2008年12月23日

望月経産事務次官発言その1

経産省事務次官望月氏(前資源エネ庁長官)の発言をぼちぼち紹介しておきます。

 久しぶりに再開します。

●平成20年12月22日(月)
14:03〜14:18
於:記者会見室
原油価格



Q: 原油価格が、先週末30ドル台前半まで下落して、これまで経済産業省がとってきた資源高や、そういう政策、資源外交とか、そういう新エネルギーみたいな話、もしくは代替エネルギーみたいな話、採算、コスト面からいっても、新たな投資とかが出てこなくなってしまうおそれとか、エネルギー開発が進まなくなるようなおそれというような影響についてどのように評価していますか。

A: いまの水準でこれから安定するというように考えるとしたら、それは事業者として私は失格だと思います。つまりこれだけ乱高下しているわけですから、まずエネルギー価格というのは、現状のインフラから言えば、非常に大きく乱高下する可能性のあるものだということを前提として、ビジネスを考えていかざるを得ないということが、民間側の立場として言えばそういう問題があります。

 それから、振れている幅から言えば、もともと過去長期に安定していた20ドル台の価格で長期安定すると考えるのは、およそ理屈の上でも合わないと思います。従って、これは幾らが最適だとなかなか言いにくいのですけれども、今春のエネルギー白書などの計算を前提にすれば、50〜60ドルが、その当時の現物需給からいけば適切ではないかということを言っていたわけですけれども、そういうある程度のレベルというのが安定するレベルではないかとは思っています。しかし、春以降の若干の他の価格要因もありますから、そこは振れるかもしれませんけれども、それにしても20ドル台に安定するということはあり得ないと思いますから、そういったことを前提にして長期の、特に技術開発も含めて、エネルギー開発は時間のかかる話ですから、長期の中で採算性を予測して考えていかざるを得ないということだと思います。

 もともと150ドルぐらいになっていたときも、それ前提に新しいエネルギー開発しようとか、ビジネスしようと思っていた人は一人もいなかったわけですから、そう極端ではないと思います。あまり短期に価格の動きに目をとらわれて、エネルギー開発するというのも大いに間違えだと思いますから、腰を据えてやったらいいと思います。また、それは必ず実を結ぶのだろうと思っています。

自動車問題
Q: 自動車のほうですけれども、米国政権がGM、クライスラーに対するつなぎ融資という姿勢を明確に示しましたが、それについての評価というか、課題も含めて、あわせて二階大臣はロンドンで、日本政府としても自動車産業について支援を検討したほうがいいのではないかと受け取られる発言もあったのですが、何かお考えなどあればお願いします。

A: もともと今回の金融危機に端を発した米国経済の落ち込みと、それが世界に蔓延しているわけですけれども、それが当面の金融における止血策というのを全世界で一斉にとったわけです。その中で徐々に実体経済の悪い状況というのは顕在化をしてきているだろうと思います。特に米国における自動車産業は米国産業の基礎でもありますし、歴史的にも非常に重要なものだと思いますので、米国政府がそれに対する対応策を打たれるというのは、米国政府として当然のことだと思います。世界経済の中で特に落ち込みの著しい、あるいは影響の大きい米国経済がそれによってある面で落ち込みの防止ということになってくれば、大いに結構なことだと思っているところであります。

 ただ、こと自動車産業という観点から申しますと、米国の自動車産業の抱えている問題の深刻さというのに比べると、日本の自動車産業はそもそも競争力を失ったわけでもありませんし、これから将来にわたっての自動車産業としての成長の芽というのは、きちっと持っておられるところでありますから、対応は大分違うだろうと思います。ただ、ここのところに来ての需要の急激な落ち込みは、少しオーバーキルなところがあると思いますが、そこに対応して、これだけの大きな産業として流れているわけですから、その血流みたいな金融の流れとともに、商流の流れも流れが悪くなってくると、経済に大きな影響を与えますから、そういった面で我々も十分注意していかなければいけないと思います。

 自動車について言えば、今回の政府の対応策の中でも、例えば自動車取得税、それから重量税についての大きな対策がとられているわけですから、これによって自動車の需要対策としては、これまでにない特に自動車というものに焦点を当てた振興対策が盛り込まれていると思いますので、これは非常に大きいと思います。

 それから、同時に、これは自動車のみならずですけれども、金融面の問題について言えば、当然全体の金融緩和の日銀の対策とともに、私どもとしては、直接金融のマーケットが少しおかしくなっていると、調達できなくなっているというあおりが、実業にほうに影響が来ないように、例えば政策投資銀行を通じたツーステップのローンであるとか、あるいはCPの引き受けであるとか、そういった対策をとりつつ、日銀の対応を待っていたわけですけれども、日銀もCPの解禁ということも決断をしていただきましたものですから、挙げて公的な対応策というのは揃っていると思います。

 当面はいま問題になっているところについて言えば、そういうことでありますが、ただ一方で、一部の日本の自動車企業のほうから、場合によってはさらなる対応策をというような声もあったように聞いておりますが、これについては自動車産業全体として、さらに何か政府なりの対応策を必要としているのかという声には、まだなってないと思います。ですから、そういったことが出てくれば、我々としても産業界の声はきめ細かく伺わなければいけないというように思っていますから、そういう心の用意はあるところであります。まだ具体的なこういう対応策をしてほしいということについては、業界全体として伺っていることではありませんから、とりあえず私どもが打ち出したものについて、その評価とそれに基づいて自立回復に向けての産業界側の努力というものをお願いしたいと思います。それから敢えて申し上げれば、いま雇用の問題で大きな問題が起こってきているわけですから、政府の対応策に沿って、雇用面でもできる限りの経営努力と経営としての対応、雇用維持という観点からの対応というものをとっていただきたいと申し上げているところではあります。現状、そんなところでございます。

