2009年02月28日

ピークオイル時代の終り=ポストピーク時代へようこそ

 さてさて、最終日の予定稿を書いておきましょう。(初出08年7月?日)

−−−
 ピークオイル時代は終り、ポストピーク時代が始まりました。

 ピークオイル論は「石油が明日枯渇する」と言っているのではありません。「究極的に採掘可能な原油の内の半分を掘り出すまでの間しか供給は需要に追いつかない」、「生産量のピークが来た時が、安くて豊富な石油時代の終わりだ」「そしてそれはエネルギー依存症の現代文明の『成長の限界』だ」と主張しているのです。

 ピークオイルの意味を疑う人たちの懐疑論はいつまでも続くものだとは思います。
 それは、多くの人々が抱く「錬金術の薬を待ち望む」戦略、「偽りの希望でさえ、ないよりはましだ」という思考の現われだからです。

 とはいえ、いつまでも議論を続ける意味はもうないでしょう。
一つの時代の区切りをつけて、次へと歩き出すという姿勢を示すものとして、始まってから3年目ちょっと前、2009年2月28日を、このブログの最後の日として、幕を閉じたいと思います。

 ながらくのご愛顧、ありがとうございました。


 実は、ちょっと閉店前倒しの訳、続きを読む
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はじめに

上のグラフは最近作ったものを添付しました。08/6/14

(初出2006年5月3日)
Oilcurve2.JPG
 この原油の高騰(2005年1月からの16ヶ月間で2倍弱)は、安くて豊富な石油時代の終わりなの?それとも一過性のものなの?
ピーク後の生活はどうなるのか、どうしたいのか、国内外の動向は?などについて話し合ってみませんか。

との趣旨で討論用のブログを開設しました。

「ピークオイル」(オイルピーク、石油ピーク論)とは以下のような問題を総称しています。
−−−   −−−   −−−   −−−   −−−
・究極的に利用可能な石油量の半分を使い切ること(ストックの限界)、その時期。
・需要と供給の関係から、経験的に原油生産量はハバートのベルカーブ(釣鐘曲線)が描ける。その山のピーク。
・需要増加に供給増が追いつかないこと(スループットの限界)による悲観論。
・「」の字形の分岐部のように、右肩上がりの需要とピークを迎えた供給とのギャップが急激に開く問題。 →「ん」のカーブが意味するもの
・原油生産量がピークとなって以降は探鉱/開発に従来よりも多くの費用とエネルギーがかかるようになり、得られる原油の質も悪くなっていく(石油減耗oil depletion)との考え方。
・世界の経済成長が安価な石油に依存してきたため、ピークオイル現象に伴う石油価格の高騰や供給不安が資源戦争を始めさまざまな問題を引き起こす恐れがある。
・年来の石油価格高騰の原因がこのピークオイルではないかと欧米では議論が活発になってきている。
・地球温暖化よりも緊急な課題なのか、にも関心が集まっている。
・米ブッシュ政権はこのピークオイル論を知っていてイラク侵略をはじめたのですでに資源戦争は始まっている、という見方もある。
−−−   −−−   −−−   −−−   −−−
 以下の記事にも一度はお目をお通しください。

・「ん」のカーブが意味するもの
http://sgw2.seesaa.net/article/127917232.html
・ピークオイル対策の多くの側面
http://sgw2.seesaa.net/article/127917225.html
・ピークオイル政策検討に際しての枠組み
http://sgw2.seesaa.net/article/127917248.html
・さまざまな型の生産量ピーク?
http://sgw2.seesaa.net/article/127917471.html

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wakeuplittlesticker.jpg
http://www.peakoilaware.org/

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過去180日間に書かれた、原油高騰を含む日本語のブログ記事
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2009年02月19日

今週の注目発言-Peak Oil Reviewより(その3)

