2009年01月04日

一足先にプラトーの端を越えた日本の総人口

 ん?どこかで見た曲線のような…。原油生産量ではありません。

「ピークを打ち下り坂を歩き始めた人口の意味」
http://sgw2.seesaa.net/article/127917242.html

「右肩下がりの経済で何を救い何を屠るのか」
http://sgw2.seesaa.net/article/127917482.html
の続きです。

 元旦の地方紙に記事が載っていました。

死亡数114万人最多
出生数は横ばい
人口減社会が本格化
 厚生労働省の人口動態統計の年間推計が31日に発表されたとのこと。
「日本人の「自然増加数」はマイナス5万1千人。前年の2.75倍で、これまでにない人口減少となった。」
ということで、こちらは日本人だけの統計ですが、2005年に出生数と死亡数が逆転して以来の、死亡数が出生数を超える傾向に拍車がかかり、一層ギャップが広がったようです。

 日本の総人口を示した別の統計はこちら。
総務省統計局「人口推計月報」
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/200812.pdf

jinkou.JPG
 ここに示された月ごとのグラフを見ると、2004年12月が日本の総人口のピークの月であったこと、それから丸4年を経て、プラトーの端、下り坂を転がり始めているとも言える減少傾向となっています。
 今後10年ほども続くのは世界的不況の影響で、人口減少に拍車が掛かるという傾向でしょう。
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2008年11月23日

経済成長の終焉−通貨システムでの対応

 Gail the actuary(ペンネーム)女史が投稿をしたとThe Oil Drum(ドラム缶)で紹介していた記事が短くて大事そうなので全文を仮訳しておきます。
An Overlooked Detail - Finite Resources Explain the Financial Crisis
見過ごされた細部−資源の有限性で金融危機を説明できる
http://www.theoildrum.com/node/4770

−−−
 この世界は有限である

 私たちは皆、世界が平らではないことを知っている。平らな地球を主要な前提条件として使ったモデルを作ったなら誰でもそれを笑い飛ばすだろう。

 私たちはまた、世界は無限ではないことを知っている。地球とその大気中の原子の数は有限である。汚染物質を吸収する大気の能力もまた限られている。土壌が繰り返される不適切な使用に絶える能力は限られている。再生可能ではない資源の量は限られている。

 化石燃料、なかでも石油は特に問題である。資源量は膨大ではあるものの、われわれが容易に採掘できる石油、天然ガス、石炭を採掘し終わった後では採掘の費用(化石燃料資源と労働力、きれいな水にかかるもの)が大幅に増加している。
(エタノールや太陽電池などの)代替品は(化石燃料資源と労働力、きれいな水にかかるものは)高価である。そして化石燃料を代替するために必要な量をかき集めるのも難しい。

 有限な資源だが成長は果てしない

 有限な世界という明確な問題にも関わらず、金融コミュニティは、経済成長は善であり実際にいつも期待されているという信念を中心においている。その帰結として、レバレッジは善である。われわれの金融システムは債務と非常に密接につながっており、貸し出しが停止したなら、急ブレーキがかかるだろう。
 われわれの銀行と保険会社は貸し出しに頼っている。銀行は貸し出しを主な収入源としており、保険会社はバランスシートの資産側の多くを債権の形で保有している。

 一体どうやって、果てしのない成長が可能であるとわれわれは信じ込むようになったのだろう?一つには、単純に過去の延長ということによるのだろう。成長は産業革命から続いている。エネルギー資源との関連はその間ずっと続いてきた。産業革命は商品の生産を安価にするために石炭をつれてきて、その後石油、天然ガス、ウランが追加のエネルギー資源として加えられた。世界のエネルギー使用は実質的には中断することなく長期間にわたって増加し続けた。

 またもう一つには、エネルギーの寄与を無視し、そしてもちろん有限の世界にいるという事実を無視した経済モデルを通じて、私たちは 終わりのない成長という考えを正当化してきたことがあげられる。