●平成20年12月18日(木)
14:30〜14:42
於:記者会見室
自動車産業
Q: 米国ビッグ3のうちのクライスラーが1カ月工場を停止するという、かなり異例の措置をとったわけですけれども、それに係る日本への影響と、広く日本自動車産業のいまについてのご認識をお願いします。

A: 自動車産業を巡る情勢は既にご承知のとおり、米国経済の混乱、低迷に始まって、とりあえず米国において最も大きく現れているのだろうと思います。従って、お話のあったクライスラーだけではなくて、我が国の日本企業もそういった意味で米国市場の低迷について影響が出始めていて、何がしかの減産がそれぞれの企業の中で計画をされていると理解しております。

 この低迷が、今後どれぐらい幅広く波及をしていくのかというのは、まだよく様子を見なければわからないところでありますけれども、世界経済の減速の端的な最も典型的な例として、これからも注目をしなければいけないところだろうと思っておりますし、それなりに、世界の自動車産業の中における我が国企業のウェイトを考えますと、ある程度大きな影響が出てこざるを得ないと考えております。それはそれぞれ企業によって、深刻度は違いますけれども、クライスラーだけの問題ではないと思います。

IPEEC・産消対話
Q: いまロンドンでエネルギー会合に大臣が出席されていますけれども、ここでの主張、どのようなところを日本として話しているのでしょうか。

A: ロンドン会合の中心は、産消対話のために出張したわけですけれども、とりあえず今日は現地時間の夕刻から、「国際省エネルギー協力パートナーシップ(IPEEC)閣僚会合」ということで、その会合を日本がホストとして主催をすることになっております。

これは、北海道洞爺湖サミットにおいて、省エネルギーについての国際的な協調を図る、パートナーシップを図るということで合意されたものについて準備を重ねてきたところ、初めての閣僚会合に持ち込めたということでありますし、途中はG8のエネルギー大臣会合を日本で開くという予定もあったわけですけれども、これがうまくいかなくて、延び延びになって今回になったということであります。

 この会合は、今後の国際的な省エネルギー協力のある種のプラットフォームになると考えておりまして、そういった新しい協力の枠組みというものを、ぜひ合意をしていきたいということになります。それが今日うまくいけば、北海道洞爺湖サミットを契機とした、日本がリーダーシップをとった国際省エネルギー協力が具体的にスタートするということで、大変意義のあることではないかと思っておりますので、今日の結果を大変注目して見ているところであります。

 それから、翌日(現地時間の明日金曜)産消対話が行われるのですが、これは各国ともかなり有力閣僚本人がご出席になって会合が行われるわけでありますし、それからちょうど昨日OPECの臨時総会が終わって、OPECサイドの意思決定が行われた直後でありますから、双方の関係者の意思疎通を図るという面では、大変これもまた重要な局面になるのではないかと思っております。二百数十万バレルのOPECの減産決定を受けて、その後の世界の原油マーケットの安定化に向けて、いかに双方の意思統一ができるかということが非常に大事なことではないかと思っております。

OPEC減産・産消対話
Q: 世界の原油マーケットの安定化という観点から、OPECの減産については、日本としてどのように受けとめて、なおかつ今後バイも入っているみたいですけれども、どのような話を産油国としていくのかについて伺いたいと思います。

A: 今回のOPECの減産決定というのは、実態上は今月これから減産が行われる分は220万バレルぐらいと言われておりますけれども、ここのところ少しずつ、減産決定が何回かに分けて行われていて、OPECサイドによれば四百数十万バレルの減産だという発表でございますが、実態はそれがどれぐらい遵守されていくかということを見てみないと、なかなかわかりませんけれども、そこはよくウォッチしていきたいと思います。

 それから、それのマーケットに対する影響というのも、1日、2日だけではなかなか評価できないことがあるとは思っています。ただ、私どもから見れば、ここの過去1〜2年の原油マーケットの動きを見てみますと、ピークは150ドル/バレルまで急騰して、それから3分の1以下まで暴落をするという動きというのは、経済の非常に基礎的な物資であるところの原油についての動きとしては激し過ぎると思っています。ですから、そういった面でどこかである程度安定した形になっていかないと、このための投資なども十分に行われないなど、それから事は原油だけにとどまらず、代替エネルギーなど、そういったものに対する投資についてもなかなか難しくなってしまうのです。一丁事あると、また大幅に上がって大混乱になるということになるので、そのための安定化をするための工夫というのが、本来ここには必要なのだろうと思うのです。そのベースになるような共通認識を、ぜひこの産消の対話の中でとっていきたいということではないかと思います。

 産消対話はこのプロセスの中でも何回か行われましたけれども、消費国と産油国が原油価格の乱高下によって痛い目に遭って、そういうものを経験して、それで安定化についての必要性というのが、この短期間に随分高まるべきだと思いますし、高まっているのではないかということを期待しています。だから、一方的に上がったときに消費国が悲鳴を上げてお互いの共通理解を求めるとか、暴落したときに産油国が悲鳴を上げてそういう共通理解を求めるとか、そういうことではなくて、双方が価格を安定化したほうがいいのだということを、冷静に考えればそろそろ共通認識が持てるような環境になっているのではないかと思いますので、そういった面では今度の会議というのは、それぞれがお互いを理解し合えるような状況になってくるのではないかということを期待するし、そうすべきだと思っております。大臣もそういった面から、非常に数多くのバイ会談をこなしながら、ここの2日間ぐらいの短い期間ですけれども、有意義な会談ができるのではないかということを期待しています。続きを読む
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2008年12月11日

