2007年11月03日

もう一つの不都合な真実 The Oil Drumより

The Oil Drumの
Another Inconvenient Truth - A presentation you can download より

英語版のpdf
http://www.theoildrum.com/files/Another%20Inconvenient%20Truth%20Color%20Handout.pdf

その日本語翻訳版を作ってみました。
もう一つの不都合な真実-ピークオイルの紹介-(pdf版)

 一度ご覧ください。
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2007年09月11日

米国連邦政府のピークオイル対応戦略の進め方

米国連邦政府のピークオイル対応戦略の進め方

・・・といっても、ちゃんと全体を読んでのものではありませんが、権威好きな日本の官僚の皆様のために、重要な報告書ごとに時系列でまとめておきましょう。

1.米DOEハーシュレポート 発表 2005年2月 
http://www.netl.doe.gov/publications/others/pdf/Oil_Peaking_NETL.pdf
 世界全体を対象にしたピークオイル対応戦略のタイムフレームと規模について評価したもの。

 →10月にボドマンエネルギー長官はピークオイルについて言明、National Petroleum Councilに報告書を依頼。

2.ハーシュレポート2 発表 2006年7月 
http://misi-net.com/publications/economicimpactsexecsummary.pdf
 国内向けの運輸問題に焦点を絞った報告。

 →Roscoe Bartlett連邦下院議員、ピークオイルコーカス(議員連盟)を設立、発言。
  General Accountability Office会計監査院に報告書を依頼?

3.Department of Defense報告書 発表
http://www.bartlett.house.gov/uploadedfiles/U.S.%20Army%20Corp%20of%20Engineers-Energy%20Report.pdf
 軍隊にとってピークオイルの意味を考察。

4.General Accountability Office報告書 発表 2007年3月 
http://www.gao.gov/new.items/d07283.pdf
 対応戦略のためにDOEとUSCGSなどが協力してことに当たるよう求める。

5.IEA(国際エネルギー機関)中期石油市場報告書 発表 2007年7月 
http://omrpublic.iea.org/mtomr.htm
(これは米国内の動きではありませんが)2012年までの5年間には少なくともスループットの限界が起こり、現状よりも高騰が起こりうると結論。

6.National Petroleum Council報告書 発表 2007年7月 
http://downloads.connectlive.com/events/npc071807/pdf-downloads/Facing_Hard_Truths-Report.pdf
 石油業界としてピークオイル論の否定に失敗。煮え切らない説明。
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2007年02月28日

(改装)来訪者感想コメントのページ

 初めてお出でになった方用に感想のページを開けておきます。
 気軽な気持ちで(お寺さんやら宿屋にあるような)感想ノートとしてコメント欄にお書きください。本文の中に順次移して蓄積していきます。
 あるいは、簡単な要望、解説のリクエストなどもありましたらどうぞ。なるべく反映させていきたいと思います。

以下にコメントを蓄積していきます。続きを読む
posted by おぐおぐ at 21:06 | TrackBack(0) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月20日

4つの戦略オプションと人びとの選択

リチャード・ハインバーグの「パワーダウン」という本 (2006-07-09)
救命ボートを作る戦略について その1(2006-11-16)
の続きです。

 パワーダウン本の最後の章「私たちの選択」の一部を紹介しておきます。

−−−−−
・エリートたちの選択

・運動体の選択

・私たち人びとの選択(The Choice of us folks)

 今日、世界中の大多数の人々は、エリートたちの視点と運動体の視点のどちらかに同調的である。なぜならそれらの見解がマスメディアに現れているから。
 もちろんエリートの視点の方が優越しているのは、彼らがメディアの中身の多くを管理しているからだ。

(A)
 特にアメリカにおいては、支配するエリート層に強い忠誠心を持っている人や、「愛国心」を深く心に抱く人(最近では同じことかもしれないが)、または現在の社会状況を維持することが得になる人たちは、現状を維持するために政府が資源へのアクセスを維持し、そのアクセスへの脅威となる外国を打ち負かすと約束する指導者に惹き付けられるが、このことは理解しやすい。
 この人たちとは、裕福な社会層、専門的な職に就き家族を持ち、歳を取った人たちであったり、テレビから世界観を得ているあらゆる階層の人たちである。続きを読む
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2006年12月11日

「青い真珠の星の未来」シナリオについて

 救命ボートを作る戦略について その1 へのforever2xxxさんからのコメントで「ピークオイルの影響のシナリオを検討されている方とかはいらっしゃるのでしょうかね?興味本位ですが、是非色々なシナリオを知りたいものです。」という質問をいただきました。

