2007年11月28日

スループットの限界により起こる擬似ピーク

石油価格に影響を及ぼす要因の分類
の続きです。

 この説明をちゃんとしていませんでしたっけ?いろいろプレゼンテーションの中では書いていましたが、一つの記事にまとめておきます。

 ピークオイル論のキモは、ストックの限界という概念です。

ストックの限界:石油時代前期の終り(石油の究極埋蔵量の半分を消費した時期)には、ピークを迎える石油生産量が、伸び続ける需要を満たせなくなるため価格高騰と供給不安を招く問題。
 -ピークオイル危機はこちら。

スループットの限界:世界の石油のサプライチェーンのどこかの工程でボトルネックが生じることで起こる一時的な制約 (革命、国際紛争や事故、投資の遅れなども含まれる) 。
 -過去の石油ショックはこちら。

 2005年から?続く現在のピークが果たしてストックの限界によるピークかどうかは、実際に減り始めてからしばらく経ってみないと分かりません。
 仮に、再度生産量が上昇し2005年のピークを越えるなら、以前のピークは一時的なスループットの限界による擬似ピークだった、という結論となるでしょう(もちろん価格が安くなりすぎて生産調整をするためにピークが出る場合は除いて考えます)。


 イスラエルのゴールドラットが提唱したTOC(制約条件の理論)の話をしないといけないような気がします。
 この話はミクロな一工場や一企業の生産能力の最大化のための制約条件についての理論なのですが、マクロな話である世界の石油生産に関しても、スループットの限界がどこで生じているのかの診断に使える考え方ではないでしょうか。

●制約条件の理論とはTOC制約理論の広場
http://www002.upp.so-net.ne.jp/toc-jp/index.htm
より

”生産システムの能力は何で決まるか。一番能力のない工程で決まる。これは、鎖の強度は一番弱い環で決まるのと似ている。この一番能力のない工程を「制約」と呼び、これがシステムの能力を決めている重要な場所である。資材供給者やマーケットも含めた範囲でシステムを捕らえれば、制約は物理的なものだけではなく、マーケットそのものであったり、資材供給能力であったり、あるいはコストダウンの進め方に関する方針であったりする。”


■TOCの5ステップ
ステップ1:制約条件の特定
ステップ2:制約条件の活用
ステップ3:制約条件に従属させる
ステップ4:制約条件を強化する
ステップ5:再度、制約条件を特定する


 システム全体に影響を与えるポイントが10点もあれば管理するのは難しい。自由度がありすぎる。野良猫集団を管理するようなものだ。しかし、それが1点であれば、ひとつの自由度しか持たないシステムであり、管理するのは簡単である。

システムの中の様々なコンポーネント間に相互依存関係があればあるほど、システムの持つ自由度は少なくなるということはお分かりいただけると思う。企業の各部門の複雑な依存関係をみると、企業全体を支配する数少ないポイントが存在するはずである。すなわち、システムが複雑であればあるほど内在する単純性が重要な意味を持つのである。

内在する単純性を利用するためには、システムを支配する数少ないポイント(レバレッジ・ポイント)を見つけ出さなければならない。このポイントと企業全体のパフォーマンスとの因果関係がわかれば、より高いレベルの業績を実現するようシステムを管理することが出来るのである。

具体的には5段階継続的改善ステップであり、コスト・ワールドからスループット・ワールドへのパラダイムシフトであり、パラダイムシフトを起こすための思考プロセスである。
−−−

さてさて、石油産業のサプライチェーンの中の制約条件というのは一体どこなんでしょう。

 この考え方でみると、ストックの限界現象というのは、まず第一の制約として(一番上流側の)原油が発見されないことが制約として現れます。

 それ以外の制約は、スループットの限界による擬似ピークの原因となる可能性があります。
どんな話でしょうか。

つづく
ピークオイル政策検討に際しての枠組み
フローチャートhttp://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/forum2/image/3829.jpg
の上半分も同じことを書いています。
posted by おぐおぐ at 09:20 | TrackBack(0) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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