ASPO-USAのTom Whipple氏によるPeak Oil Reviewより
Quotes of the Week−今週の注目発言 の最近のものを集めてみました。
 実際にはEnergy Bulletinに掲載されていたものの転載です。

 更新を長らくサボっていました。最近のものから補充をしておきます。

2/16
「先週ずっと石油需要の概算を新たにしていたが、四半世紀以上の間で一番大幅な消費減少が予測されている。それでもさらに原油在庫の増加が起こり、15年間で一番インベントリーは積み上がり、1990年以来もっとも前年に比べて増加した。これらの要因が一緒になり、原油価格を背骨の支えにも関わらず押し下げた。」
- Peter Beutel, with Cameron Hanover

2/9
「何もしなければ、米国はやがて石油の75%を輸入するようになり、誓って言うが私たちは10年後にはそいつに1バレル200から300ドル支払うようになるだろう。」
T. Boone Pickens, CEO investment management firm

2/2
「ロシアの石油生産は2007年にピークに達したが、2008年の暦年では1%ほど減少した。しかし世界にとってより重要なことはロシアの石油輸出能力である。2008年は5.00%以上減少し、予測もそれよりもよくない。ロシアは単に10年前には豊富に存在した3Kな労働力や資源の利点を現在持っていないのだ。45ドル台の石油は、供給の崩壊の場であり続けている。ロシアは生産量の大幅な下落に脆弱だ。」
- Gregor Macdonald, from “Russian Oil Production Appears To Have Peaked”

1/26
「近年の採掘と生産への投資増加は、供給の状況を実質的に改善するほど十分ではなかった。生産基地の年齢や加速する減少率、近年開発した油田の規模の矮小化などは、これ以上の投資の減少が続けば、強いリバウンドの種となるだろう。」(1/24, #1)

- Andrew Gould, Chairman of Schlumberger続きを読む
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2008年12月25日

2008年のトップ10ニュース

ん!の視点で選んだ2008年のトップ10ニュース、10大ニュースを発表しておきましょう。
 関連のお勧め記事もつけておきます。

@2008年7月に需要崩壊に伴うオールリキッドの石油生産ピークができた。
 歴史的なピークと後世の人は語ることでしょう。

「さまざまな型の生産量ピーク?」
「米国の景気悪化はピークオイル危機への救いとなるか」

A米大統領選でオバマ氏勝利。金融危機への対応が不安でマケイン氏が自滅。
 但しオバマ氏が大統領になることが本当にニュースの価値があるかどうかは、来年1年くらい経ってみないと分からないでしょうが。

「来年1月20日はポストピークオイルディ?」
「グリーン・ニューディールの出番だ!」(姉妹ブログ『温暖化いろいろ』より)

B米国発世界金融危機が起こる。各国政府は財政悪化に目を瞑り、公的資金投入と流動性確保を行う。

「世界金融危機−ピークオイルの一つ前の?大波」続きを読む
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2008年12月20日

09年1月20日はポストピークオイルディ?

Obama's Green Team
http://www.thenation.com/doc/20081229/hertsgaard?rel=hp_picks
より、オバマ次期政権メンバー(緑のドリームチーム)の評価を紹介しておきます。

”ワシントンの主導的な環境保護家たちは、オバマが公表したほとんどの閣僚たちの人選に恍惚としている。が、詳しくみると、温暖化対策や原発、いわゆるクリーンコールなどについての方針で不満をいだくかもしれない。”

”温暖化対策の経済刺激効果にオバマは大統領としてはかつてなくよく気づいている。”

”当選した晩にも、一生に一度の経済危機とイラク/アフガニスタン戦争と並ぶ3つの大問題のうちの1つとして「危機に瀕した地球」を挙げたほど強調していた。”

 チームは以下の通りです。

・ヒラリー・クリントン(元ファーストレディー、予備選の対抗馬)=国務長官(=外務大臣)
 コペンハーゲンCOP15で交渉を行う代表に?

