2008年10月18日

ん!:ニュース短信その12

  この記事の中で、短いニュースを蓄積していきます。

・7/30劇的な幕切れ−WTOのドーハラウンド交渉決裂
・7/31中国政府の石油価格統制の行方
・8/5経産省の中小企業対策
・8/6英国グリーンピースのブログでもピークオイル論争
・8/10三菱UFJリサーチ・コンサルティング・(隔週)原油レポートで米国の投機規制についての紹介
・8/18福岡正信さんがなくなられました
・8/19原油高騰の原因追求
・8/26電気料金値上げ反対9/6デモ
・8/27とうとうお茶の間に入ったか
・8/29与党・政府の緊急総合対策決定
・9/2福田首相退陣するも不安なし
・9/2榊原英資と金子勝の共通点
・9/4田中優さん講演のYoutube
・9/12OPEC実質減産決定するも、価格は軟調
・9/15バレル当たり100ドル割れ、日経社説も
・9/15やっちまった−かな?ハリケーン・アイク
・9/16リーマン・ブラザーズ倒産とアメリカ発世界金融危機
・9/24ちょっと前の石井彰氏のピークセンチメント論
・9/26一瞬の130ドルへのジャンプ
・9/27ブッシュ政権によるウォールストリート救済策の行き詰まり
・9/28単月の貿易収支赤字に転落−26年ぶり
・10/1トヨタの委託研究者EV Worldでピーク発表
・10/51週間遅れで米金融安定化法案成立
・10/5ロシア大統領「米国/ドルの金融一極支配終わる」
・10/5NHKの新BSディベート「どうなる原油価格 広がる金融不安の中で」
・10/7米国食料価格も金融危機に反応して下落
・10/9「石油代替エネルギー促進法」の見直し始まる
・10/18エンドオブサバービア−米住宅着工件数底なしの下落

−−−
●エンドオブサバービア−米住宅着工件数底なしの下落
ブログ『化学業界の話題』「9月の米住宅着工 更に減少」
http://knak.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/9-5db1.html
の米住宅着工件数グラフの下り坂がすごいです。 中古住宅の相場下落もサブプライムローン他の含み損となっていくのでしょうね。

●「石油代替エネルギー促進法」の見直し始まる
電気新聞「総合エネ調総合部会、10日に再開−代エネ法見直し、化石燃料依存度低減へ新制度」
http://www.shimbun.denki.or.jp/backnum/news/20081007.html
”エネ庁が約30年ぶりに代エネ法に基づく「脱石油」から「脱化石燃料」に転換する背景には、エネルギー資源をめぐる国内外の情勢変化がある。代エネ法は石油危機を契機として石油依存度を下げるために導入されたが、近年は石油代替燃料である石炭、天然ガスも新興国の需要増などを受けて供給不安を招いている。”
 フーム。価格の問題じゃなくて、供給不安とな?

Gasoline will be free, will be free〜♪
Gasoline will be free, will be free〜♪
Way back in the year of 2017,
The sun was growing hotter,
And oil was way beyond its peak...
http://jp.youtube.com/watch?v=I3Wk_jcfm3Y
(シェリル・クロウの歌う「ガソリン」、お勧めです。)

つづく●米国食料価格も金融危機に反応して下落
HP『農業情報研究所』より
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/prices/cbot.html
まさに、金融危機が実体経済を悪化方向に動かしているというべきでしょうか?石油までは分かるのですが…。

●NHKの新BSディベート「どうなる原油価格 広がる金融不安の中で」の再放送を見ました。
ピークオイル論について、ASPOの予測だけが紹介されていましたが、特に論者の一人、ロシアからの遠隔参加者は自国の生産ピークを認めました。
伊藤洋一氏「私はピークオイル論が正しいかどうか知りません、知りませんが地球が何十億年も掛けて作ってきた化石をね、たった100年の間に使い切ってしまっていいのかという気持ちがずっとあるし…、石油の世紀が終わる可能性を我々は充分認識しておいた方がいいし、石油の世紀が終わったときにその対応が上手く出来ていた方が、日本としても世界としてもいいんだということを認識しなきゃいけない。…安い石油の時代は確実に終わろうとしているということは間違いないですね。」
 とはいえ、結局2005年からの在来原油生産の頭打ちのグラフは見せずじまいでした。

●ロシア大統領「米国/ドルの金融一極支配終わる」
AFP通信:Era of US financial dominance over: Medvedev
http://afp.google.com/article/ALeqM5jlhSvilwkBC3EfGG6DOXP1wTGFSA
”"The time of domination by one economy and one currency has been consigned to the past once and for all," Medvedev said during a forum alongside Chancellor Merkel.
"We must work together towards building a new and more just financial-economic system in the world based on the principles of multipolarity, supremacy of the law and taking account of mutual interests."”


