2008年04月17日

ん!:ニュース短信その8

  この記事の中で、短いニュースを蓄積していきます。

この記事の表題一覧。
・G8洞爺湖サミットに向けてNGOsが投機筋の制御を訴え
・石炭戦線異常なし?
・燃費向上グッズ16商品「根拠無し」
・シェリル・クロウの新曲「Gasoline」
・石炭の価格改定交渉前に中国の輸出禁止と南アの停電問題
・十市勉氏の微妙な軌道変更
・バイオ燃料は温暖化を加速−論文が山積
・小麦の価格4月から30%値上げ
・欧州連合もピークオイルを認める
・コスモ石油の戦略
・3/5OPEC、再度原油増産を拒否
・3/7インフレ調整後でも原油価格は史上最高値を更新
・3/7エネルギーチャレンジの講演録
・3/10各種の石炭ピーク研究とその温暖化対策への含意
・3/17とまらぬドル安
・3/19ピークオイル概論の翻訳版
・3/25十市勉氏「資源Wars」石炭の異変に注目
・3/29ロシアの石油生産変調か
・3/30米国でのディーゼル燃料の価格高騰
・4/5鉄鋼原料(石)炭価格3倍に
・4/8十市勉氏「資源Wars」石炭その2
・4/10自動車評論家の舘内端氏のコラム
・4/15毎日新聞論説委員長も書いてます
・4/17食糧ピーク問題、G8洞爺湖サミットの主要議題に

   −−−
●食糧ピーク問題、G8洞爺湖サミットの主要議題に
 朝日:食糧問題、洞爺湖サミット主要議題に 政府方針
http://www.asahi.com/politics/update/0416/TKY200804160349.html
”5月に横浜で開く第4回アフリカ開発会議(TICAD)で当面の緊急対策を打ち出したうえで、サミットではG8として価格安定に向けた国際ルール作りや食糧増産といった中長期的な対策を表明する方向で調整する。”

つづく
人気ブログランキングへ ←をクリックにご協力ください。●毎日新聞論説委員長も書いてます
千波万波「オイルピークの接近」潮田道夫
http://mainichi.jp/select/biz/ushioda/news/20080406ddm008070061000c.html
”現実にオイルピークが確認されれば、影響は計り知れない。食料生産は石油に依存しており、石油ピークは即ち食料ピークなのである。
 このところのパンやマヨネーズの急騰が気になる。人騒がせは言いたくないが、食料ピークの接近を告げるサインなのではないか。(論説室)”

●自動車評論家の舘内端氏のコラム
<緊急リポート>「エコドライブか暫定税率廃止か」(08/04/03)
http://eco.nikkei.co.jp/column/article.aspx?id=20080402c7000c7自動車評論家の舘内端(たてうち・ただし)氏のコラムで石油ピークのことが出ています。

●十市勉氏「資源Wars」石炭その2
石炭の安定供給は続くのか?[後編]
中印を中心に続く需要拡大
供給不安晴れず、価格は高止まり
http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/toichi/24/
 この中では、中国の石炭輸入拡大が、国際的な石炭の需給をひっ迫させていることを主要因としています。

 石炭の資源賦存量からすると今がハバートのピーク(ストックの限界)ではない可能性が高いですが、「スループットの限界だけでも価格の高騰ないし高止まりが既定路線となりうる」という主張は、現在の石油についてのスループットの限界論者の主張から来る論理的帰結といえるでしょう。

●鉄鋼原料(石)炭価格3倍に
 4/5日経新聞によると、2008年度の価格交渉が新日鉄と豪BHP社の間で行われ、07年度比3倍の高値で合意したとのことです。
(日本の大手社の妥協に伴い他社への価格も決まる仕組みなので、)”国内鉄鋼業界のコスト負担増は1兆5千億円、鉄鉱石などを含め2兆5千億円規模となる。”とのことです。
スポット価格の高騰というだけでなく原油高による石炭の割安感が需給をひっ迫させているというピークオイルの波及効果もあり、石炭価格全般が高騰しているのでしょう。