やっぱり終わっている経済産業省

ユニークな自民党国会議員の河野太郎氏の「ごまめの歯ぎしり」より全文転載しておきます。

      ごまめの歯ぎしり メールマガジン版
衆議院外務委員長河野太郎の国会日記
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IRENAという国際機関がある、いや、できる。
International Renewable ENergy Agency(国際再生可能エネルギー機関)という再生可能エネルギーの推進を行う国際機関の設立がこの10月に国際的に合意された。

2009年の1月26日と27日にドイツのボンで設立会合と条約への署名が始まり、準備委員会の第一回会合が行われる。

2008年10月の最終準備会合には51カ国が参加した。
ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、アルゼンチン、チリ、ブラジル、オーストラリア、韓国、インド、インドネシア、タイ、ベトナム、UAE、エジプト等々。あれっ。

日本は?

日本はまだ参加表明をしていない。
経済産業省が猛烈に反対をしている。経済産業省から事務局長を出しているIEAと重複する可能性のある組織はいらないと、参加を促しに来日したドイツ政府の特使にすげない態度をとって追い返した。

IEAはこれまで、再生可能エネルギーへの取組がとてもとても遅れていた。IRENA創設の話が出て、あわてて取組を始めた。
しかし、IRENA創設が最終的に確定した今、IEAと重複するからというのは屁理屈だ。
今や、経済産業省は経団連以上に再生可能エネルギーに後ろ向き、というよりもストップさせようと必死だ。
国益よりも電力と鉄鋼への気遣いだけだ。

外務省で地球温暖化を扱うのは地球規模問題審議官だが、IRENAを扱っているのは経済局の経済安全保障課で、ここはまったく後ろ向きだ。

環境省は推進派だが、ここは全く突破力がない。

官邸のリーダーシップを発揮しないと、省益ばかり考えている役所に足を引っ張られることになる。

太陽光で世界一を目指すとか何とかいっている日本が、再生可能エネルギーを推進する国際機関に入らないことがあってはいけない。

日本は、福田内閣のときに、国際再生エネルギー会議の2009年の開催誘致に失敗した。いや、正確にはお膳立てが整っていたのに省庁間の対立で手を挙げなかった。

IRENAに参加しなかったら、再生可能エネルギーの国際ルール作りに参加することができなくなる。アジアにおける再生可能エネルギー導入のリーダーシップも放棄することになるだろう。
日本初の技術の世界展開にも支障が出るかもしれない。

参加することのデメリットはIRENAの予算に対する拠出金を負担することになる。約5億円だ。
外務省は、無駄遣い撲滅の河野チームの目が光っているから、5億円の新規は出せないとのたまわった。
我々に出てこいというならば、喜んで出て行って優先順位の低い予算を5億円ぶった切る。

 1月20日にオバマ政権が発足すれば、IRENAにアメリカも参加するかもしれない。麻生政権としては、再生可能エネルギーに後ろ向きの姿勢をとることはできない。
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 最大の景気対策とは経済産業省をつぶすことだった、と後世に言われるようになるのかもしれません。
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2008年11月14日

IEAの公式発表では…

「IEAによる年率9%の石油減耗評価の意味」
http://sgw2.seesaa.net/article/127917473.html
の続きです。


11月12日にHPに掲載された、国際エネルギー機関(IEA)のWEO2008のエグゼクティブサマリーは、日本語版も出ていますね。

http://www.worldenergyoutlook.org/docs/weo2008/WEO2008_es_japanese.pdf

日本人の田中事務局長のお陰でしょうか。

 そのままご覧ください、というと不親切でしょうから長々と関連部分をピックアップしてみます。

”2008年の価格急騰へと行き着いた近年の価格上昇は、短期的な価格ボラティリティの大幅な高まりと相まって、価格が短期的な市場の不均衡にいかに敏感に反応するかを浮き彫りにした。また、石油(及び天然ガス)資源が究極的には有限であるということへの人々の注意も喚起した。”
(コメント:確かにピークオイル不安のことを指摘しているここの記述は良いですね。でも、石炭についての記述も同じであるべきですが)

”実際には、供給面での差し迫ったリスクはグローバル資源が不足するリスクではなく、必要な投資が不足するリスクである。上流部門での投資は名目ベースでは急増しているが、増加の大部分はコストの上昇と生産減退率の上昇−特にOPEC以外のより高コストの地域における−に対処する必要によるものである。
現在、最も安価な資源への国際石油メジャーのアクセスが制限されていることなどにより、大半の資金はコストの高い埋蔵資源の探索と開発に向かっている。世界の大半の地域における資源の減少とあらゆる地域における生産減退率の加速に直面する中、最もコストの安い国々での生産を拡大することが、合理的なコストで世界の需要を満たしていく上で極めて重要となる。”

 ”世界の石油生産量が予測どおりに増加するかどうかは、十分な投資がタイムリーに行われるかどうかにかかわっている。日量約6400万バレルの追加的な総生産能力−サウジアラビアの今日の生産能力の約6倍−が2007〜2030年に操業を開始する必要がある。新規能力のうち日量約3000万バレルは2015年までに操業開始の必要がある。この期間に投資不足により石油供給がひっ迫する現実的なリスクは解消されていない。”
(コメント:ということでやはりOPECにあるはずの公表埋蔵量をいかに吐き出させるかが問題なのだ、という問題意識です。ほーんとにあるのかえ?という疑問をクリアする根拠があるわけではないようです。)