●1週間遅れで米金融安定化法案成立
 結果として、この1週間の株式下落の原因ともなりましたし、原案及び修正項目の内容についても批判的な目で精査がされる機会となったといえます。

●トヨタの委託研究者EV Worldでピーク発表
The Last Trillion Barrels
By EV World
http://www.evworld.com/article.cfm?storyid=1535
さて、非OPEC諸国の生産量ピークが2008年だと認めていることは意味があると思いますが、2020年あたりがOPEC+非在来原油のピークだとしています。充分早いのですが、「早期」ピーク論とは呼びがたい時期区分ですね。この議論はむしろ「政治的」ピークオイルという議論につながるのでしょう。

●単月の貿易収支赤字に転落−26年ぶり
金融危機にくらべればたいした問題ではないのでしょうが。
佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン より
「円安貿易立国終了」
http://blog.livedoor.jp/y0780121/archives/50195951.html
 戦後の初期を除いて貿易赤字になったのは前の石油ショックの時だけのはずです。
そもそも加工貿易立国というなら、元々多くの資源を輸入しなければならない日本では、貿易収支がプラマイゼロになる程度に儲けていればよかったはずですが、重商主義の強迫症を呈している経済産業省さんの中ではこの状況に発狂しかねない人がちらほら出ていることでしょう。

●ブッシュ政権によるウォールストリート救済策の行き詰まり
 米政府の75兆円の不良債権買取りを元ゴールドマンサックスCEOのポールソン財務長官に一任する救済案に与党共和党が反対し、成立する見込みが立たなくなっています。さらにWaMuワシントン・ミューチュアル銀行の米国一の破たんもあり、10日間のドタバタにも関わらず、金融危機はさらに悪化しつつあります。
「米政府による金融機関救済」への怒りと抗議運動、ネットで広まる
http://wiredvision.jp/news/200809/2008092621.html
この抗議運動は市民側の怒りを表すものとしてニュースでも報道されていました。
 アメリカ帝国の崩壊をこんなにすぐに見るとは思っていませんでした。

●一瞬の130ドルへのジャンプ
ブログ「化学工業の話題」より
WTI原油取引で相場操縦の疑い
http://knak.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/wti-a128.html
とありますが、店じまいの時(先物の内の一番期近ものが1月先に変わる最後の日)に起こったこと、かつてなかった動きなので、何か意味があるのか、考えてみるべきかと思います。

●ちょっと前の石井彰氏のピークセンチメント論
 7月5日の朝日ニュースター金子勝の番組「ニュースにだまされるな」の動画がありました。
ニュースにだまされるな<原油高騰はいつまで続くのか>1
http://www.technorati.jp/videos/youtube.com%2Fwatch%3Fv%3DbIKdfss1h9w
ニュースにだまされるな<原油高騰はいつまで続くのか>2
http://www.technorati.jp/videos/youtube.com%2Fwatch%3Fv%3D-uEuAq51TH4
ニュースにだまされるな<原油高騰はいつまで続くのか>3
http://www.technorati.jp/videos/youtube.com%2Fwatch%3Fv%3DbIKdfss1h9w
に石井彰氏が出ています。
センチメントとしての欧米でのピークオイル論が心理的な高騰要因だという分析のようです。
 OECDのCrude Oilの在庫規模が高騰以前のレベルよりも多いということを現実の需給ひっ迫は起きていないという根拠にしています。
うーん、オールリキッドの消費分の在庫はその在庫統計ではどう勘定しているのでしょうね。

●リーマン・ブラザーズ倒産とアメリカ発世界金融危機
 金融危機が波及することによる石油需要の崩壊という影響もあるでしょうし、一方では「投機」の実行者?の一端が破綻したことは今後の原油市場参加者に大きな影響を与えることでしょう。
 もう一つ、背景要因としては、アメリカの不動産バブルの崩壊の一因として遠距離郊外からの通勤をできなくするガソリン価格の急騰という要因もあったことでしょう。

