、錬金術の薬をもらえるのを口をあけて待つというオプションのことだと書いてあるんです。



PowerDown: Options And Actions For A Post-Carbon World
出版社/メーカー:New Society Pub
価格:¥ 2,075
ISBN/ASIN:0865715106
Rating:ZERO
【タイトル】Powerdown
【サ  ブ】Options and Actions for A Post-Carbon World
【シリーズ】
【著  者】Richard Heinberg
【発  行】New Society Publishers
【発行年月】2004年 第5版は2005年8月
【ページ数】209
【判  型】
【定  価】US$16.95(アマゾン経由で取り寄せましたが単価は1728円でした)
【ISBN】ISBN0-86571-510-6
【種  別】学術
【分  野】社会学
【検索キー】ピークオイル、天然ガスピーク、シナリオ
【目  次】 
Introduction
1.The End of Cheap Energy
2.Last One Standing: The Way of War and Competition
3.Powerdown: The Path of Self-Limitation, Cooperation, and Sharing
4.Waiting for tha Magic Elixir: False Hopes, Wishful Thinking, and Denial
5.Building Lifeboats: The Path of Community Solidarity and Preservation
6.Our Choice

【コメント】
 以下の続きをお読みください。
・救命ボートを作る戦略について その1
・現状認識編「成長論者のパラドックス」
・処方箋編:部分的な取組みのススメ
・4つの戦略オプションと人びとの選択


裏表紙より
−−−   −−−
石油が無くなったとき、あなたはどこにいるだろう?そして狂気と混乱を避けるために採りうるシナリオとは何だろう?

 資源の枯渇と人口圧力が人類に追いつこうとしており誰も準備ができていない。石油は欠乏し、もし米国が現在の政策を継続するなら、来る数十年間は戦争と経済の崩壊それに環境カタストロフィが行き渡ることになる。

 代替案はある。例えば"パワーダウン"戦略とは、富める国の人口一人当たりの資源消費量を減らし、代替エネルギー源を開発し、資源をより平等に分配し人口を人道的に徐々に減少させることを狙ったものである。これは私たちを救ってくれるだろうが、恐ろしく沢山の努力と経済的な犠牲を伴うものだ。

この本『パワーダウン』では、このジレンマのことは正直に書かれている。冷笑や絶望に陥ることなく石油と天然ガスの減耗によって起りうる悪影響の総論から始まり、来る数十年間に先進諸国が採りうるオプションを以下の4つを紹介している。

・Last One Standing(最後の勝者となって生き残れ) 残った資源をめぐる競争の道
・Powerdown (パワーダウン) 協調と保全、共有の道
・Waiting for a Magic Elixir(魔法の薬を待つ) 希望的観測と偽りの希望、否認
・Building Lifeboats(救命ボートを組み立てる) 共同体の連帯と保護

最後にはこの4つのオプションに対するありそうな反応を集めている。
この本はタイムリーで、感銘を与え、緊急の行動への明快な呼び声である。

パワーダウン:
1.21世紀始めに工業国を呑み込んだエネルギー飢饉のこと。
2.人類が生存し続けられるようになるための、熟慮された収縮と転換のプロセス。

−−−   −−−

●コメントby さぼてん 2006-07-11 05:02:53
 SGWさん、はじめまして。3ヶ月ほど前にピークオイルについて知り、色々情報を集めながらこれからの生き方を模索しています。日本でピークオイルがどの程度認知されているのかをネットで探っていて、このブログを見つけました。以来、度々このブログを読ませていただいています。
 この本、今私も読んでいるところです。正直言って、こんなに読むのが辛い本を読んだことがありません。でも、子供のためにも、どのような未来がくるのかを知っておくべきだと思って読んでます。
 明後日、地元アリゾナ州ツーソンでNGOが主催する2回目のピークオイル討論会に出席します。よろしければ、どんな感触だったか後日お伝えしたいと思います。

●コメントby SGW 2006-07-11 08:36:20
 さぼてんさん、書き込みをありがとうございます。
日本ではまだあまりネット上の認知はないだろうと思います。
米国での(といっても広うござんしょうから地元で結構ですので)雰囲気をお伝えいただければ幸いです。

日本の人口減少社会への移行は、温暖化など地球環境問題の背景を受けての社会的な反応なのではないかと思っていますが、これなどはパワーダウンのオプションに入るでしょう。

●コメントby rita 2006-09-22 20:59:03
ハインバーグのこの前の本ですが「パーティズ・オーバー』new yorker誌によればビル・クリントンがアンダーラインをあちこちに引きながら読んだそうです。
David Remnick:
I borrowed a book from him that he had just read―“The Party’s Over: Oil, War, and the Fate of Industrial Societies,” by Richard Heinberg, not exactly summer reading―and it was full of underlinings and what looked like the most serious undergraduate’s markings, with lots of exclamation points.
posted by おぐおぐ at 23:46 | TrackBack(0) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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