”しかし、油田ごとの石油生産量の減退が加速している

 世界には十分過ぎるほどの石油資源が眠っているが、その資源がレファレンス・シナリオで予測されている需要水準を満たせるほど迅速に開発される保証はない。最大の不透明材料のひとつは、既存の油田の生産量が成熟に伴いどのくらいのペースで減少していくかである。これは、予測される需要を満たすために世界的に必要とされる新規能力と投資を決める上で、極めて重要な要因である。
 WEO2008のパートBで述べられている、800油田の過去の生産トレンドを油田ごとに詳細に分析した結果によれば、観察された減退率(観察可能な生産減少)は世界の全ての主要地域で長期的に加速する可能性が強い。これは、油田の平均規模の小型化と一部の地域における海底油田から見込まれる生産量のシェア拡大によるものである。我々の分析によれば、一般に、油田の埋蔵量が多ければ多いほど、埋蔵量に比したピークは低く、ピーク後の減退も緩やかである。また、減退率は海底(特に深海)油田より陸上油田の方が低い。投資政策や生産政策も減退率に影響する。
我々の推計によれば、生産のピークを過ぎている油田の場合、世界全体の観察された減退率(生産量加重ベース)は現在6.7%である。レファレンス・シナリオでは、この減退率は2030年に8.6%へと上昇する。現在の数字は、稼働中の54の超巨大油田(埋蔵量50億バレル超)の全てを含む800油田の生産分析から導き出したものである。このサンプルの場合、全稼働期間の生産量で加重した全油田平均のピーク後の観察された減退率は5.1%であった。減退率が最も低いのは大規模油田で、平均すると、超巨大油田は3.4%、巨大油田は6.5%、大油田は10.4%である。”
(コメント:既存の油田についての減退率が明示されるのは珍しいことで、特筆すべきことでしょう。)

”観察された減退率は地域により大きく異なる。
最も低いのは中東、最も高いのは北海である。これは主に油田の平均規模の差を反映したものであるが、平均規模は全体の埋蔵量がどの程度枯渇しているか、陸上油田か海底油田かといった点と関係している。推計による世界の減退率が我々のデータに基づく減退率より高いのは、小規模油田の相対的に高い減退率を調整した結果である。
自然減退率(基調となる減退率)は観察された減退率より平均で約3分の1高いが、この差は投資額の違いを反映して地域ごとに異なる(自然減退率は進行中および定期的な投資の影響を除いたもの)。推計では、ピーク後の油田の自然減退率は世界全体で9%である。言い換えれば、既存油田の生産減少ペースは、ピークを過ぎた後にこれらの油田に設備投資が全く行われていなかったとすれば、約3分の1速くなっていた、ということである。レファレンス・シナリオの予測は、全ての地域で油田の平均規模が小型化するとともに、大半の地域で予測期間にわたり海底油田への生産シフトが起きることから、世界の平均自然減退率が2030年までに年率で約10.5%(観察された減退率より約2%ポイント高い)へと上昇することを意味している。これは、この減退率の上昇を相殺するという目的だけのためにも、一部の国では上流部門への総投資額を増加させる必要があり、しかも場合によっては大幅な増加が必要となる、ということである。この影響は広範囲に及ぶ。予測される自然減退率の加速を相殺するだけのためにも、日量100万バレルの追加能力――現在のアルジェリアの総能力に匹敵する量――への投資が予測期間末まで毎年必要になる。”
(コメント:ということで石油メジャーの手の届くところにはないOPECの埋蔵量頼みである、というところまでを明らかにするのがIEAの限界である、という立場のようでした。仮にOPECの公表埋蔵量が水増しであったことが後日分かったとして、投入した投資がむだになることにはIEAは責任を負わない、ということになります。)

”上流部門への投資障壁が世界の石油供給量を制約する可能性がある

 自然減退率が上昇するということは、既存油田(自然減を食い止めるため)でも新規油田(既存油田の生産減少を相殺するためと需要の増加に応えるため)でも上流部門への投資を増やす必要がある、ということである。実際、上流部門への総投資額(石油・ガス田)は近年急増しており、2000〜2007年に名目で3,900億ドルへと3倍超に増えている。この増加の大半は単位コストの上昇に応えるためであった。コストの上昇について調整すると、2007年の投資額は2000年に比べ70%の増加である。IEA上流投資コスト指数によれば、世界全体の上流コストは推計で2000〜2007年に平均90%上昇し、2008年前半にさらに5%上昇した。この上昇の大半は2004〜2007年に生じている。
WEO2008のために調査した世界の上位50社(世界の石油・ガス生産量の4分の3超を占める)の計画に基づくと、世界の石油・ガス向け上流総投資額は今後も増加し、2012年までには名目で6,000億ドルを超える。これは2007年に比べ50%超の増加である。想定どおりにコストが横ばいになれば、2012年までの5年間の実質投資額は年率9%増となる。これはその前の7年間とほぼ同じである。
 レファレンス・シナリオの予測は、石油・ガスの上流部門では2007〜2030年に累計で約8兆4,000億ドル(2007年ドルベース)、年平均で3,500億ドルの投資が必要になる、ということを意味する。これは現在の投資額を大幅に下回るが、投資が必要とされる地域が大きく変わるためである。投資額を大幅に増やす必要があるのは、豊かな資源を抱えている地域で単位コストが最も低い地域、特に中東向けである。要するに、資源基盤が縮小するにつれ、国際企業が非OPEC地域に投資する機会は減り、世界の石油・ガス残存埋蔵量を大量に抱える国々が、国有企業を通じて直接的に行うにしろ、外国投資家とのパートナーシップを通じて間接的に行うにしろ、より大きな投資負担を負わざるを得なくなる、ということである。これらの国々に、この投資を自ら行う、あるいは必要な投資ペースを保つために十分な額の外国資本を誘致するという意欲が当然にあるとは考えられない。”
(コメント:さて、蜜のあふれるカナンの土地があるのだ、そこではたいした額の投資も必要なく掘れば石油は出てくるのだが、OPEC諸国が政治的な思惑で投資をしようとしないので、国際石油メジャーはその外側の非OPEC各地の高価な開発をしながらも疲れているのだ、という結論です。なにやらオドシ・スカシ戦術に訴えたい、というきな臭い臭いすら感じますが、この後は国際オイルメジャーにOPEC諸国内で経営協力をさせてくれ、と続いています。)