●米国でのディーゼル燃料の価格高騰
 29日の米ABCニュースで伝えていました。1ガロンあたり4ドルになり、半年ほどはガソリン価格の2倍の速度で高騰しているということです。
アメリカでの物流の要になっているトラック輸送が直撃されることで、各種物価高騰の原因として挙げられているとのこと。
 EUなどでの新車の半分がディーゼル車であったり、中国インド燃料消費拡大が軽油の割高現象を生み出しているということです。

●ロシアの石油生産変調か
2008年のロシアの石油生産、10年ぶりに下降?
ブルームバーグ:Russian Oil Output May Fall for First Time in Decade in 2008
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20602099&sid=arXTpOY4omL4&refer=energy
”March 27 (Bloomberg) -- Russian oil output may fall this year for the first time in a decade as the world's second-biggest supplier struggles with rising costs and harder-to-reach fields, Natural Resources Minister Yuri Trutnev said.”
 石油開発促進のために税金の減免を始めるだろう、という見込みも語られていますが。
 ブルブルッ。ピークにならない最後の希望がサウジとロシアの増産だったのではないでしょうか。ロシアが下がるなら今年の下降は約束されたも同然・・・。そりゃまあ石油税絡みのブラフ合戦をしているだけかもしれませんが。

●十市勉氏「資源Wars」石炭の異変に注目
石炭の安定供給は続くのか?[前編]
崩れ去る「石炭神話」
長期安定供給に灯る黄信号
http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/toichi/23/

●ピークオイル概論の翻訳版
 The Oil Drumよりの概論の日本語版を作りました。PeakOilMar08jpn.pdf
元記事はこちら。
Peak Oil Overview - March 2008 (Pdf and Powerpoint available)
http://www.theoildrum.com/node/3726

●とまらぬドル安
 今日午前には1ドル95円代までドル安が続いたとのこと。
過去3年間続いてきた原油高騰下での円ドル為替レートのペッグ状態が、ここへ来てどうして急に外れてきたのかは、やはりサブプライム危機の深刻化で語るべきなのでしょう(週刊東洋経済誌ではたしか「世界恐慌?」という題まででていましたね)。昨年夏頃から、じょじょに円高ドル安にシフトしていました。

●各種の石炭ピーク研究とその温暖化対策への含意
 ジャーナリストDavid Strahan氏が、過去1年の各種の石炭ピーク研究とその温暖化対策への含意についてコンパクトにまとめた紹介記事をガーディアン紙に書いています。

タイペイ・タイムズ紙より
Coal The end is nigh
http://www.taipeitimes.com/News/feat/archives/2008/03/09/2003404819
”Oil production may soon 'peak,' but what about coal? Recent figures suggest global reserves may not be nearly as plentiful as the industry and governments have led us to believe”
By David Strahan
THE GUARDIAN, LONDON
Sunday, Mar 09, 2008, Page 17
過去記事については、
「驚きの石炭ピーク研究」
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/forum2/10047.html
を参照ください。

●エネルギーチャレンジの講演録
http://change-agent.jp/news/000126.html
が出来上がっています。

●インフレ調整後でも原油価格は史上最高値を更新
WorldChanging:What Does Oil's New High Mean?
http://www.worldchanging.com/archives/007871.html

 インフレ調整後の歴史的な高値、1980年4月の1バーレル$103.76ドルを更新したということです。
”Some of the blame may go to speculation and the decline of the dollar. But the roots of the problem run deeper.”
”Although the dreaded phrase “peak oil” is still used mainly by oil industry mavericks like Matthew Simmons and T. Boone Pickens, their views ― if not their language ― do appear to be spreading to the mainstream.”