 この種の経済モデルには、労働と資本の寄与を考慮したソロー/スワン成長モデルと、労働と資本、生産性を考慮したコブ/ダグラス生産関数が挙げられる。このモデルのどちらも有限性を考慮してはいない。

 エネルギー資源と経済成長のあいだのつながり

 ロバート・エアーズとベンジャミン・バールは2004年にエネルギー資源と経済成長のあいだに密接なつながりがあることを示した(英文pdf文書)。エネルギー消費の成長とエネルギー効率の向上の両者を盛り込んだ経済モデルを使ったとき、米国の1900年〜2000年までの主要な経済成長の大半を説明でき、1975年以降に12%程度の残差があるだけであることを発見した。(訳注:ディビッド・ストローン著の本「地球最後のオイルショック」にも詳しく出てきましたね。)

 単に常識に従っても、成長のために、そして単に経済が回り続けるためだけにもエネルギー資源が必要であることが分かる。
ディーゼルとガソリン、電力なしに私たちができる経済活動はほとんどない。
 常識に従えば、ソロー/スワン成長モデルとコブ/ダグラス生産関数のようなモデルは不完全なものだ。

 私たちは限界に到達している

 私たちが使っているどんな種類の資源についても、それらは私たちがより多く使うようになるにつれて、単に枯渇するのではない。むしろますますそれらは採掘するのが難しくなるのだ。鉱物資源の場合であれば、鉱物の濃度はますます低くなる。鉱山はますます深くなっていく。化石燃料はますます質が悪くなり、急速に採掘し難くなる。

 長いあいだ、減耗は実際の問題とはならなかった。資源は非常に多く、化石燃料のエネルギーから得られるレバレッジは非常に大きかったため、(石油、天然ガス、石炭、ウラン、銅、、リン、金、プラチナ、インジウム、ガリウム、淡水、その他数多く)ほとんど何でも望むものを必要な量だけ非常に安価に採掘することができてきた。

 最近数年間で起こったことは、これらの資源の多くがより採掘が難しくなる地点に到達し始めたということだ。2007年4月、ロイヤルダッチシェル社とフランスのトタル社のCEOは「簡単な石油」の日々は終わったと語ったと伝えられる。
ちょうど先週のこと、国際エネルギー機関(IEA)は「世界のエネルギーシステムは分岐点に差し掛かっている。現在のグローバルなエネルギー需給の傾向は、明らかに環境的にも経済的にも社会的にも持続可能ではない」という言葉で始まる報告書を公表した。

 現在の経済危機

 今や私たちは、化石燃料とすべての種類の鉱物が限界に到達しようとしている地点に来ているからには、もし経済が過熱し始めるなら多くの商品の価格は急上昇し始めることを知っている。
この一部は限られた資源をめぐる競争である。一部には限界に到達しているための資源の採掘コストの高騰がある。
食糧価格も同様な影響を受け、一部には機械のための石油と窒素肥料のための天然ガスが食糧生産のために使われており、一部には、エタノールのためのコーン生産との競合が価格を押し上げているためである。
 一端食糧と燃料価格が上昇すると、人々は負債を返すのが難しくなり、債務不履行が増える。いまや債務不履行は経済を通じて急上昇している。銀行は財務状況が悪いため、貸し渋りを始めている。信用の欠如によってより直接的、間接的な商品の買い手が(たとえば石油天然ガス、ウラン、銅など)多くの製品を購入することが難しくなっている。価格は比較的弾力性が低いため、広範な種類の製品の価格は急降下している。

 これらの商品価格の低下は、新たな商品生産にとって(正の)フィードバック効果をもたらす。
 エネルギー安全保障ジャーナルにまもなく掲載される予定の原稿において、私は信用危機とその結果としての商品価格低下が(化石燃料、再生可能エネルギー、ウランなど)すべての種類のエネルギー商品の計画生産の減少につながることを示した。
結果として、もし経済が再度過熱し始めれば、再度商品価格も次のラウンドの上昇を始めることになり、もちろん、これは次のラウンドの債務不履行につながる。

 解決策は何だろう?