全体の感想:
 一番上のグラフは、世界エネルギーアウトルック2008のHPの中にあるプレゼン用グラフ
http://www.worldenergyoutlook.org/key_graphs_08/WEO_2008_Key_Graphs.pdf
の内の一枚です。

 青い部分、既存の油田からの原油生産量の予測部分には、減耗率(9%なのか6.7%なのかは判別できませんが)の数字が刻み込まれていて、急な下り坂を示しています。投資の一部は、このカーブを緩やかにするためだけに使われており、観測された減耗率の状態の前提条件となっています。
 このグラフが従来公表のグラフと異なるのは、赤い部分のyet to be foundつまりこれから発見できるかどうか分からないものの規模を、yet to be developedとは区分けして明示しているところです。この赤い領域の石油が仮に発見量ゼロであれば、OPECの公表埋蔵量が正しくとも、2015年頃がピークオイルの年であることになります。そして仮にOPECの公表埋蔵量が水増しでyet to be developedが実際には残っていなければ(早期ピーク論)、あるいは仮に巨額の開発投資が適切に行われなければ(政治的ピーク論)いずれにしても今年が地球最後のピークの年であった、ということになるわけですね。

 早期ピーク論が正しいのか、政治的ピーク論が正しいのか、を考えるにあたっては、
 OPEC諸国は今年前半の原油高騰時に、なぜ石油開発に儲けを再投資しなかったのでしょう?
 脱石油の次の経済は金融セクターだといい、大規模な不動産投資をしていたり、国家投資会社を作って再びアメリカなどに投資資金を還流させていたのはなぜでしょう?
 との疑問への答えとして、OPEC内には有望な投資先がないからだという結論になるでしょう。

 さあーて、この2つのいずれであったとしても、世界金融危機の今年以降しばらくは巨額な開発投資が不可能になるでしょうから、結論としては今年が地球最後のピークの年であったということをIEAのこの報告書は保証してくれているものでしょう。続きを読む
posted by おぐおぐ at 09:18 | TrackBack(0) | 悪影響/ニュース/リンク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月07日

今は世界金融危機なのか、世界石油危機なのか?

 主流派のマスコミの論調では「世界金融危機」と「石油高騰」、「経済悪化」の間の関係がいまいちはっきりしません。
 石油高騰は今年前半にはあれほど危機視されていましたが、それが7月に石油バブルが崩壊してよかったよかった、とはならずに、いきなり世界金融危機に突入して、まるで石油「バブル崩壊?」の好影響が分かりません。
 一方で金融危機の元、確かにサブプライムローン問題は2007年前から危機視されていましたが、どれだけ実体経済への悪影響になっていたのでしょう。また、その中での石油高騰の影響はどのくらいあったのでしょう?
 GMを初めとするビッグ3の合併話やトヨタの減益は「石油危機」か「金融危機」かどちらが原因なんでしょう?

(もちろんピークオイル論者である僕としては、「さまざまな型の生産量ピーク?」http://sgw2.seesaa.net/article/127917471.htmlというような解説をしようとしているわけではありますが。)
 ・・・といった話の整理のために一本紹介しておきます。

 The Oil Drum「ドラム缶」では、CIBCのエコノミストのジェフ・ルービンによる、7月までの原油価格暴騰が不況の原因だという主張が紹介されています。
Jeff Rubin: Oil Prices Caused the Current Recession
http://www.theoildrum.com/node/4727

元の記事は、
What's the Real Cause of the Global Recession?
Jeff Rubin and Peter Buchanan
http://research.cibcwm.com/economic_public/download/soct08.pdf#page=4
です。

”図1(上の図)では、過去の5回のグローバルな不況のうちの4回は、石油価格の急上昇に続いて起こっていることを示している”
(2008年のドル換算にしていますので、過去2回の石油ショックは名目レートよりも強調されています。)

”By any benchmark the economic cost of the recent rise in oil prices is nothing short of staggering. A lot more staggering than the impact of plunging housing prices on housing starts and construction jobs, which has been the most obvious brake on economic growth from the housing market crash. And those energy costs, unlike the massive asset writedowns associated with the housing market crash, were borne largely by Main Street, not Wall Street, in both America and throughout the world.”