●3/5OPEC、再度原油増産を拒否
 景気変調を受けて減産という主張も出されていてどうなるかが注目されていましたが、据え置きとなりました。
ロイター:OPECが生産量据え置きで合意、原油高は統制外要因が背景と指摘
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080306-00000692-reu-int

●コスモ石油の戦略
 BS1での再放送を見ましたが、2/24朝のNHKの「経済羅針盤」の番組の中で、コスモ石油の木村社長を招いて特集をやっていました。
 政府系ファンド、アラブ首長国連邦のIPIC(国際石油投資会社)に株式の20%を売って筆頭株主にして資本提携した狙いは、一つには原油の安定確保を求めてのことだそうです。2012年から権益が切れることを見越して、契約更改を可能にするために、ふところに飛び込むということのようです。
そして経営安定のためにも海外へのサルファフリー軽油の輸出を全体の2割?狙うとのこと。海外への事業展開とは国内の安定供給ではないのですが…。

 また国内の精製設備としては、比較的だぶついている重油を分解してガソリン・軽油を精製するプラントを1000億円かけて新設するというダイナミックな対応策に打って出ているということでした。
 もちろんピークオイル話などは出てきませんでしたし、しばらくは原油高止まりという程度の現状認識は、やっぱりなあ、といったところですが。

●欧州連合もピークオイルを認める
ASPOニュースレター2月号より
http://www.aspo-ireland.org/contentFiles/newsletterPDFs/newsletter86_200802.pdf
ECのエネルギーコミッショナーAndris Piebalgsがスイスで行った講演の紹介がありました。
”ピエバルクスは気候変動に取り組むことは危機的に重要であるが、政治家は化石燃料資源の供給安全保障についても注意しなければならない。気候変動と供給安全保障の組み合わさった挑戦はEUが"古い化石エネルギーシステム"に執着していることはできないという結論を導く、と語った。
ピエバルクスは、何時石油生産ピークになるかのさまざまな予測を紹介し、専門家はあるいは20年先といい、あるいはすでに生産量ピークは来たという、と述べた。
 問題の潜在的な重要性を強調して、彼は、70年代の石油危機では石油の需給ギャップはわずか5%程度であったが、ポストピーク時代の需給ギャップは年率4%ずつ増加し5年も経てば20%のギャップも引き起こすと語った。(Reference furnished by J.N. von Glahn)”

●小麦の価格4月から30%値上げ
 各テレビで報道が大々的にされていました。
農水省:平成20年4月期における輸入麦の政府売渡価格の決定について
http://www.maff.go.jp/j/press/soushoku/boueki/080215_1.html
 ”(1) 麦の国際相場は、
(ア)中国やインド等の人口超大国の経済発展による食料需要の増大
(イ)世界的なバイオ燃料の原料としての穀物等の需要増大
(ウ)地球規模の気候変動の影響
といった構造的な要因による穀物需給のひっ迫から大幅に上昇している。”とのことです。石油代替エネルギー/温暖化対策としてのバイオエタノールは完全に食糧問題の元凶と化した感がありますね。

●バイオ燃料は温暖化を加速−論文が山積
ワイヤードビジョン:「現行バイオ燃料のCO2排出量は、ガソリンの5割増しから2倍」研究論文
http://wiredvision.jp/news/200802/2008021220.html
が最近の総論となっています。EUはこの1月の決定で、一部の輸入バイオ燃料について規制的な見直しをすることになりました。(不十分だという批判も上がっていますが)
同じく、
農業情報研究所(WAPIC):バイオ燃料→土地利用変化で温暖化ガスが激増 森林等破壊防止規制も無効 新研究
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/earth/energy/news/08020901.htm
に2つのサイエンス誌論文が詳しく紹介されています。
 温暖化対策にもならないということが明確になってきたようですので、米国政府も日本政府もあきらめて火消しに回ってもらわないと、ことが食糧危機になれば政権の一つや二つ倒れてもおかしくはありません。