 本『ピーク・オイル・パニック』のエピローグ「青い真珠の星の未来」の寓話的な各段落もまた、一つのシナリオとなっていますので紹介しておきます。

・すべてを変えた日 という段落では9.11の事件が寓話として語られています。
・帝国の逆襲 という段落ではイラク戦争のことが語られています。

そこからさらに、
・見過ごしてきた第一と第二の点が姿を現わす
・世界危機
と続く段落では、温暖化災害の不安の増加やら、ピークオイルパニックから第二次世界恐慌へ、そして最大消費国でのファシストのクーデター騒ぎが起こるところまでが最悪の段階として語られます。

が、その後ただちに、
・世界の再生 という最後の段落で、世界市民による反撃ともいうべき逆転劇が語られめでたしめでたしとなってます。

曰く、続きを読む
posted by おぐおぐ at 01:15 | TrackBack(0) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月25日

処方箋編:部分的な取組みのススメ

現状認識編「成長論者のパラドックス」 よりのつづき

 これは「パワーダウン」本からの翻訳ではありませんが、まあストーリーを書き直してみるとこんな風になるのでしょう。

●処方箋

1.なにも対応がとれないままのPOP=ピーク・オイル・パニックの到来を近い将来の現実として一人一人が認識する必要がある

 苦い薬なんだけれども、「シカタガナイ」と先の現状(現状認識編「成長論者のパラドックス」)全体を認識することなしではなにも始まりません。

2.今そこにある危機=地球温暖化対策名目は、POPが起こることのコンセンサスが取れるより前に行動を起こすいい口実になる

 とはいえ人の認識は一朝一夕に変わるものではないからには、すでに京都議定書の発効で浸透しつつある「温暖化対策」という名目を使って、大幅な前進を図るべきです。
米国の中間選挙に伴う政界の変動は未来を予測させるに十分ですし、また2050年の60%削減、90%削減といった長期目標も出てきており、こちらはすでに「シカタガナイ」モードに入りつつあるといえます。
また、緊急の課題としては、日本の古都の名前を冠した京都議定書を日本が達成できるかどうかが危ぶまれている状態です。2008年からの5年間という第一約束期間を目前にして、これからの1年間は最後の政策立案の正念場ですから、対策を先伸ばしすれば日本の面目は丸つぶれです。そのような政治の無能さの実績を積み重ねては、ピークオイル問題でも「何も」できないだろうというアパシーを呼び覚ますことでしょう。

3.全面的な取組みができない以上、部分的な取組みから始めるしかない

 1と2の同行二人、連れもて行こら、ということで、誰もが賛成でき、抵抗の少ない対策=省エネに膨大な投資をし始めることは、一番手近に実っている果実です。
省エネの場合は、これまで使っていた石油の節約分が個別企業の利益となるため取り掛かりやすく、石油高騰のトレンドはすでに行動への十分なインセンティブとなっています。高い価格で売り手となっている石油会社の側にはユーザー企業の行動を阻止できる口実はないでしょう。
 産業界は行動しない言い訳になっている、30年も前の石油ショック時代の取組み=しぼったタオル論は引っ込めてただちに「死に物狂いで」省エネ対策の実行に取り掛かるべきです。
(省エネ分野のみでは足りないことは承知の上で、やればできるということを実感できる分野はここしかないので。)

4.また救命ボート戦略に基づいて、リ・ローカリゼーションに動き出す自治体や国があれば、それらは世界市場の石油需要を削減してくれることなので大歓迎すべき (こちらも部分的な取組みの一部です。)

「自然エネルギー100%自治体」の取組みや「スウェーデン2020年脱石油社会」の取組みは、残りの世界にとっては棚ボタでもらえる危機管理対策となっています。
 とはいえ、持続可能性にもっとも近い地域こそが真っ先に救命ボート戦略に基づいて動くこと、人的資源が救命ボートに引き寄せられることもあり、残りの地域の持続可能性はより小さくなります。
 ここにフリーライダー戦略≒マジックエリクシール戦略を取る地域にとっての深刻な欠陥があります。

5. 4についての認識が行き渡れば、国単位や国際社会単位でのパワーダウン戦略≒持続可能な撤退(byラブロック)という議論を始めることができるだろう

 救命ボートも大きければ大きいほど安定するはずですから、動かせる一番大きな救命ボートこそが乗り込むべき船だということになります。
ということで、保険としての救命ボート戦略を実行しつつ、グローバルなパワーダウン戦略も追求するという二段構えの方針となるのでしょう。