後日記:
Ecobrowserのブログより
The oil shock and recession of 2008: Part 1
http://www.econbrowser.com/archives/2008/12/the_oil_shock_a.html
The oil shock and recession of 2008: Part 2
http://www.econbrowser.com/archives/2009/01/the_oil_shock_a_1.html
では、経済学的な考察が行われています。(といってもよー分かりませんが)続きを読む
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2008年11月02日

共同通信「海外トップニュース」よりその2

 地方紙に掲載されている原油高騰や食料危機関連の記事を紹介しましょう、ということで、共同通信の「海外トップニュース」より転載をしておきます。

10月31日
朝鮮日報(韓国)通貨危機の可能性去り株価急伸、ウォン回復
フィガロ(フランス)仏大統領、銀行の貸し渋りに警告
フランクフルター・アルゲマイネ(ドイツ)米7-9月期実質GDPは0.3%減

 30日
朝鮮日報(韓国)韓国と米国、通貨交換協定を締結へ
バンコク・ポスト(タイ)タイ政府、景気対策のため財政赤字拡大を容認
ワシントン・ポスト(米国)米当局、住宅ローン借り手救済策で合意間近
ニューヨーク・タイムズ(米国)FRB、0.5%利下げを決定
フィガロ(フランス)米が利下げ、パリ株式市場は高騰
フランクフルター・アルゲマイネ(ドイツ)前日に急騰のVW株、一転して大幅安に
コメルサント(ロシア)ロで個人のクレジット未返済に刑事罰導入検討

 29日
ワシントン・ポスト(米国)米利下げへの期待感でNY株急反発
ニューヨーク・タイムズ(米国)次はクレジットカード危機到来か
フィガロ(フランス)仏政府、新たに10万人に雇用助成
フランクフルター・アルゲマイネ(ドイツ)VW株急騰、株価指数を大きく底上げ

 28日
バンコク・ポスト(タイ)世界的な景気後退懸念でタイ株式市場急落
タイムズ(英国)税収低迷、政府の財政赤字急増の見通し
コメルサント(ロシア)ロ政府、経済対策で企業の株式購入も

 27日
朝鮮日報(韓国)政策金利、追加引き下げへ
タイムズ(英国)英中銀に早期の利下げ圧力
フィガロ(フランス)中国、金融サミットへの参加表明
フランクフルター・アルゲマイネ(ドイツ)独2州立銀行、新たに政府救済申請へ
コメルサント(ロシア)ロ企業、保険で優先される個人口座へ移し変え

 26日
人民日報(中国)アジア欧州首脳会議が閉幕
ニューヨーク・タイムズ(米国)消費低迷、流通など解雇急増

 25日
人民日報(中国)ASEM首脳会議、北京で開催
朝鮮日報(韓国)総合株価指数が10%以上暴落
バンコク・ポスト(タイ)ASEANプラス3が通貨交換協定強化で合意
ワシントン・ポスト(米国)米政府、保険会社にも公的資金投入へ
ニューヨーク・タイムズ(米国)先行き不安から通貨下落し株価も急落
タイムズ(英国)英経済、景気後退期入り
フィガロ(フランス)景気後退の兆候増す、世界の株式市場下落
コメルサント(ロシア)ロシアで株価暴落、財政破たん前の97年に近似
アルアハラム(エジプト)ASEAN首脳が金融危機克服に向けた改革表明

つづく続きを読む
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2008年10月29日

トリプル・クランチを解決するためのグリーンニューディール

A Green New Deal: Joined-up policies to solve the triple crunch of the credit crisis, climate change and high oil prices
という本だか冊子ができています。

英文のダウンロードはこちらから。
http://www.neweconomics.org/NEF070625/NEF_Registration070625add.aspx?returnurl=/gen/uploads/2ajogu45c1id4w55tofmpy5520072008172656.pdf
(連絡先の登録が求められます)

著者は
Andrew Simms, Ann Pettifor, Caroline Lucas, Charles Secrett, Colin Hines, Jeremy Leggett, Larry Elliott, Richard Murphy and Tony Juniper
NGO関係者や緑の党の議員などですね。

発行者
nef on behalf of the Green New Deal Group
nefとは「新たな経済学財団」とでも訳すんでしょうか。

発行日
21.07.08

価格
£10.00

isbn
978 1 904 882 35
だそうです。
(nefでは、the nef triple crunch blogというブログも開設しています)

 概要を紹介している?のは、この記事です。
Beyond the triple crisis: a green new deal「3重の危機を超えて:グリーンニューディール」
http://www.agoravox.com/article.php3?id_article=8796

”システムの問題

 最近数週間の巨額の資金提供パッケージは問題を封じ込めることはできないだろう、まさに問題は悪化しそうだと見込まれるため、中央銀行総裁たち、金融機関の首脳部、政治家たちに加えて、失業や住宅の喪失、信用の制限といった形で最も危機の被害を受けるだろう市民たちは恐怖におののいている。
 とはいえ、私は、物事はもっと悪くなるだろうと考える、なぜならとりわけ、この危機を封じ込めるための政策決定を行うべき金融機関や政治家のトップがこの役目に不適任だと思うからだ。
特に、蔵相や、IMFのスタッフ、欧州中央銀行(ECB)のジャンクロードトリシェ総裁と各国の中央銀行の仲間たちが間違った経済政策に固執しているからだ。”

”危機に直面しているのは単なる境界部分での政策調整で修繕できるような金融の破綻以上のものであることを、この間の経緯は明らかにしている。
そうではなく、この過剰に債務を帯びたグローバル経済は、(それぞれが現在の危機に寄与している)かつてない3重のクランチの一つの側面なのである。
* べらぼうなねずみ講的な債務の仕組み
* ピークオイル
* 気候変動
の3つのクランチだ。”

(以下ぼちぼち訳を)
”A radical agenda

The heart of such policies are a series of principles that if followed would lead to a more stable, strong and sustainable political economy that can begin to meet the tests of debt, peak oil, and climate change:

* debts must be recognised as unpayable, and written off. This needs to done as far as possible in an orderly, structured manner, and with due attention to principles of fairness and awareness of the causes of high levels of debt

* the monetary system must be managed in the interests of society as a whole, not just the finance sector

* debt/credit-creation must be carefully regulated

* capital flows must be regulated, and the power to fix the key levers of the economy (interest-rates and the exchange-rate) must be restored to elected, sovereign governments- accountable to labour and industry, and accountable to the ecosystem

