2009年01月10日

転載:謹賀新年:ウプサラ議定書と石油会社の面白い動き

 続いて転載です。現在は、石炭などの代替案の現実性について当時の考えとは変わっていますがそのままにしておきます。

(初出2006-01-01)
謹賀新年:ウプサラ議定書と石油会社の面白い動き あけましておめでとうございます。
今年もあちこち話題が飛ぶでしょうが、お付き合いください。

米国下院でピークオイル仮説の公聴会
の続きです。

 ピークオイル問題を追いかけているASPOの中心人物であるウプサラ大学のグループは、京都議定書の向こうを張ってウプサラ議定書(石油減耗議定書)を提案していました。

ウプサラ議定書(2004年6月更新版)
 実際には石油と天然ガスを一括して炭化水素を対象としています。

目的:減耗する石油生産量による高騰や途上国への打撃を抑え、かつ代替エネルギーの開発を促進する。

手法:生産国は石油減耗率以上の生産を抑制する/輸入国は石油減耗率以上の輸入を抑制する

詳細:交渉での合意を通じて対象の油種や定義、科学的な評価手法を定め、正確な情報開示を確保する。

 なかなか面白いアプローチだと思いますが、Bauからの削減率を一律に求める手法は、実際は京都議定書と同様に、先進国の過去の大きな消費量の実績値を既得権として無条件に認めるものですので、先進国側を優遇する不公正なアプローチであるという批判を受けることは間違いありません。
(もちろん京都議定書でも中国やインドが参加していないといって途上国に先進国と同じ削減率での参加を求めれば、この先進国優遇問題を顕在化させることになります。)

 さてこの、石油減耗議定書"Oil Depletion Protocol"というキーワードで検索すると、多くのHPが出てきます。

 そのうちの一つで知ったのですが、米国の石油メジャー、シェブロン社が"Will You Join Us"という、ピークオイル対策を議論する場としてHPを作っています。

’Energy will be one of the defining issues of this century. One thing is clear:the era of easy oil is over. What we do next will determine how well we meet the energy needs of the entire world in this century and beyond.
So we invite you to join us for for a series of discussions on some very important issues. Will you join us?’
(エネルギーは今世紀の意味を規定する問題の一つです。一つのこと、つまり安い石油の時代が終わったことは確かです。今世紀以降の世界のエネルギー需要がどのように満たされるかは、私たちが次に行うことで決まるでしょう。ですから、私たちは非常に重要な問題についての一連の議論に参加するようあなたを招待します。参加しませんか?)

 これはとても珍しい動きだと思います。これも、ピークオイル説及び石油価格高騰の影響を受けてのことでしょう。

後日記:
11月にあった石油産業のカンファレンスでMatthew Simmons氏の講演。
Energy analyst sees end to oil's heyday

 ここでは、かなりの説得力をもってピークオイル仮説が業界にも受け入れられているさまを紹介しています。
聞いていたアナリストのコメント「石油が無くなることは永遠にといっていいほどないだろうが、大分前にバーレル2ドルの石油は無くなり、バーレル25ドルの石油が続いた。今や我々はバーレル40ドルの石油を失おうとしている。」
 石油業界が動けば、状況は大きく変わり始めることと思います。日本の石油産業はどうなんでしょう。
posted by おぐおぐ at 09:59 | TrackBack(0) | 温暖化との相互連関 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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