 4つのとりうる対応戦略オプションについてはこちらをご覧ください。
posted by おぐおぐ at 07:02 | TrackBack(0) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

現状認識編「成長論者のパラドックス」

 これは「パワーダウン」本からの翻訳ではありませんが、まあストーリーを書き直してみるとこんな風になるのでしょう。

●現状認識
1.今の日本政府は、「スループットの限界」については認識し始めている。

2.その対応として、財界のBauの延長路線の人たちは、自主開発の大幅増加という書き方で、石油&ガスの資源探索のみを「死に物狂いで?」増加させようとしている。
また、発電電力を得るために原発や石炭利用等を想定している。

3.しかし、ハーシュレポートが示すように主に起こる症状とは「液体燃料の欠乏」であり、これに正面から対応する概念としては、ようやくバイオエタノール生産の大幅拡大が一部の省庁から出始めたところ、しかし石油業界は反発中。

4.ピークオイル論の討議は「ストックの限界」つまり絶対的な成長の限界の認識へと進むため、成長路線の頭の中では討議は不可能です。
 (EOR&CCS/CTL&GTL/省エネ&自然エネなど、)どの分野であれ、今後の「死に物狂いの」大規模な投資が実施されないと、ハーシュのクサビのような需給の穴を埋める緊急プログラムにはなりえない。
 しかもハーシュのクサビが示しているのは、それら代替策全てを同時並行で走らせなければならないということであり、かつ成果が上がらなくなっていくので石油&ガスの資源探索からは撤退し、そちらからハーシュのクサビを構成する各対策へと投資資金を振り向ける必要がある。

「ストックの限界」を認識しなければこのような(高騰する石油の探索から手を引く)という投資態度に出ることはありえない。
(2010年の早期ピーク説では確実に、またたとえ2030年の後期ピーク説の認識が正しかった場合でも、成長論者のままでは危機が起こる20年前に緊急プログラムを開始できませんから、成長は続けられないと理解しないといけません。)

 これを成長論者のパラドックスと呼ぶことにしましょう。「成長論者が転向しなければ危機が到来して、従来の成長志向も続けられない」ことを指します。


処方箋編:部分的な取組みのススメ へつづく続きを読む
posted by おぐおぐ at 06:57 | TrackBack(0) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月06日

本の紹介『ピーク・オイル・パニック』

ピーク・オイル・パニック―迫る石油危機と代替エネルギーの可能性(著)ジェレミー レゲット,Jeremy Leggett,益岡 賢,楠田 泰子,植田 那美,リックタナカ
ピーク・オイル・パニック―迫る石油危機と代替エネルギーの可能性
出版社/メーカー:作品社
価格:¥ 2,520
ISBN/ASIN:4861821037
Rating:ZERO


この本をアマゾンで取り寄せると、実質2日でやってきました。

ジェレミー・レゲット著、益岡賢他訳ですが、温暖化の話も半分くらい出てくるようです。リックタナカさんも訳者に入っていますね。
田中優さんの解説もざっと読ませていただきました。
とりあえず前半あたりまで読んだ時点での紹介をしたいと思います。

【コメント】

 ”仮に、冷戦時代、ソビエト連邦が秘密裏に、二つの致命的な大量破壊兵器を新たに開発して配備していたことを、CIAが発見したと想定してみよう。一つは、欧米経済を破壊し、実質的に資本主義そのものを破綻させることのできる、経済的な時限爆弾。もう一つは、ソ連以外の生態系を、すべて破壊させることができる生物兵器である。−−多くの国が生態系に経済を依存させており、経済的にも死活問題となる。
 今日世界で起こっている出来事を参考にすれば、それに対する報復を想像するのはたやすい。B52が、核弾頭を搭載して、米空軍のあらゆる滑走路から飛び立っていっただろう。米軍は、世界中に広がる七〇〇もの米軍基地で弾薬を詰め、出撃の準備をしていただろう。NATO(北大西洋条約機構)諸国は、ソ連に手を引かせようと激怒する米国の主張に導かれ、同盟国たる米国を支援するために結集していただろう。一九六二年のキューバのミサイル危機も、これと比べればとるに足らない諍いのように見えたはずである。
 ところが、環境面での安全保障については、私たちがまったく異なる対応をするのはなぜだろうか?というのも、今述べた二つの「大量破壊兵器」は、超大国が開発したわけではないものの、今現在、この地球上に存在しているからである。さらにまずいことに、この大量破壊兵器は、効果を発揮し始めている。”