* publicly accountable central banks must be free to a) inject debt-free money into the economy, and b) keep the cost of borrowing low, so that loan-expenditure projects can be easily financed

* incomes must be raised, to restore the balance between an economy burdened with debts and stripped of pensions, and people starved of income to repay those debts or unable to live in dignity

* there must be no ways eviction of people from their homes because of unpayable debts

* new forms of social, cooperative housing and housing finance should be developed

* resources must be raised to create jobs, by using the monetary tools above and by filling tax-loopholes and closing tax havens

* a "carbon army" of green-collar workers must be mobilised to insulate homes, transform every building into a power station, and build alternative sources of energy

* trade must be localised and regionalised in order to limit the impact of emissions, to cut oil consumption and to end trade imbalances, with only exceptional items traded internationally (when war-memorial panels in northeastern England containing lists of names of the fallen are stripped for the metal they contain to feed a ravenous global commodity-market, the destructive consequences of the dominant form of globalisation are vividly revealed)

* a new global and independent central bank should be established - based on JM Keynes’s International Clearing Union - to manage and stabilise trade between countries; this should be on the agenda of the G20 summit in Washington on 15 November 2008 as part of the discussion of a "new Bretton Woods" settlement.

In other words, the way beyond this period of severe crisis and multiple threats lies in a green new deal.”


リチャード・ハインバーグのグリーンニューディールの必要性についての論はこちら。
「グリーンニューディールの出番だ!」
http://sgw1.seesaa.net/article/127880652.html
 詳細提案はこちら。
ポストカーボン研究所提案の”リアル・ニューディール”
http://sgw1.seesaa.net/article/127880679.html
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2008年09月21日

共同通信「海外トップニュース」より

 地方紙に掲載されている原油高騰や食料危機関連の記事を紹介しましょう、ということで、共同通信の「海外トップニュース」より転載をしておきます。

 9月20日
朝鮮日報(韓国)米、金融危機で史上最大の公的資金投入へ
ワシントン・ポスト(米国)米、5000億ドルの歴史的市場介入へ
ニューヨーク・タイムズ(米国)ブッシュ氏、議会に金融安定対策を要請
タイムズ(英国)株価の歴史的な急回復に金融街は安堵(あんど)
フィガロ(フランス)世界の株式市場、米金融安定化策を好感
フランクフルター・アルゲマイネ(ドイツ)米の金融機関救済策を市場好感
コメルサント(ロシア)ロシアの主要証券取引所が取引再開
アルアハラム(エジプト)米国が不良資産買い取りを表明

 19日
朝鮮日報(韓国)日米欧6中銀が1800億ドル緊急供給
ワシントン・ポスト(米国)米政府と議会、包括的な金融市場対策策定へ
ニューヨーク・タイムズ(米国)米政府と議会、不良債権処理機関設立を検討
タイムズ(英国)銀行の破たん防止へ空売り規制
フィガロ(フランス)仏首相、新たな環境税の導入否定
フランクフルター・アルゲマイネ(ドイツ)独公庫、リーマンへの誤送金で理事ら停職
コメルサント(ロシア)ロシア政府、金融市場安定化ヘ大規模買い支え

 18日
ワシントン・ポスト(米国)金融機関の信用不安受け、株価が再び急落
ニューヨーク・タイムズ(米国)投資家不安ぬぐえず株価急落
タイムズ(英国)銀行に忍び寄る恐怖、HBOSはロイズが救済
コメルサント(ロシア)政府が国内金融市場救済で主要3行に貸し出し資金

 17日
朝鮮日報(韓国)世界の金融、米中枢同時テロ後最大の危機に
バンコク・ポスト(タイ)タイ保険会社監督当局が平静呼びかけ
ワシントン・ポスト(米国)米政府、AIG救済へ850億ドル融資
ニューヨーク・タイムズ(米国)FRB、AIG救済に850億ドル
タイムズ(英国)金融危機、英住宅金融大手を直撃
フィガロ(フランス)AIG救済に期待、世界金融の将来左右
フランクフルター・アルゲマイネ(ドイツ)米政府、公的資金での金融機関救済に慎重
コメルサント(ロシア)ロで金融危機の恐れ、政府と中銀が大規模介入
アルアハラム(エジプト)米大手証券破たんでエジプト株式市場も急落

 16日
朝鮮日報(韓国)リーマンが破産申請、世界金融に大打撃
ワシントン・ポスト(米国)金融危機の拡大受け、株価急落
ニューヨーク・タイムズ(米国)ウォール街は01年以来、最悪の損失
タイムズ(英国)リーマンが破たん、世界に衝撃
フィガロ(フランス)世界の銀行、金融危機回避へ懸命の努力
フランクフルター・アルゲマイネ(ドイツ)米証券リーマン破たんで金融市場は大混乱
コメルサント(ロシア)ロ産業界、経済危機ではないと大統領に説明

 14日
ワシントン・ポスト(米国)ハリケーン「アイク」がメキシコ湾沿岸襲う
ニューヨーク・タイムズ(米国)テキサス州のハリケーン被害は甚大
タイムズ(英国)閣僚経験者、ブラウン首相に党首選要求

 13日
朝鮮日報(韓国)中東ドバイ原油価格が1バレル=95ドルに急落
ニューヨーク・タイムズ(米国)テキサス州、100万人がハリケーン避難
タイムズ(英国)経営難の航空会社増え、休暇旅行に影響も
コメルサント(ロシア)ロ大統領、有識者会談で経済問題に発言集中