・スティーブン・チュー=エネルギー省長官
 DoEの下のローレンスバークレー(再生可能エネルギー)研究所所長、ノーベル賞受賞者

・キャロル・ブラウナー(元EPA長官)=特別調整官
 エネルギーと気候変動政策の調整のための新設ポスト

・リサ・ジャクソン=環境保護局(EPA)長官
 元?州の環境保護局長官

・ケン・サラザール=内務長官(国内の土地利用他を統括)

・ビル・リチャードソン(元ニューメキシコ州知事)=商務長官(オバマの経済グリーン化政策で重要な役割)

という顔ぶれで「温暖化の科学をリスペクトする」という姿勢を明示してグリーンニューディールを進めようとしています。
 環境面の懸念材料も個々人について個別に指摘しており、オバマが全体をどう手綱を取っていくかで成果も決まる、としています。

エネルギー長官と環境保護局長官の発表風景
President-elect Obama Announces Environment and Energy Team
http://jp.youtube.com/watch?v=ERNWRPaZ22A
</param></param></param>

 これを紹介した以下のエネルギーバレティンの記事、の方が重要かな??続きを読む
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2008年12月12日

右肩下がりの経済で何を救い何を屠るのか

 そういえば、2005年の小泉郵政選挙関連で、珍しいことながらインターネット新聞JanJanに、人口減少社会についての記事を出していたことがありました。
 当時はピークオイルや世界金融危機の到来など思いもよらない状況で、海外投資で儲けるてな話を書いているのがちと恥ずかしい内容ではありますが。

「もっと大事なことがある」の大事なことって何だ?
http://www.janjan.jp/government/0508/0508100658/1.php
より抜粋。
”富国強兵→富国貧民?をよしとする政策はここらで打ち止めにして、企業を屠って(そこに集められた資産で)人々が食べていくというフェーズに入ったのだということを新しい争点の軸とすべきです。
 法人税を増やすとともに、過剰生産能力を持ち、過当競争を続けるしか能がない赤字企業にも外形標準課税を加えて、資本をどんどん減らしていくことで企業の数を淘汰すれば、一部の企業は共倒れにならずに残りますし、大きな政府として社会福祉のための原資をきっちり集めていくということが経済をまわすやり方としては順当になることでしょう。”

 今起こっているのはまさに、非正規の派遣労働をしてきた人たちが、企業の生き残りのために屠られているあべこべ状況だといえます。

 政府がこの人口減少社会への転換、そしてポストピーク時代への転換に際して果たすべきことは、これまでの新自由主義型の体制を続けることではもちろんなく、また自民党が急転回して始めようとしている、赤字国債乱発による俗流のケインズ主義政策でもないでしょう。
 今まで資本を集めて経済成長を続けてきたのは、この一回限りの経済の衰退を乗り切る時のため、とみなすしかないでしょう。
「しかたない」と歩き始める時期だといえるでしょう。


 ニュースによれば、米国上院の救済法案が廃案となり、GMほかビッグ3の破たんが起こっているようです。この急激な円高で、さて日本の輸出企業は輸出による儲けを国内に還流させることができるでしょうか?

日経:特集 米ビッグ3再建
http://www.nikkei.co.jp/sp2/nt244/続きを読む
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2008年11月03日

IEAによる年率9%の石油減耗評価の意味

Post Carbon Instituteの研究員となっているリチャード・ハインバーグによるFT記事の紹介があります。

「9パーセント」
http://www.postcarbon.org/nine_percent
−−−
 フィナンシャルタイムズ紙は長らく待たれていた、IEA(国際エネルギー機関)による400の大規模油田の減耗率評価の研究結果をリーク報道した。それによると「生産増加のための特別な投資がなければ、自然な産出量の減耗率は年当たり9.1%となる」という。驚くべき数字だ。この数字は、単に既存油田からの減耗を補って生産量を安定化させるためだけに、日産682万5千バレルが必要となることを意味している。つまり18ヶ月ごとに新たなサウジアラビアが必要となるのだ。
−−−
 以下省略。
 IEAの公式見解では、いまだに投資により、しばらくは生産量増加することが可能だとしているが、石油需要激減と価格暴落が続く今日、追加投資は見込めず、2008年7月がピークの月であったことは、どうやら間違いない、ピークオイルは歴史になった、過ぎ去ったとしています。

