2006年11月02日

新・再生可能エネルギー(電力)の次期目標値はいかに?

『自然エネルギー促進法』推進ネットワーク(GEN)のページより
”経済産業省の新エネルギー部会が2014年の目標値の議論を開始するに際して、プレスリリースを発表しました。”

 従来のいわゆるRPS法については「自然エネルギー開発を阻害している新エネRPS法へのパブコメは5月18日まで」 も参考にしてください。

 いわゆるRPS法の当初の目標年度である2010年以降に目標数値を延長して策定するために(政府の下の)新エネルギー部会が開催されるもののようです。GENから出ているのは環境NGOの立場から物申す、としている内容です。

・ブログ:ソフトエネルギー
日本の自然エネルギー利用目標を大幅に拡大すべき / プレスリリース 「自然エネルギー促進法」推進ネットワーク
http://greenpost.way-nifty.com/softenergy/2006/11/__5a03.html

・エコロジー・エネルギー・ブログ
RPS法検討委を設置 新エネ導入量どこまで高められるか
http://blog.livedoor.jp/f_plan/archives/50606909.html
でも紹介しています。


 が、GENのこの主張はやっぱり一歩踏み込みが足りない、抑えすぎた主張になっているのではないでしょうか。・高い目標値を本来掲げるべき、また長期の目標とすることで契約上の安定感を事業者に与えることが投資には必要という一般論としてはいえることだと思います。

 しかし前文にもそれに近いことに触れているように、「ピークオイル時代」を仮に前提とするのであれば、自然エネルギーの数値目標は自動的に上限となり、それ以上の量を導入することへの制約となりますから、法規制そのものが望ましくなく、as high as possibleの青天井とすべきではないでしょうか。
 1つ目の段落にある数値目標の具体案よりも2つ目の段落にあるFIT制度への転換の方を最優先して主張すべきでしょう。

 また、ピークオイル対応という名目であれば技術開発のスピードと規模が重要です。最も費用効果的な一種類の自然エネルギーだけを支援するのではなく、あらゆる自然エネルギーについてトップランナーの技術を育てるのが目的となりますから、自然エネルギーならどの種類でもいいから決めた生産量枠を電力会社に購入させることを義務化しているという従来のRPS制度ではだめだ、ということがはっきりするはずです。
たとえば現在は影も形も見えない波力、潮力エネルギーは英国などで複数の方式で大規模ファームへの実用化に激しくしのぎを削っているわけですが、RPS制度ではなんの支援にもなりえません。お金は風力やらバイオマスにだけ使われることになるでしょう。
 そういう観点で自然エネルギーごとに種類別に買い取り価格を決めることで各種類のトップランナーの技術を育てる、固定価格買取(FIT)制度への移行を、ピークオイル時代の要請にあったものとして主張すべきと思います。


 まあその前にそもそも論で言えば、ピークオイル対策の総合的なエネルギー政策の議論を踏まえないで新たな目標値を立てるのは2014年までにピークが来たと判ったときには目標値の大幅変更となるため時間の無駄になりますから、先にピークオイル対応戦略審議会を立ち上げろー、と新エネ部会での審議の延期自体を求めたいところです。

 元々、この審議会で議論しているいわゆるRPS法そのものは「京都議定書の目標を達成するための」地球温暖化対策を主目的とした立法ではない、ということが言われていたわけですから、エネルギーの安全保障問題そのものである「ピークオイル時代」を全く見ないで次期目標を決めちゃおう、っていうのはどうよ?ねえー。

 と言っても、官僚が自分たちに都合の悪いリアリティーを単に無視してしまうから、政策提言が無駄骨を折ることになるのはわかっていますし、そういう骨折りを飽きずにやってくれている環境NGOに対して含むところがあるわけではないのですが。
ぶつぶつ。

後日記:
読売:Japan: Energy targets debate heats up


●コメントby たる 2006-11-06 17:22:50 
TBありがとうございます。
ぶつぶつ言うのは大切かもですね。ぼくもブログ等を通じていろいろぶつくさ書きますが、投げた小石がとっても大きな波紋になり、時に大波になることもありました。小石でも投げ続けることが大事ですね。

●コメントby SGW 2006-11-07 12:09:49
 あいや、ぶつぶつ言うのはいつものモードなのですが、それだけでなくなにやかや、やらないといけないような気がするんです。
このところ出不精になっていますので。

 まずは個別企業に対して、官僚がいかにあてにならないか、という現状を伝えて危機感を煽るのが、いろいろ過去の不出来な実績もあるでしょうし動き出すきっかけになるんじゃないかというくらいでしょうか。

●コメントby SGW 2006-11-09 11:47:09
 同じ団体が呼びかけ団体となって、2020年までに自然エネルギーで日本のエネルギー需要の20%を賄うよう目標設定をさせようという、「自然エネルギー20/20キャンペーン委員会(の準備会)」が立ち上がっています。
http://www.renewable2020.jp/
 ピークオイル問題を踏まえるとそんな量で足りるの?という疑問も湧いてきますし、逆に実現可能性の懸念も感じますし、どちらの側からも数値目標そのものには懸念を持たれる人もいるとは思います。
それでもまあ、こういう積極的な数値目標を後押ししないで何を後押しできるの?という話になろうかと思います。
posted by おぐおぐ at 21:24 | TrackBack(1) | 供給側対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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日本の自然エネルギー利用目標を大幅に拡大すべき / プレスリリース 「自然エネルギー促進法」推進ネットワーク
Excerpt: " 「自然エネルギー促進法」推進ネットワーク 代表 飯田哲也  国内外で地球温暖
Weblog: ソフトエネルギー
Tracked: 2006-11-03 13:30
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