 12日
ワシントン・ポスト(米国)リーマン・ブラザーズ買収へ米政府後押し
ニューヨーク・タイムズ(米国)リーマン・ブラザーズ売却先、週末にも決定へ
フランクフルター・アルゲマイネ(ドイツ)ドイツ銀行がポストバンク買収へ
コメルサント(ロシア)プーチン首相、有識者会談で戦争・平和論展開

 11日
ニューヨーク・タイムズ(米国)米大統領、パキスタンでの特殊部隊活動を許可
フランクフルター・アルゲマイネ(ドイツ)欧州委、ユーロ圏成長率予測を下方修正続きを読む
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2008年09月15日

ハリケーン・アイク由来の米石油ショック

(写真はハリケーン・アイクの直撃を受けたガルベストン郊外の道路)
 ニュース短信から移動させました。

●やっちまった−かな?ハリケーン・アイク
Implications of a Ten Day Refinery Outage
http://www.theoildrum.com/node/4526

 The Oil Drumに、ハリケーン・グスタフとアイク、続いてやってきた2つのハリケーンのせいで、ルイジアナとテキサスの油田や製油所、精製品を運ぶコロニアル・パイプラインが避難、停止、停電などを続けていくので、流通備蓄が取り崩され、10月頃まで緊急的な石油ショックがおきそうだ、という分析が出ています。
 やっちまった−かな?
 これはストックの限界によるものではなく、典型的なスループットの限界による石油ショックです。

 ここから関連の図をいくつかコピーして紹介しておきましょう。


 最初の写真は、ハリケーンの後始末に時間が掛かるということの一つの証拠ともなっています。まず道路を片付けてから緊急復興チームが入ることができるわけですし、石油精製施設の従業員はどうやって避難所から戻り通勤を始められるのか、ということも言えます。

CNN:Nearly 25% of U.S. fuel production shut
http://money.cnn.com/2008/09/12/news/economy/hurricane_ike/index.htm?postversion=2008091216

CNN:Ike's aftermath: The return of $4 gas
http://money.cnn.com/2008/09/13/news/economy/ike_effect/index.htm
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2008年09月06日

欧米主要メディア記事へのリンク

Google Searchで"Peak Oil"のキーワードで配信されてきた記事のリンクを貼っていきます。数が多すぎるので、ブログ関連は除外して、各国2紙程度の有名新聞社、テレビ局のものだけを対象にしました。

9月3日
Globe and Mail:Peak oil, tech boom share some parallels
http://www.theglobeandmail.com/servlet/story/LAC.20080903.RVOX03/TPStory/Business
”In both cases, the information that took a sound idea and blew it into a bubble came largely from dealers with a vested interest.”

8月29日
ナショナルポスト:Hurricanes could push gas to $1.75 per litre, CIBC warns
http://network.nationalpost.com/np/blogs/tradingdesk/archive/2008/08/29/186628.aspx
”The report said oil production in the rig-dotted Gulf, which some consider America’s best hope for greater energy self-sufficiency, will be increasingly threatened by major Gulf storms that are growing in both frequency and strength. It also said gasoline to climb to US$5 per gallon in the U.S.”続きを読む
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2008年08月18日

望月経産新事務次官の人事について

 『選択』という月刊誌を譲ってもらって時々読んでいます。現役記者が自紙に書かなかった国内外の政治経済の裏話的な逸話ばなしを覆面で記事にする、というタイプの雑誌なんですが、その8月号に、次官人事で吹き出た経産省の「末期」という記事が出ています。

 7月上旬に北畑前事務次官から望月前資源エネ庁長官にバトンが渡った事務次官人事のことを、こう書いています。

−−−
「震度8級の大激震」。次期次官人事を耳にしたある中堅幹部は、驚きをこう表現する。…大本命だった鈴木隆史経済産業政策局長は特許庁長官に横滑る。官房長、経済産業政策局長という"保守本流"を歩み、新経済成長戦略を主導してきた鈴木局長に対し、中小企業庁と資源エネルギー庁という外局の長官経験しかない望月氏。勝負の帰趨は明確とばかりに、内示当日の朝日新聞夕刊には「次期次官に鈴木氏」と大誤報が掲載されたほど。…
 甘利大臣は望月長官を選んだ理由として「実力本位」という言葉を繰り返した。…
ある幹部は「大臣が人事介入した事実は重い。自律性を失った経産省は『情実』と『迎合』、そして『ゴマすり』が蔓延する伏魔殿と化す」と続ける。
さらに大臣の意向に見せかけ、実際は本命排斥に動いた北畑前次官の罪は深い。…
望月新次官の評価は「茶ボウゼスト」。持論を曲げてまで上司に誠心誠意尽くすという意味だ。甘利大臣への忠誠ぶりは有名で、・・・ほどの奉公ぶり。
−−−
として、(甘利大臣あるいは)北畑前次官によって非常に人事がゆがめられた、という批判一色となっています。

 さて、わざわざ一件独立した記事まで立ち上げて何が言いたいのか、といえば、
 もし北畑前次官が行った人事なのであれば、望月前資源エネ庁長官を事務次官に据えたのは今のクリティカルな石油高騰対応の意思決定の現状を最大限長く固定するための特例的な行動だったのだろうな、ということです。

 確かに新旧事務次官の引継ぎの日の記者会見では、北畑前次官は望月氏のことを高く評価しているように取れます。

 これこそが経済産業省が省としてこっそり取っている「ピークオイル」リスク管理計画の一環なのかもしれません?。
さて、後任の資源エネ庁長官はどんな人物なんでしょう?
posted by おぐおぐ at 10:23 | TrackBack(0) | 悪影響/ニュース/リンク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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