 さて、IEAとはそもそも、第二次石油ショックの後、OPECのカルテルの権力に対抗するべく、西側先進石油消費国が設立したエネルギー問題についての国際機関です。IEAの権威を日本政府は無視できないでしょう。

 9%とか、投資が十分に行われた場合の6%台の減耗率の数字は非常に高いです。
2年ほど前にリチャードハインバーグが本「石油減耗議定書」を提案していた時期には、2.5%程度の減耗率を想定していました。そのような国際合意に至ることすら不可能と思っていた人もいるわけですので、およそ国際協調が成立するレベルではありません。
 結果としては、石油価格のボラティリティが大きくなる、つまり需要が減少する中でも価格高騰と急激な低下が今後続くということが想定されます。7月をピークとする石油価格の乱高下と同様な状況が、今後原油生産量の下り坂の最中でも起こりうるということですね。


「IEAの公式発表では…」
http://sgw2.seesaa.net/article/127917477.html
もご覧ください。
posted by おぐおぐ at 12:05 | TrackBack(0) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月21日

さまざまな型の生産量ピーク?

 僕自身はこれまでは、デマンド・プル型の以下の2つのシナリオ(ピークオイル政策検討に際しての枠組み)を想定していました。

1.価格上昇時の(スループットの限界型)供給の中断に伴う生産量ピーク

2.価格上昇時の(ストックの限界型)供給の中断に伴う生産量ピーク

 しかしどうやら需要崩壊/低下型の以下の二つも想定すべきだったと思います。

3.価格のボラティリティ(乱高下)拡大を受けた需要崩壊/低下に伴う(価格急落時の)生産量ピーク

4.金融恐慌→大不況→石油需要の崩壊/低下に伴う(価格低下時の)生産量ピーク

 4.は今回の金融危機シナリオで気づいたことですが、3.を追加したのは、どこかの時点でシステム全体がブリトル(脆弱)になる(なぜ市場に任せるのではなく需要側政策が必要か(完結編))ことが、不可逆的なスループットの減少を引き起こすという事態も想定すべきとなったからです。

 また、もし4のシナリオが今起こっていることなのであれば、ストックの限界によるピークを過ぎたというコンセンサスに私たちが達するのは、これから10年後以上あとになってのことに先延ばしされてしまうことでしょう。(ハインバーグも「Whither Oil Prices」の記事の中でそう書いています。)
 それは政治的には非常に大きな課題となります。

 難しいなあー。

 上の図のように08年7月にオールリキッドの生産量ピークが現れました。これが「地球最後の」ピークとなるかはまだ分かりませんが、4.のシナリオの場合は再びこのレベルにまで戻らないで、低迷している間にストックの限界を過ぎているというパターンになるでしょう(あるいは残存埋蔵量が半分を切った年はやっぱり05年あたりだったということが後付けで分かるのかもしれませんが)。
 上の図で、需要崩壊/低下局面がいつから始まっていたのかは、定かではありませんが、価格高騰の08年前半のどこかの地点で実態の需要はすでに崩壊/低下をし始めていたという評価でしょう。
 08年7月のピークは需要崩壊/低下型だ、と断定してしまってよいと考えます。
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2008年10月15日

なぜ市場に任せるのではなく需要側政策が必要か(完結編)

 (初出10月4日)