 有限な世界にいる私たちは、自分自身が横ばいあるいは衰退する経済の中にいることにまもなく気が付くだろう。というのは単に、大きな価格スパイクと続いての債務不履行、次の信用収縮と商品価格崩壊、というサイクルを引き起こさないで成長を続けるための、容易に採掘可能な資源がないからである。

 私に分かる唯一の解決策とは、債務に基づいておらず、成長することを期待できない新しい通貨システムを作ることだろう。理論的には、それは資源が少なくなり経済が自然に縮小するにつれて減少するものであるだろう。

 横ばいあるいは衰退する経済では、長期債務はもはや意味を持たない。借り手が利子を添えて借金を返済できる可能性はかなり低くなる、なぜなら全体としての経済システムが成長せず、利子支払いのための余剰な利益を生むことをしないからだ。

 借り手が20年間の不動産ローンを支払うためには、彼が定期昇給と補助を得ているときの方が、彼の雇い主が企業のリストラと労働時間短縮をしているときよりもはるかに簡単である。

 どうにかこうにかして、商業取引のための非常に短い債務以外の債務なしで動くように通貨システムを改造することが必要である。さらに加えて、私たちは作り出してしまった債務の泥沼から抜け出す必要がある。
 今は存在する資源で賄えるよりもはるかに多くの債務と、社会保障と医療保障などでの果たすべき約束がある。

 新しい通貨システムに転換するに際して私が想像できる唯一の方法とは、新旧の通貨システムを併用する期間を経ることだ。
新通貨は、当初は食糧とエネルギー商品のための(ある種の配給システムのような何か)限定的に供給されるものであるだろう。人々はそれぞれの通貨システムでいくらか支払いを受けるだろう。結果として新しい通貨システムは、現在の問題が深刻なシステムに取って代わるのだろう。
−−−続きを読む
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2006年10月01日

キューバとピークオイル関連HP

吉田太郎さんが作っている、『キューバの農業』 のホームページの中に、「キューバの再生可能エネルギー」

の各種の翻訳記事があります。
(このホームページのリンクはすべて画像か左端の●や▲のボタンに貼られていますので要注意!)

 ここのページの中の関連記事は主に、ピークオイル問題に関心のある米国のコミュニティ・ソリューションといったNGOが書いたものの翻訳でして、米国国民の目から見た、ポストピーク時代の先進例ともいえるキューバの社会的な対応の事例を紹介し、やればできるんだという希望の種にしようとしているもののようです。

キューバから何を学ぶか
http://www14.plala.or.jp/Cuba/Cubaene20040500.htm
キューバから何を学ぶか
http://www14.plala.or.jp/Cuba/Cubaene20040917.htm
キューバから何を学ぶか
http://www14.plala.or.jp/Cuba/Cubaene20060428.htm

ピーク・オイルをコミュニティで解決
http://www14.plala.or.jp/Cuba/Cubaene20050427.htm
コミュニティの力で石油危機を克服
http://www14.plala.or.jp/Cuba/Cubaene20060427.htm
コミュニティの力で石油危機を克服
http://www14.plala.or.jp/Cuba/Cubaene20060505.htm

キューバと北朝鮮のピーク・オイル
http://www14.plala.or.jp/Cuba/Cubaene20060801.htm続きを読む
posted by おぐおぐ at 21:34 | TrackBack(0) | 需要側対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月05日

ピークを打ち下り坂を歩き始めた人口の意味

 昨年起こった日本の社会現象の中で一番重要なトレンドは、ちょうど日本の人口減少が始まったことでしょう。
この日本の総人口がピークを打ったことをきっかけとして、ピークオイル問題もそういうことがそもそもありうるのだとアナロジーしやすくなっているかもしれません。

 さて、新聞などをつらつら読むと、人口減少の原因は政府が少子化の対策を行ってこなかったための失敗として受け止められているようですが、もう少し一般化した説明も必要です。

以前本で読みましたが、古田隆彦氏の『人口波動で未来を読む』人口波動研究室 より、日本の人口予測の図一式を紹介します。(但し1996年当時のものですので、現在の予測ではさらに前倒し、急低下になっています)
本の中ではこの内の最初の「図 ロジステイック曲線とその修正」はなぜ起こるのかをおおむね以下のように説明していました。

