2006年09月14日

「2050年は江戸時代(単行本)」を読む

forever2xxxさんがブログの記事「ピーク後を考えます」
http://blog.goo.ne.jp/forever2xxx/e/f58a93b74d57536e0b8197241a09389c
の中で紹介しています本「歴史逆行SF 2050年は江戸時代」(石川英輔著、PHP研究所)の初版本を図書館で見つけたので読んでみました。
(紹介されている講談社文庫の文庫本では中身が少し変わっているのかもしれません。)

 この単行本が書かれたのは1995年のこと、『小説歴史街道』に4回連載で出たもののようです。まああんまり登場人物が生き生きと動いてはいないようですが、プロットの紹介は興味深いく読みました。

 この中では、「東京時代」の終りである「大刷新」は何によって引き起こされたか、の謎解きが長老の話を聞く中でなされるというストーリーになっています。
「大刷新」の原因はここでは、日本が工業の創発力をなくしていったため輸出産業が壊滅して円安になり、食料危機などが重なって起こるとされています。
そして第二次大戦の敗戦後にも匹敵する、再び希望だけはある時代となり「大刷新」になったと。
2050年は江戸時代―歴史逆行SF
出版社/メーカー:PHP研究所
価格:¥ 1,529
ISBN/ASIN:4569546242
Rating:★★★
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posted by おぐおぐ at 12:31 | TrackBack(0) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月12日

「アメリカは何を考えているか イラク・石油・ドル」は何を考えているのか?

岩波『世界』2006年8月号の特集 イラク占領は何をもたらしたか の中で、赤木昭夫氏(元・慶応義塾大学環境情報学部教授)による(擬似)2人談義の解説記事「アメリカは何を考えているか イラク・石油・ドル」がありました。
ピークオイル論以外で現状の原油高騰を説明しようとすると、こういう風な勿体ぶった文章になるのだろうと思いますが…。遠慮なく突っ込みを入れてみたいと思います。

−−−−−以下、引用部分は斜体字で示します。
●(略)

●石油1バーレルが七〇ドル

A ブッシュ大統領支持率の急降下には、イラクの泥沼化以外に多くの原因がからんでいる。とくに石油の値上がりが大きく響いた。暮らしを直撃したからだ。今アメリカでガソリン1ガロンが三ドル台になり、二年前の2倍に値上がりした。


 *→まあその通りでしょう。続きを読む
posted by おぐおぐ at 02:08 | TrackBack(0) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月29日

「ん」のカーブが意味するもの

  ★  ★  ★  ★  ★  ★
(以下、初出2006年7月29日)
んの字.jpg
 もうこの図を見てもらえば言いたいことはすべて分かるかと思います。
私たちがどこにいるのか、と言えば、「構造的な需給ギャップの拡大」により引き続く石油高騰が予想される時代(黄色の箇所)に足を踏み入れているということです。
 中国インドの成長に伴い、需要の拡大が確実視されている中で、供給が横ばいになることだけでも需給ギャップが広がりますし、右肩下がりになることで、さらにその広がり方は急になります。続きを読む
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2006年07月17日

米国の天然ガスピークの経験(再掲)

米国で昨年2月に発表された(はずが公表は遅れたという)ハーシュレポートをざっと読んでいると、米国内の天然ガスの枯渇話とそこから得られる教訓lessons learnedの話が出てきていました。(トップページ左下の、「リンク集:海外のページ編」にリンクしてあります。)

後日記:ハーシュレポートにおける米国の天然ガス減耗の経験を、第5章
V. LEARNING FROM THE NATURAL GAS EXPERIENCE
よりまとめておきます。

”北米大陸での潤沢な天然ガス資源という過去の予測は誤っており、現在米国は天然ガスの供給不安と価格高騰に悩まされている。供給不安は少なくとも今後10年は続きそうだ。”
”ここから得られる教訓は来る世界のピークオイル問題に役立つだろう。”

”天然ガスは過去10年間、事実上唯一の新設発電所の燃料として選定されてきた。”
”99年時点でも天然ガス供給の見通しを全ての調査会社が誤っていた。全米48州の天然ガス生産はピークを越えて減少し始めており、隣国カナダからの供給拡大もこれを補うに至っていない。カナダのアルバータ州の生産量も2001年にピークを打っている。”

”LNGによる救出にも遅れ”
新たなLNGの受け入れ港建設がテロ攻撃の恐れから、なかなか地元に受け入れられない問題となっている。逆に閉鎖を迫られてもいる。洋上受け入れ港の建設もありうる。

の状態から得られる教訓として、以下のものを掲げています。
−−−
・石油の埋蔵量推測と同様に、天然ガス埋蔵量の推測も不確実性が大きい。北米の天然ガス埋蔵量の推測は、大きく楽天的過ぎたこと、そして北米の天然ガス生産はほとんど間違いなく減少し始めたことが分かった。

・高い価格必ずしも生産量の増加にはつながらず。地質学が究極的な制限要因であり、地質学上の事実が他の事実を圧倒する。

・たとえ国家レベルでの緊急なエネルギー問題が生じても、州レベル、地域レベルでの反対や他の問題が起ることで従来型の対策行動は著しく遅れたり止められたりする。
−−−
石油の場合は天然ガスとは違うだろう、と業界の予測に信頼しきってしまうことがどうして出来るだろう、と結論づけています。
 最近の動向を知りませんが、LNG価格の高騰は米国での天然ガスピーク問題発ということもありえそうです。

閑話休題:続きを読む
posted by おぐおぐ at 13:11 | TrackBack(0) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月09日