Recessions and Oil Spikes.JPG
 WTIの原油価格は急落していますが、スループットの限界による石油ショックがどこまで広がるかによって、また状況は変わるでしょう。
 いずれにしても、「アメリカ帝国の終焉」の一端を今見ているのでしょう。
 daiさんのブログ『分散型エネルギー社会を目指して』より
「アメリカ帝国の終焉に覚悟のある首相候補は?」
http://energy-decentral.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-b808.html

●やっちまった−かな?ハリケーン・アイク
 単独の記事にしました。

●バレル当たり100ドル割れ、日経社説も
社説2 100ドル割れ局面の市場と産油国(9/13)
”米国の金融不安を背景に、昨年からヘッジファンドなどが積み上げてきたドル売り・原油先物買いのポジションの巻き戻しが進んだ結果である。”
”米商品先物取引委員会(CFTC)など当局は市場監視を強めつつあり、ファンドや投資銀行の商品先物投資での持ち高制限を導入する案も浮上している。”
”OPEC内ではイランやベネズエラなどが1バレル100ドル超の高価格に執着する半面、サウジなどは高すぎる価格による石油離れを警戒する。世界景気減速のほか地球温暖化抑制という要因もある。サウジなどが石油収入だけでなく、長期的な石油需要の確保という意識も強めているのは、供給側の重要な変化だろう。”
と、全体像を描いています。

●OPEC実質減産決定するも、価格は軟調
 日産50万バーレル分といえば、サウジが増加を約束した分が丸々キャンセルされる規模の減産ですが、1バーレル100ドルを切るか切らないところで「低空」飛行を続けています。
望月経済産業事務次官記者会見より
”【原油価格】
Q:昨日、OPECのほうで実質的な減産の決定が出されまして、ただWTIは若干上がっているのですけれども、OPECの決定についてと、原油価格の動向につきまして、見解をお願いいたします。

A:枠は横ばいで維持するということでありまして、厳密にOPECの言い方で言えば、実際は少し50万バレルぐらい生産枠を超えているので、それを枠どおりに生産しろということのようですから、50万バレルぐらい減るという話なのだと思うのですけれども、実際問題、むしろ意味のあるのは枠横ばいということで決められたということではないかと思います。言ってみれば、マーケットについては、ある意味では中立で見守っていくということではないかと私は理解しております。従って、現在の価格の軟化基調というものは、恐らく需給の状態を見ても続いておかしくないと思っております。ただ、日々のマーケットの動きについては、いろいろな小さな要因が重なって動いているものですから、大きな流れで見れば軟化していくということについて期待を持っております。それからもともと原油の実力から見れば、プレミアムが乗っかっている状態であることには変わりありませんから、実需に近い価格に落ち着いていくことを引き続き期待をしています。”

 もうプレミアム分ってのはなくなっているんじゃないですか?まだあるという根拠はどこにあるんでしょう?

●田中優さん講演のYoutube
ネット検索をしていると見つけました。この春の講演ですね。
田中優さんと語り合う「おカネで世界を変える方法」
</param></param>
 他にもありそうですがとりあえず。

●榊原英資と金子勝の共通点
クローズアップ現代の「グローバル・インフレ」と榊原英資の提言
http://critic5.exblog.jp/9410092/
 テッサロニケ氏のブログ『世に倦む日日』のNHKクローズアップ現代の論評はいつも読んでいますが、面白そうな番組を見逃したようです。
”われわれ庶民の意思や希望に反して、原油価格の議論はきわめて不本意な方向に展開していて、榊原英資のみならず金子勝までが原油バブル論から転向して、価格高騰をセオリーで合理化し始めている。「世界」9月号にその論文が載っていて、それにも驚かされた。榊原英資と金子勝の二人が原油バブル論を放棄して、この高騰はリーズナブルで今後も趨勢として固定すると言われたら、われわれはどこに新自由主義に対する理論的反撃の拠点を求めればよいのか。”
 金子氏は元々ピークオイル論を良く知っているはずですが、榊原英資氏は要注目ですね。
ちなみに確かにテッサロニケ氏が期待を寄せている森永卓郎氏は原油バブル破裂論を説いていますね。
「原油バブル崩壊で経済のパラダイムが変わる」
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/147/
(金子勝とアンドリュー・デウィットのコンビは、岩波ブックレットの「反ブッシズムその2」の中で、ピークオイル論についての解説を書いています。岩波「世界」9月号も、その路線に温暖化対策を絡めた単行本「環境エネルギー革命」の主張を紹介したものでした。付け加わった部分は、金融資本主義「サブプライムバブル」の崩壊が同時期に来ている部分だけです。)