 ロジスティック曲線とは生物集団の人口増加を説明できる曲線なのですが、人間の場合は寿命がその変化期間に比べて長いのでオーバーシュートし、修正ロジスティク曲線となるのだ、ということでした。
つまり、まず死亡率が低下し、その後出生率が低下するという形で人口安定期→増加期→安定期と遷移するところが、増加期に生まれた人が死ぬまでの間は過渡的な過剰人口のピーク期間ができ、その後かなり減少してから再度安定化するのだ、というのがこの曲線のいわんとするところです。
つまり人口ピークがありその後減少することそのものは、死亡率が低下しその後出生率が低下するという一般的な変化だけで十分説明がつくことなのです。

 もちろん、近年の合計特殊出生率が下げ止まりを見せないことは、こどもへの福祉政策や結婚や出産を阻害する要因など各種の社会的ひずみがあるためであると各分野の論客が強調しており、それぞれ新聞を賑わせています。
それらの論も間違いというわけではないでしょうが、特殊日本的な問題に対してどの分野の対策を行おうが、この修正ロジスティク曲線そのもののトレンドをひっくり返す要因にはならない、ということは重要です。続きを読む
posted by おぐおぐ at 09:28 | TrackBack(1) | 需要側対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月26日

【本の紹介】有機農業が国を変えた

【コメント】
”キューバの有機農業について理解を深めていく中で、常に筆者の脳裏に浮かんでいたのは、日本と似ているということだ。どちらも米が主食で、水田を持つ。モンスーンとハリケーンという違いこそあれ(ないない)、多雨のもとで同じように雑草と病虫害に悩まされる。自給率も、有機農業へ転換するまでは日本とあまり変わらなかった。”(あとがきより)

 著者が1999年から継続して出かけていった「キューバ有機農業視察団」や取材を通じて得たキューバの有機農業の全体像をかっちり文章にした一冊です。
 1991年の旧ソ連崩壊後の油断・経済封鎖状態(スペシャル・ピリオド)を耐え抜いて10年足らずの間に有機農業による自給国として驚くべき大転換を達成したキューバの農業全般についての解説書となっています。

 ピークオイル論者の間でもこのキューバの経済危機を耐え抜いた事例はソフトランディングの成功例として高く評価されているそうですので、どのような転換が行われたかの全体像を一冊で知るためにはこの本はお勧めです。

「サトウキビ農地以外の農地の8割が有機農業や環境保全型農業で営まれており、経済危機までは130万トン輸入されていた化学肥料はいまでは約16万トン輸入されているだけ」

「日本の場合、1haあたりの化学肥料使用量は1158kg、農薬使用量は1haあたり71.4kgだ。これに対してキューバの場合、化学肥料は48kg、農薬については輸入量で計算すると2.45kgである。」

といった状況を聞くと勇気のようなものも沸いてきます、日本の場合は人口密度などからしても自給は無理でしょうが…。


有機農業が国を変えた―小さなキューバの大きな実験
出版社/メーカー:コモンズ
価格:¥ 2,310
ISBN/ASIN:4906640540
Rating:★★★★
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posted by おぐおぐ at 16:03 | TrackBack(1) | 需要側対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月22日

対策編:需要サイドその1

対策編:需要サイド(その1)には、エネルギー需要側の対策についてコメントをいただければと思います。

ジャンルは以下のものくらいでしょうか。

・機器の効率向上(efficiency)

・節約(conserve,reduce)
石油ショック時のエコライフ提案を見返す もどうぞ。

・エネルギー収支比(EPR)の悪化しきったエネルギー開発を取りやめる

・消費の増加をもたらす開発(高速道路建設、スプロール化、高層ビルの拡大など)を都市計画を通じて止める

(姉妹ブログ「温暖化いろいろ」の省エネルギーのカテゴリー も参考にご覧下さい。)続きを読む
posted by おぐおぐ at 07:02 | TrackBack(0) | 需要側対策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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