オイルドラムより
「需要の崩壊で、より脆弱になるシステム」という記事がありました。
Oil Demand Destruction & Brittle Systems
http://www.theoildrum.com/node/4411
 から全体を無断仮訳しておきます。
−−−−
 昨年米国は日産数十万バレル分もの需要を削減させたのだから、我々は今や供給量の中断にそれほど敏感ではなくなっていると、オイルドラムや他所で多くのコメントを私は受け取ってきた。

 一般的には、自分自身が効率を上げ「浪費的な」石油消費を止めることによって、石油供給の中断や、信頼できない海外の石油に依存することから自分自身を切り離すことが可能だ、という感覚を人々はもっている。

 私の意見ではこれは逆だ。この記事では、自由市場経済の中では需要の中でも最も削減しやすい需要がまず崩壊するため、結果として需要側はより弾力性がなくなり、より脆弱になり、より供給の中断によるシステミックな(組織的、系統的)ショックを受けやすくなるのだ、ということを議論しよう。

 まずは、システムをレジリエント(回復力がある)にしたりブリトル(脆弱)にするものは何なのか、を議論しよう。そしてなぜ、市場に導かれる需要崩壊ではシステムがより脆弱になってしまうのかを説明しよう。

そしてエネルギー供給が減少する近未来における、エネルギーで動く我らの経済の回復力をどうやって増やせるかについての考察を最後に述べよう。

demand_elasticity.JPG
図1.需要崩壊の後の、各要素の弾性値
 市場主導の需要崩壊の理論モデル 最も高い弾性値の需要がまず崩壊するという理論を示したもの。
残る需要が全体としてより弾性的ではなくなっていく結果となる。Eの値は、相対的な弾性率であり、実際の需要に対する価格弾性値の意味ではない。続きを読む
posted by おぐおぐ at 00:35 | TrackBack(0) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月11日

世界金融危機−ピークオイルの一つ前の?大波

 アメリカ発の世界金融危機についてNHKクローズアップ現代の番組を聴きながら書いています。

 以前に書いた関係する短信を再掲しておきましょう。

●9/16リーマン・ブラザーズ倒産とアメリカ発世界金融危機
 金融危機が波及することによる石油需要の崩壊という影響もあるでしょうし、一方では「投機」の実行者?の一端が破綻したことは今後の原油市場参加者に大きな影響を与えることでしょう。
 もう一つ、背景要因としては、アメリカの不動産バブルの崩壊の一因として遠距離郊外からの通勤をできなくするガソリン価格の急騰という要因もあったことでしょう。
 WTIの原油価格は急落していますが、スループットの限界による石油ショックがどこまで広がるかによって、また状況は変わるでしょう。
 いずれにしても、「アメリカ帝国の終焉」の一端を今見ているのでしょう。
 daiさんのブログ『分散型エネルギー社会を目指して』より
「アメリカ帝国の終焉に覚悟のある首相候補は?」
http://energy-decentral.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-b808.html

●9/27ブッシュ政権によるウォールストリート救済策の行き詰まり
 米政府の75兆円の不良債権買取りを元ゴールドマンサックスCEOのポールソン財務長官に一任する救済案に与党共和党が反対し、成立する見込みが立たなくなっています。さらにWaMuワシントン・ミューチュアル銀行の米国一の破たんもあり、10日間のドタバタにも関わらず、金融危機はさらに悪化しつつあります。
「米政府による金融機関救済」への怒りと抗議運動、ネットで広まる
http://wiredvision.jp/news/200809/2008092621.html
この抗議運動は市民側の怒りを表すものとしてニュースでも報道されていました。
 アメリカ帝国の崩壊をこんなにすぐに見るとは思っていませんでした。

●9/28単月の貿易収支赤字に転落−26年ぶり
金融危機にくらべればたいした問題ではないのでしょうが。
佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン より
「円安貿易立国終了」
http://blog.livedoor.jp/y0780121/archives/50195951.html
 戦後の初期を除いて貿易赤字になったのは前の石油ショックの時だけのはずです。
そもそも加工貿易立国というなら、元々多くの資源を輸入しなければならない日本では、貿易収支がプラマイゼロになる程度に儲けていればよかったはずですが、重商主義の強迫症を呈している経済産業省さんの中ではこの状況に発狂しかねない人がちらほら出ていることでしょう。