リチャード・ハインバーグの「パワーダウン」という本

リチャード・ハインバーグの「パワーダウン」という本を読み始めています。

 真理を求める人向けに書いた本なのでしょう。ハインバーグは楽天家ではないようで、ピークオイル後の社会について第2章から5章までの各章で4つのオプションを提案していますが、どれも陰鬱なものです。とても環境NGOが推せるようなものではありません。やっぱりたとえ「偽りの」であっても希望がなくちゃね・・・。

そんな声が聞こえてきそうです。でもそれは第4章に示してある、錬金術の薬をもらえるのを口をあけて待つというオプションのことだと書いてあるんです。



PowerDown: Options And Actions For A Post-Carbon World
出版社/メーカー:New Society Pub
価格:¥ 2,075
ISBN/ASIN:0865715106
Rating:ZERO
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posted by おぐおぐ at 23:46 | TrackBack(0) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月01日

ピークオイル対策の多くの側面

(初出:2006年7月1日)
2877.png
 カナダの都市計画家のraoD-Cityworksが作った”Peak Oil: Navigating the Debate”の中から。
 社会の規模の大きなところから小さなところまでにおける、ピークオイル対策がどのようなものがあるかの整理をしてあったので紹介しておきます。もちろん下の個別の項目はこれ以外にも沢山あるわけですが。
posted by おぐおぐ at 06:15 | TrackBack(0) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月05日

プラトーの時代の特色

以前、●ピークオイル否定論者からの「便りがないのは悪い便り」、と書いたことがありましたが、もう一度書いて見ます。

懐疑論者が引き起こす論争、つまり今がピークに達しているのか、まだこの先に一山も二山も(あるいは経済学者が仮定しているように永遠に目の前に山が)あるのか、の論争は脇においておきましょう。

現在はプラトー(高原)状態に達しているのかどうかの現状認識については、比較的論争が少ないと思われます。
プラトー状態の特徴について考えてみましょう。
  −−−
1.まだピークだというコンセンサスには到達していない

2.(ハリケーン・カトリーナや石油施設を脅かすテロ?などの供給不安を起こす出来事によって)石油価格が不安定な上下動を起こしている

3.危機管理が行われていない
 −−−
こういう指摘で良いでしょうか?続きを読む
posted by おぐおぐ at 22:20 | TrackBack(0) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月20日

原油高騰に強い?それはなぜ?、国内経済

経済産業省による国内産業分析:大企業編
原油価格上昇の影響調査について(フォローアップ・大企業分)
http://www.meti.go.jp/press/20060428014/genyuchousa-set.pdf

同・中小企業編
原油価格上昇の影響調査について(フォローアップ・中小企業分)
http://www.meti.go.jp/press/20060516001/eikyouchousa-set.pdf

と2つ資料がありました。

どちらも程度は違いますが、商品価格への転嫁が困難なため、ある程度苦しいが、インフレにはなっていない、という状況を示しているようです。

もしかすると実質的には平成デフレの現象が国内では未だに続いていて、デフレ脱却と喜んでいる事態そのものが、じわじわと上がり続けている原油高の影響なのでしょうか。

平成のデフレ現象について物申す、という方はこちらにコメントを下さい。続きを読む
posted by おぐおぐ at 16:34 | TrackBack(0) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月09日

国家エネルギー戦略本文・現状分析編を読む

この5月にも正式決定しようとしている、国家エネルギー戦略の本文での分析について少しずつですが、詳しくみていきましょう。簡単な紹介はこちらへどうぞ。

1.現状に対する基本認識
(1) エネルギー需給の構造変化 について

構造的要因により需給がタイトになっている、という分析は、表面的な、木を見て森を見ていないものだといえます。
ここの論理の各論はそれぞれ、石油ピーク論のパズルにかっちり当てはまるピースなので、もし石油ピーク論について評価して妥当だと認識していれば、結論は以下のように変わっているべきものです。
(後日記:かっちり当てはまるピースといえるかどうか、についてはちょっと疑問になっています。政府が考えているのはスループットの限界についてだけなのでしょう。(石油価格に影響を及ぼす要因の分類)の追記部をご覧ください。

「現在の高水準の原油価格は、国際エネルギー市場の構造的な需給逼迫状況を踏まえると、中長期的に継続する可能性が高い。」
    ↓
「現在の高水準の原油価格は、国際エネルギー市場の構造的な需給逼迫状況および石油ピーク論を踏まえると、短期的には更に継続的に上昇し続け天井が見えない可能性がある。★仮説ではあってもハードランディングに備えてシートベルトを締めよ。★」

このメッセージがどうして出てこなかったのかについては情報公開を求めたいものです。


A 供給側の構造変化 について続きを読む
posted by おぐおぐ at 07:13 | TrackBack(0) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月03日

ピークオイルの時代認識/その1

 この記事には、【ピークオイルの哲学(時代認識/エネルギー論など)】関連のコメントをお入れ下さい。
棒グラフは、手前から世界の原油発見量実績と予測、原油生産量の実績と予測、そして需要実績と予測を示しています。(ritaさんより)

リック・タナカ(rita)さんより(「新・国家エネルギー戦略」に対して)以下のメッセージをいただきました。 
   −−−
ピークを直視する政治的なリーダーがそろそろ、日本でも登場していいころ。
これは「保守」でも「革新」でもなく、生存の問題なのに。
まあ、役人や政治家に期待しても仕方ないので、ここで、ひとつひとつ「対案」など紹介したり、討論したりしていくってのはいかがでしょう。
まずは、時代認識。ですね。歴史的に自分達はどんな場所にいるのか。
あと、エネルギー理解。人間にはエネルギーを獲得、消費したり転換することはできても、作り出すことはできない。

などなど。
Posted by rita at 2006-05-03 09:09:55
  −−−
この下に掲載していきますので、末尾のコメント欄にお書き下さい。
posted by おぐおぐ at 16:44 | TrackBack(0) | 哲学(時代認識/エネルギー論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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