2008年10月11日

世界金融危機−ピークオイルの一つ前の?大波

 アメリカ発の世界金融危機についてNHKクローズアップ現代の番組を聴きながら書いています。

 以前に書いた関係する短信を再掲しておきましょう。

●9/16リーマン・ブラザーズ倒産とアメリカ発世界金融危機
 金融危機が波及することによる石油需要の崩壊という影響もあるでしょうし、一方では「投機」の実行者?の一端が破綻したことは今後の原油市場参加者に大きな影響を与えることでしょう。
 もう一つ、背景要因としては、アメリカの不動産バブルの崩壊の一因として遠距離郊外からの通勤をできなくするガソリン価格の急騰という要因もあったことでしょう。
 WTIの原油価格は急落していますが、スループットの限界による石油ショックがどこまで広がるかによって、また状況は変わるでしょう。
 いずれにしても、「アメリカ帝国の終焉」の一端を今見ているのでしょう。
 daiさんのブログ『分散型エネルギー社会を目指して』より
「アメリカ帝国の終焉に覚悟のある首相候補は?」
http://energy-decentral.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-b808.html

●9/27ブッシュ政権によるウォールストリート救済策の行き詰まり
 米政府の75兆円の不良債権買取りを元ゴールドマンサックスCEOのポールソン財務長官に一任する救済案に与党共和党が反対し、成立する見込みが立たなくなっています。さらにWaMuワシントン・ミューチュアル銀行の米国一の破たんもあり、10日間のドタバタにも関わらず、金融危機はさらに悪化しつつあります。
「米政府による金融機関救済」への怒りと抗議運動、ネットで広まる
http://wiredvision.jp/news/200809/2008092621.html
この抗議運動は市民側の怒りを表すものとしてニュースでも報道されていました。
 アメリカ帝国の崩壊をこんなにすぐに見るとは思っていませんでした。

●9/28単月の貿易収支赤字に転落−26年ぶり
金融危機にくらべればたいした問題ではないのでしょうが。
佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン より
「円安貿易立国終了」
http://blog.livedoor.jp/y0780121/archives/50195951.html
 戦後の初期を除いて貿易赤字になったのは前の石油ショックの時だけのはずです。
そもそも加工貿易立国というなら、元々多くの資源を輸入しなければならない日本では、貿易収支がプラマイゼロになる程度に儲けていればよかったはずですが、重商主義の強迫症を呈している経済産業省さんの中ではこの状況に発狂しかねない人がちらほら出ていることでしょう。

●10/51週間遅れで米金融安定化法案成立
 結果として、この1週間の株式下落の原因ともなりましたし、原案及び修正項目の内容についても批判的な目で精査がされる機会となったといえます。

●10/5ロシア大統領「米国/ドルの金融一極支配終わる」
AFP通信:Era of US financial dominance over: Medvedev
http://afp.google.com/article/ALeqM5jlhSvilwkBC3EfGG6DOXP1wTGFSA
”"The time of domination by one economy and one currency has been consigned to the past once and for all," Medvedev said during a forum alongside Chancellor Merkel.
"We must work together towards building a new and more just financial-economic system in the world based on the principles of multipolarity, supremacy of the law and taking account of mutual interests."”

●10/7米国食料価格も金融危機に反応して下落
HP『農業情報研究所』より
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/prices/cbot.html
まさに、金融危機が実体経済を悪化方向に動かしているというべきでしょうか?石油までは分かるのですが…。


 さて、リチャード・ハインバーグ師匠はこんなことを書いています。
The end of growth
by Richard Heinberg
http://energybulletin.net/node/46825
より抜粋します。

”「世界金融危機と、利用可能なエネルギーの減少とを見ると、私たちは今、世界全体の経済成長の最後の年を見ているかもしれない。」

 これははらはらさせる発言だ。昨日私はIFGが企画した環境NGOと経済公正NGOの集まる戦略会議でこうしゃべり、自分自身でも驚いて、すぐさま自分の言った事は正しいのだろうかと考えはじめた。”

”有効な戦略のためには、このたった一度の歴史的な瞬間における機会と限界を認識する必要がある。私たちは一つの歴史的な瞬間から非常に違った別の歴史的瞬間に移行したように見える。この状況では、人々(政治家を含む)に対して、いかにすれば長期的な持続可能性に違反しない形で動きつつ効果的に直近の問題を扱えるのか、という観点で話すのが助けになるだろう。それ以外のやり方ではせいぜい不適切、ひどければ全く歓迎されないだろう。

 成長は死んだ。それから得られるものを最大限に得よう。危機とは、無駄にするには危険すぎるものだ。”

 そして、一つ前の記事では、ハインバーグ師匠は「ピークオイルよさようなら」Say Goodbye to Peak Oil
http://postcarbon.org/say_goodbye_peak_oil
と書いています。ピークオイルが長期的な持続可能性の範疇の概念に後退した、その代わりに世界金融危機が目の前の問題として現れてきた、と見なしているようです。

 後日記:なにやら全くの勘違いのようですね。もう過去のものになってしまったピーク時代に、師匠は別れを告げているんですねー。


コメント:
 世界金融危機によって、実体経済もまた悪化し続けて、ピークオイルは単純に先送りされるということになるのでしょうか?
(Energy Bulletinでもそういう意見Economic Meltdown in America Saves the World from Peak Oilもあります。)
 それとも、石油需要は減退し、再び返らないとしたら、形の上では今がピークです。んーん、経済破局でその後の降下がなだらかなソフトランディング型のピーク現象が生まれるという、そんなシナリオも想定すべきでしたが、想定していませんでしたねー。
 どちらになるにしても、シナリオは大幅書き換えとなります。
一つ変わった現実があるとすれば、政府はリスクを認識したときに、非常に大胆な行動、それまでも考えられなかった行動を取ることがありうる、という実例ができたということです。
 ピークオイルへの適応策や、地球温暖化対策においても、金融危機対策のような大胆な行動がムリムリな理由はないということです。
ブログ意見集 by Good↑or Bad↓ 金融危機で日本経済の消費は?
posted by おぐおぐ at 20:30 | TrackBack(1) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック

今日の論点!ブログ意見集: 金融危機で日本経済の消費は? by Good↑or Bad↓
Excerpt: 「金融危機で日本経済の消費は?」に関するブロガーの意見で、みんなの参考になりそうなブログ記事を集めています。自薦による投稿も受け付けているので、オリジナルな意見のブログ記事があったら、どしどし投稿して..
Weblog: 今日の論点!by 毎日jp & Blog-Headline+
Tracked: 2008-10-12 12:15
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。