●十市勉氏の微妙な軌道変更
十市勉の『資源Wars』連載より
空前の原油高のゆくえ[前編]
http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/toichi/19/index.shtml
空前の原油高のゆくえ[後編]
投機マネーに振り回される原油市場
http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/toichi/20/index.shtml
 ”中長期的に需給の逼迫が懸念されることも原油高の背景にある。IEA(国際エネルギー機関)の見通しにもあったように、需要の増加に合わせた新規の油田開発は進んでいない。そのため2015年ぐらいまでは、需給がタイトになることが予想される。さらに、最近では、世界の石油生産量は頭打ちになるだろうという説が有力だ。地質学者が言う「ピークオイル論」とは少し意味合いが異なるが、資源の温存政策とも関連して新規の油田開発がスローダウンし、現在は日量 8500万バレル程度の石油生産量が、同1億バレル前後で頭打ちになると見られている。原油高の背景には、これらの複合的な要因があり、価格の高止まりという構造はすぐには解消しそうもない。”
 簡単に価格下落が起こらないというばかりでなく、新たな説明要因として温暖化対策も含めて、スループットの限界が続くことを認めています。スループットの限界も長続きすれば、ポストピーク時代に入ったのと結果的に同じことになるでしょう。

●石炭の価格改定交渉前に中国の吹雪に伴う輸出禁止と南アの停電問題
Bloomberg:Newcastle Thermal Coal Rises to Record on China Export Cuts
 globalCOAL NEWC Indexによる価格指標によると、2007年の1年間は73%上昇。4月1日の契約更新価格については、Citigroup Inc.とUBSはトン当たり今年の$55.65に比べて100ドルに、JPMorganも90ドルに上昇すると予想している。

●シェリル・クロウの新曲「Gasoline」
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 元ネタはこちら。
"Crow’s song sends the message that we’ve built our whole way of life on a shaky foundation that’s bound to crack when we run out of gas. Towards the end of “Gasoline,” she sings: I’ve got a message and a megaphone, and I’ll scream it to the death…”"

●燃費向上グッズ16商品「根拠無し」
 朝日新聞の記事にありました。
 ”自動車に取り付けたり、燃料タンクに入れたりするだけで「燃費が向上する」と表示した商品について調査していた公正取引委員会は8日、カー用品店などで販売されていた16商品について、燃費向上の合理的な根拠がないとして、景品表示法違反(優良誤認)にあたると判断し、製造・販売していた計19社に対し、表示の停止や再発防止を求める排除命令を出した。”

●石炭戦線異常なし?
Coal prices triple as supply crisis deepens
http://globalpublicmedia.com/coal_triples
 豪州産コークス用石炭のスポット価格が数日で3倍にまでなっているとのこと。石炭について(少なくともスループットの)限界が起こっていることは疑う余地がありません。

●G8洞爺湖サミットに向けてNGOsが投機筋の制御を訴え
 オルタモンド:2月4日G7財務相・中央銀行総裁会合に向けて要請書提出
http://blog.goo.ne.jp/altermonde/e/f593afff84f45c8f9093227af02851c7
という記事が紹介されていました。
ヘッジファンドや他のファンドの資産と取引履歴等の情報開示の義務化、
エネルギーや資源、穀物先物市場への投機マネーの抑制メカニズムの構築と実施、
各種投資ファンドへの公正な税制の導入と実施、
短期の投機資金を規制する通貨取引税の導入と実施、
債務帳消しを無効にする「はげたかファンド」の規制、
 などを提唱しています。
原油高騰の原因がピークオイルであるならば、投機筋に対する規制には効果はないといえるでしょうが、そうとばかりは限らないので、実際に消費国政府が投機筋規制に乗り出してみるのが良いと考えます。原因に切り込まないでどうして原油高騰が止まるもんですか。
 ピークオイル否定論者のみなさんは、当然これらの規制を支持しますよねえ?

ん!ニュース短信その7に戻る
posted by おぐおぐ at 22:46 | TrackBack(0) | ん!ニュース短信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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