2011年03月05日

ある地方議会でのやりとり


阿部悦子さん愛媛県議会議員の3月3日の議会本会議での一般質問をテープ起こししました。

 「知事のエネルギー政策について最後に伺います。四国電力の伊方3号機でのプルサーマルを実施したことにより、愛媛県はわずかな交付金と引換えに、放射能汚染という大きなリスクを背負いました。これによって、原発の発電量は1ワットも増えていないことを知事はご存知ですか?
 愛媛県がプルサーマルを導入後、私は一般質問で前加戸知事に、「プルサーマルの導入による県民のメリットは何か」と質問しました。答弁は「国策であること」でした。地域主権を掲げる中村知事は、この答弁をどのように評価しますか。県民にメリットのないプルサーマルを中止するお考えはありませんか。

 さて、エネルギー需給の状況については、世界的に重要な局面の転換が起こっています。
 それは、昨年11月に、国際エネルギー機関IEA(アイイーエー)が、2006年が世界の在来原油の生産量ピークだった、今後の原油供給は高価でかつ不安定なものとなる、と認めたからです。
 このピークオイル問題については知事は2008年の松山市長時代にみずから答弁され、「ピークオイルの到来については様々な見解があるものの、市の将来を見通すとき石油資源の供給がどうなるかの問題を避けて通ることはできない」と、答えておられます。
 ピークオイルになって、世界の増大し続ける石油需要を満たせなくなれば、その後は、恒久的な価格の乱高下で経済が破壊されるとの、ピークオイル論の主張は重視すべきでしょう。

 一方、知事はこの時、同時に市長としての立場から、「エネルギー政策は基本的には国の責任で行うべきものである」と言われましたが、今現在も国のエネルギー基本計画では、このピークオイルという非常に重大な問題への緊急対応策が示されていません。
 脱化石燃料のために、県が新産業として進めている電気自動車も、あるいは次世代の水素燃料電池自動車も、そのエネルギー源となる一次エネルギーはどこから持って来るのでしょう?原発はすでに廃炉間近なものが多く、危険な寿命の水増しを進めたがるほどの右肩下がりが予想されていますし、特に国が見直し作業に入っている高速増殖炉の開発を待つとしてもその商業化は40年も先のことであって、エネルギーの供給には全く間に合いません。
 そこで伺います。
 知事は国際機関IEAの2006年ピークオイルの追認評価をどのように受け止められますか。知事はピークオイル問題への注意を国に対して喚起するおつもりはありませんか。また愛媛県独自のエネルギー地域自給を目指した計画を策定することの必要性についてはいかがですか。

 例えば総務省から出された原口プランでは「緑の分権改革」を実行に移そうと呼びかけていますが、これを実行に移すお考えはありませんか。これは地域の自然エネルギーの可能性を定量的に把握し、現実化させるプログラムを作り、活用するもので、すでに徳島県上勝町や高知県で実行に移し始めています。
 
 愛媛県の各地域にある自然エネルギーを無駄にしておく余裕は今やありません。自然エネルギーを第一次産業として活用することで潰れつつある地域も国も再生が可能です。
 迫りくる石油危機と、核汚染を招く事故を回避するため脱原発を実現しつつ、エネルギーの自給自足をはかることが、愛媛県の未来にとっての希望だと考えますがいかがですか。
 「国策」に協力するのは当然と、プルサーマル導入を決定した加戸前知事の轍を踏まれることのないよう、「分権改革」という旗を活用していただきたいと新知事には切にお願いしたいと思います。以上です。」


3月3日 阿部議員質問への答弁
中村時広知事
プルサーマルについてお答え。
 地域主権改革を強く主張してきておりますけれども、それは取りも直さず、国は国のやるべきこと、地方は地方のやるべきこと、役割分担を明確にしていこうという気持ちの現れでもあります。
 国民全体に関わる政策については、その方向性を導くのは国の役割であり、エネルギー政策はその最たるものの一つと考えております。
 お話のプルサーマルについては、ウラン資源の有効利用による長期的なエネルギー安定確保を図るため、国が原子力政策大綱に位置づけて推進しているもので、私もエネルギー資源の乏しいわが国にとって、安全性の確保を大前提とした上で、現実的かつ妥当なエネルギー政策であり、長期的な観点から、国民、ひいては県民にとって意義あるものと認識をしております。
 したがって、安全性が確認されている伊方3号機のプルサーマルについて、中止を要請する考えはございません。
その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁。


大倉経済労働部長
 まず、ピークオイルについてのお尋ねですが、IEAの公表資料では、在来型原油生産量は2006年がピークとする一方で、非在来型を含むと、いつピークを迎えるのかは需給要因等で決定されることから、見通しは不透明とされております。いずれにしても需給が逼迫すれば経済活動等に大きな影響を及ぼすことから、国地方が役割を分担し、省エネ、エネルギー供給源の多様化などに積極的に取り組む必要がありますので、本県としましても、独自の新エネルギービジョンを策定し、その導入促進も図っているところでございます。

 また、国のエネルギー基本計画にはピークオイル問題を考慮した長期的な石油の安定供給対策が 盛 り 込 ま れ て お り ま す ので、国に注意喚起をする考えはございません。

 次に緑の分権改革の実行についてのお尋ねでございますが、国の緑の分権改革は、エネルギーや食糧など地域資源を最大限に活用する仕組みを作って、地域の活性化を図り、地域主権型社会を実現しようとするもので、本県としてもクリーンエネルギーの地産地消型社会の構築は必要と認識をいたしております。
 このため、県では今年度、国の緑の分権推進事業を活用し、県下全域のクリーンエネルギーの導入可能性の調査を行い、また、松山市、今治市、宇和島市でもクリーンエネルギー資源の実証調査等を進めておりまして、今後これら調査結果も踏まえながら地域の実情にあったクリーンエネルギーの導入促進などにより、緑の分権改革を推進したいと考えております。以上でございます。

−−−
 ということでございました。

 リビアなど中東各国の革命騒ぎとばかりは認識していないで、着実に日本の官僚たちは対策をしておりますのでご安心を。と言われているようにも見えますが、いつがピークかは分からないが、30年くらい先だろうという認識の下、作られている計画が「エネルギー基本計画」ですので、これは単に地方官僚の読解力のなさの問題であり、この新知事もなーんちゃ、ピークオイル問題が重要だとは考えてはいないということがよく分かりました。

 まあ、地方官僚のレベルと中央官僚のレベルにも大差はないのですが、ゲタを預けられた中央官僚は何を思うのでしょう。

 参考までに少し前の関連グラフを掲載しておきます。

ICE-brent-crude-oil-closing-price.gif
 これは欧州北海のブレント原油先物指標。最近は2005年からの乱高下が再びとなっています。この急上昇の後にチュニジア・エジプト・リビア革命が起こっているのであって、その逆ではないですね。3/5現在ではブレントは1バレル115ドル程度まで上がっています。グラフの中にプロットしてみてください。

出典は、http://theenergycollective.com/cdemorsella/52263/unpredictable-oil-prices-are-hurting-everyone より。

global-oil-production.jpg
 一方こちらは、米国の一機関、EIAによる世界の原油生産量統計です。

posted by おぐおぐ at 12:31| Comment(3) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
阿部悦子さん、かっこいいですよ!!
中村知事には幻滅。あんな人物が当選してしまうのが、この時代なんでしょうか。
Posted by 外京ゆり at 2011年03月21日 11:44
とうとうカラコンが発売されるみたいだよ!まだまだ購入できるサイトが少ないから見逃さないで!
Posted by デ コ ログ at 2012年01月23日 18:57
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