 安心してください、このおどろおどろしい文章はようやく第5章になってから出てきます。それまでの各章で、事実に向き合う準備はできているでしょう。

この二つの「大量破壊兵器」がなんのことか、はこのブログをお読みの皆さんにはもうおわかりのことでしょう。

 前半部分では、早期ピークオイル論者の一人一人がどんな人物かについての解説をしている第4章が一番面白かったです。とはいえ、このような記述をできるのは著者のレゲット氏自身が地質学者として石油採掘の学問に通じていたからでしょう。イランの砂漠での実習?の描写や、国際会議の中での科学者の生き生きとした描写は、垂涎の教科書となるでしょう。

 後半はまだ読んでいませんが、裏IPCCレポートとも呼ばれた1991年の前著『地球温暖化への挑戦』
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4478870152/sr=1-5/qid=1160134178/ref=sr_1_5/503-8297524-5122333?ie=UTF8&s=books
でも充分明らかなように、レゲットは地球温暖化問題の専門家ですから何が出てきても驚きません、地球温暖化の問題とピークオイル問題をつなげて議論できるという稀有な立場にいる著者の本は、歴史的な価値を持つ本といわざるを得ません。

 今すぐ買いに走ってください。続きを読む
posted by おぐおぐ at 20:34 | TrackBack(1) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月02日

石油価格に影響を及ぼす要因の分類

このところの原油価格の低下に関して、石油会社の公式的な反撃「それ見たことか」というのも目立ちますが、それとは別に原因を推測しようという記事がいくつか出てきています。

Peak Oil Passnotes: Why Is Oil at $60?
http://www.resourceinvestor.com/pebble.asp?relid=24052
・カトリーナ効果の消滅は大きいのではないか?

Cheap gas until the election?
http://www.augustafreepress.com/stories/storyReader$40623
 石油会社が空前の利益のお返しで共和党の有利になるように選挙前の価格を下げるよう政治的な要因で下げたのではないか?

Tomgram: Michael Klare, Why Oil Prices Are Falling
http://www.pej.org/html/modules.php?op=modload&name=News&file=article&sid=5649&mode=thread&order=0&thold=0
このマイケル・クレアへのインタビュー記事はあちこちで掲載されています。
http://www.tomdispatch.com/index.mhtml?pid=124698
http://www.atimes.com/atimes/Global_Economy/HI28Dj03.html

追記:
田中宇の国際ニュース解説「原油安で経済軟着陸?」
http://tanakanews.com/g1003oil.htm
というのも出ています。


何が正しそうだという論評はここではしないことにします。


 以下に、各種要因を分類してみました。これらの各種要因がシステム的にさまざまに絡み合って、その絡まり方も時とともに変わっていくことで複合した影響を示しているのだと思います。

思ったほど単純ではないなあ、というのが全体としての感想ですが、長期を基本にして長期から順次短期へと見ていくべきであり、長期の経済学的要因をベースにしたピークオイルの論理はロバスト(頑健)であると言えるでしょう。長期的に見れば私たちは皆死すべき者であるというのが思考のベースとなるのと似ているかと思います。

 

   −−−   −−−   −−−
1.経済学的(需要と供給の)要因
   (以下、上下方向の矢印はそれぞれ石油価格に与える影響を示しています。)続きを読む
posted by おぐおぐ at 22:08 | TrackBack(0) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月30日

ピークオイル政策検討に際しての枠組み

(初出06年9月30日)
 これまでの各種論点(末尾参照)に基づいて、ピークオイル議論の枠組みについて論点整理のための図示をしてみました。(06/9/21修正)
framework3.png
 このフローチャートは左上の端から始まります。
 一番上の段は、現状がポストピーク時代かどうかの診断をしています。
 下側の段は、将来のピーク年評価に関わる項目です。
 右下の楕円の枠内が狭義のピークオイル論と呼ばれる議論かと思います。
 daiさんの言うように後期ピークオイル説もピークオイル説の一種だ、という論も成り立つでしょうが、ここでは後期説を主張する人たちがピークオイル「論」から距離を置きたがっているだろうことから、枠の外にしておきました。
★★★ ここまで再掲 ★★★ ここまで再掲 ★★★続きを読む
posted by おぐおぐ at 02:07 | TrackBack(1) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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