●10/51週間遅れで米金融安定化法案成立
 結果として、この1週間の株式下落の原因ともなりましたし、原案及び修正項目の内容についても批判的な目で精査がされる機会となったといえます。

●10/5ロシア大統領「米国/ドルの金融一極支配終わる」
AFP通信:Era of US financial dominance over: Medvedev
http://afp.google.com/article/ALeqM5jlhSvilwkBC3EfGG6DOXP1wTGFSA
”"The time of domination by one economy and one currency has been consigned to the past once and for all," Medvedev said during a forum alongside Chancellor Merkel.
"We must work together towards building a new and more just financial-economic system in the world based on the principles of multipolarity, supremacy of the law and taking account of mutual interests."”

●10/7米国食料価格も金融危機に反応して下落
HP『農業情報研究所』より
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/prices/cbot.html
まさに、金融危機が実体経済を悪化方向に動かしているというべきでしょうか?石油までは分かるのですが…。


 さて、リチャード・ハインバーグ師匠はこんなことを書いています。
The end of growth
by Richard Heinberg
http://energybulletin.net/node/46825
より抜粋します。

”「世界金融危機と、利用可能なエネルギーの減少とを見ると、私たちは今、世界全体の経済成長の最後の年を見ているかもしれない。」

 これははらはらさせる発言だ。昨日私はIFGが企画した環境NGOと経済公正NGOの集まる戦略会議でこうしゃべり、自分自身でも驚いて、すぐさま自分の言った事は正しいのだろうかと考えはじめた。”

”有効な戦略のためには、このたった一度の歴史的な瞬間における機会と限界を認識する必要がある。私たちは一つの歴史的な瞬間から非常に違った別の歴史的瞬間に移行したように見える。この状況では、人々(政治家を含む)に対して、いかにすれば長期的な持続可能性に違反しない形で動きつつ効果的に直近の問題を扱えるのか、という観点で話すのが助けになるだろう。それ以外のやり方ではせいぜい不適切、ひどければ全く歓迎されないだろう。

 成長は死んだ。それから得られるものを最大限に得よう。危機とは、無駄にするには危険すぎるものだ。”

 そして、一つ前の記事では、ハインバーグ師匠は「ピークオイルよさようなら」Say Goodbye to Peak Oil
http://postcarbon.org/say_goodbye_peak_oil
と書いています。ピークオイルが長期的な持続可能性の範疇の概念に後退した、その代わりに世界金融危機が目の前の問題として現れてきた、と見なしているようです。

 後日記:なにやら全くの勘違いのようですね。もう過去のものになってしまったピーク時代に、師匠は別れを告げているんですねー。


コメント:
 世界金融危機によって、実体経済もまた悪化し続けて、ピークオイルは単純に先送りされるということになるのでしょうか?
(Energy Bulletinでもそういう意見Economic Meltdown in America Saves the World from Peak Oilもあります。)
 それとも、石油需要は減退し、再び返らないとしたら、形の上では今がピークです。んーん、経済破局でその後の降下がなだらかなソフトランディング型のピーク現象が生まれるという、そんなシナリオも想定すべきでしたが、想定していませんでしたねー。
 どちらになるにしても、シナリオは大幅書き換えとなります。
一つ変わった現実があるとすれば、政府はリスクを認識したときに、非常に大胆な行動、それまでも考えられなかった行動を取ることがありうる、という実例ができたということです。
 ピークオイルへの適応策や、地球温暖化対策においても、金融危機対策のような大胆な行動がムリムリな理由はないということです。続きを読む
posted by おぐおぐ at 20:30 | TrackBack(1) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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