●福田首相退陣するも不安なし
 驚くべき官僚統制政府だということが明らかになり、そのことをまた国民が知っているということです。8月末に作られた原油高への総合対策の補正予算案が、新たな自民党総裁の手で、そのまま実行に移されることに懸念を抱いている人は誰もいません。

●与党・政府の緊急総合対策決定
「安心実現のための緊急総合対策」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaitaisaku/kettei/080829kettei.pdf
 残念ながら、ピークオイルに類した概念はゼロですね。

●とうとうお茶の間に入ったか
「あと10年でピークアウトすると言われる石油・・・」と今日のテレ朝報道ステーションで古館一郎がつぶやいてました。本「地球最後のオイルショック」の帯を見ちゃいましたね。
 いつのまにかお茶の間にまでピークオイルが浸透していたとは・・・。

●電気料金値上げ反対9/6デモ
ブログ『電気料金値上げおかしくない?』
やmixiで企画が上がっています。いろんな電力会社の政策の問題を一緒に訴えて行こう、まずはVoice、声を挙げることから始めよう、という姿勢ですね。
−−−
☆このデモをやるべき4つの理由
1)電気で広がる格差。
2)高いのは原発なのでは?
3)高くなる一方の石油・石炭よりも、前途有望な自然エネルギーを!
4)みんなが使うエネルギー、みんなで考えよう。
−−−

●原油高騰の原因追求
中岡望氏のブログより
原油価格高騰の要因を分析するー需給論と投機論のどちらが正しいのか
http://www.redcruise.com/nakaoka/?p=253

●福岡正信さんが亡くなられました
 自然農法の提唱者であり、粘土団子を使っての緑化を世界に働きかけていた福岡正信さん。
 8/16のことです。昨日は入棺前のお宅にお邪魔してお顔を拝見してきました。先週の水曜にも地元の関係者が集まっていたそうです。いろは革命カルタという出版物をもう何年間も書き溜めて、亡くなるまで推敲し続けていました。
 今日がお葬式ですが、今朝の愛媛新聞では社説で「福岡正信さん死去 遺産を農業の今後に生かそう」と取り上げていますね。

●三菱UFJリサーチ・コンサルティング・(隔週)原油レポートで米国の投機規制についての紹介
 が出ていました。7/28版のレポートです。

●英国グリーンピースのブログでもピークオイル論争
がはじまったようです。
Deep Green: peak oil changes everything
 個人の意見と断って、関係者のピークオイル論と温暖化対策への影響の記事を転載しています。
 元々『ピーク・オイル・パニック』を書いたジェレミー・レゲットは長らくのグリーンピース関係者でしたから、もっと早くこの議論に入るべきだったはずですが、これからどういう結論に至るのか、興味津々です。

●経産省の中小企業対策
http://www.meti.go.jp/press/20080805004/20080805004.html


●中国政府の石油価格統制の行方
中岡望の目からウロコのアメリカ:原油高と中国経済:石油製品の価格統制で原油高の影響を遮断
http://www.redcruise.com/nakaoka/?p=252
で紹介されています。
”中国の石油製品の国内価格と国際価格の差は極めて大きい。中国の石油燃料価格は国際相場の半分程度であり、モルガン・スタンレー証券は内外価格差を解消するためには中国政府は国内価格を70%から80%引上げる必要があると推計している。”
”現在の社会状況やインフレ状況から判断する限り、中国政府は一気に統制価格制度を廃止し、エネルギー価格の上昇を許容できない状況に置かれている。”
 短期的な「政治的」需要抑制要因はこのあたりでしょうか。

●劇的な幕切れ−WTOのドーハラウンド交渉決裂
7月末に、途上国側が農産品交渉で妥協を拒否して決裂しました。
日本農業の危機と騒がれていましたが、ひとまず現状凍結ということになります。ブッシュ政権下での交渉は終わりで、次期米政権の貿易政策が定まるまでは何もこの後決まらないだろう、ということで、WTOの2001年から始まった新ラウンドはここに挫折したということです。

ブログ代替案:国際政治最大のタブー(関税政策)に挑む
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/7665ec009312d4158ea5021fbfb9bd1e
で貿易自由化反対の論理が紹介されています。

ん!:ニュース短信その11 へつづく。
posted by おぐおぐ at 11:24 | TrackBack(0) | ん!ニュース短信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。