2008年10月29日

本日の二階経産大臣発言録その2

 後任の二階経産大臣の発言も引いておきます。
http://www.meti.go.jp/speeches/index.html
ピークオイルについてはいつになったら語り始めるのでしょう、11月のIEAの報告書が出てからでしょうか。

●平成20年10月28日(火)
9:55〜10:16
於:記者会見室
 景気の状況は、いまさら私が申し上げるまでもないことでありますが、この事態が中小企業にどのような影響を及ぼすかということを、緊張感を持って対応してまいりたいと思っております。株式、為替市場の大きな変動が景気に及ぼす影響等を、我々もさらに厳しく緊張感を持って対応してまいりたいと思っております。

 昨日、総理から政府・与党に対して金融機能強化法に基づく公的資金枠の拡大検討、さらに空売り規制の強化等の具体的なご指示がありました。今般の施策によって、金融機関の財務基盤が強化されることを通じ、我が国金融システムが健全に維持され、企業への適切な信用供与につながるものと認識いたしておりますが、この状況は慎重によく情報を収集して対応していきたいと思っております。経済産業省としては、当然のことでありますが、23日に出された総理の追加指示も踏まえて、近く策定される新しい経済対策の取りまとめに向かって、目下しっかりと取り組んでいるところであります。

 次に、ガソリン価格の問題について、この前もお尋ねいただきましたが、厳しい経済情勢の中にありますが、原油価格が異常な高値で推移しておりました夏頃に比べれば、大幅に下落していることは、国民生活や日本経済にとってプラスの要因であると考えております。原油価格の下落を反映して、生活と密接に関係する石油製品の価格も下落を続けております。具体的には、ガソリン価格や灯油価格は、10週以上にわたって連続して下落しているわけであります。これで家庭にどんな影響があるか、幾ら程度の影響があるか、こうした詳細な数字については、後ほど詳しくご説明をいたしますので、大変関心の深いところでありますから、家計負担の軽減にどのように影響をもたらすかということをよく聞いていただきたいと思います。

 ガソリンが1リットル当たり10円下落した場合には年間で5,000円程度、灯油では年間3,000円程度、一世帯当たりの負担がそれだけ軽減されるわけですが、本年8月の最高値の水準から、ガソリンは28円、灯油は20円安くなっているわけであります。仮に、現在の価格のまま推移するとしても、夏頃に比べて一世帯当たりで年間2万円程度の負担が軽減されるという見通しであります。

原油価格の動向は予断を許さないところであります。引き続き原油市場の安定化のために、あらゆる機会をとらえて産油国と消費国との対話を進めるなど、資源外交を粘り強く推進してまいりたいと思います。前に私は小泉内閣の当時に、産消対話の共同議長を務めたことがありますが、その共同議長のパートナーが、カタールのアッティーヤ副総理でございまして、近く来日されるということになっておりますので、このチャンスを捉えて、しっかりと資源外交について協力を要請してまいりたいと思っております。ガソリン、灯油の値段等の細かい資料は後ほどお配りして、事務方より詳しくご説明をさせていただきたいと思います。

 また、今日は閣議後の閣僚懇談会で、私から冬季の省エネルギー対策について発言をいたしました。このことについては、各閣僚に対して政府自らの取り組み及び国民の各界各層の皆様にご協力をお願いしなければいけないことでありますから、冬季の省エネ対策の強力な呼びかけを行っていただくように、お願いを申し上げてまいりました。

具体的には、暖房のエネルギー消費が、冬はどうしても増えてくるわけでありますが、暖房中の室内温度、政府は19度とし、民間は20度とすることを徹底したいと思っております。来年4月から施行される改正省エネ法の周知徹底、さらには、後で実物を持ってきますが、白熱の電球から電球型のいわゆる蛍光ランプへ切りかえますと、一時は切りかえのための料金は必要なのですが、その後、電気料金が低く抑えられますので、これをご家庭にも活用していただくようなことをお願いしていきたいと思っております。断熱性能表示ラベルの活用や冬季の省エネルギー対策についてあらゆる知恵を絞って、国民の皆様のご協力をお願いしたいと思っております。ですから、詳しく後ほどまた説明をさせていただきます。

 いまのエネルギーの問題について、OPECの減産決定についてでありますが、まだ私のほうとしては、納得のいく確たる報告がなされているわけではありませんが、新聞、テレビ等で既に皆様もご承知のとおり、OPECの臨時総会が、先週24日(金)に開かれたわけでありますが、日量で一時は100万バレル、あるいはまた200万バレルというようなことが話題として上がっておりましたが、結局日量150万バレルの生産量の目標の引き下げということで合意をされたようであります。しかし、OPECは同時に引き続き十分な量の供給を確保し続ける、そして世界経済にとって好ましい価格を維持するということをコミットしているところでありますが、先ほど申し上げましたカタールのアッティーヤ氏もOPECの前議長でありますし、有力者でもありますから、じっくりお目にかかって話し合いをしたいと思っております。産消対話ということを前々から申し上げておりますが、こういう機会をとらえて産油国への働きかけをしっかり行ってまいりたいと、外交ルートを通じても、あるいはまた私どもの出先の各機関を通じても、我が国の状況を伝え、ご理解を得る努力をお願いしたいと思っております。

 前にも申し上げたかと思いますが、我々のところで省エネルギー、新エネルギーの努力をしている一環として、新エネルギーパークというのをやっておりますが、これらに、偶然産油国でありますが、中東各国の大使の皆様に、一度日本のそういう現場、現状を見ていただきたい、日本はここまで努力しているのだということをよく見ていただきたいということを、私は前にお願いをしていたのですが、最近に至って、12月に入ってから6カ国の大使が一緒になって、そういう地域を訪問したいというお返事をいただいておりますので、そういう機会も活用して、我が国がエネルギーについてどれほどの努力をしているかということについても、ぜひご理解をいただくように努めたいと思っております。

 私のほうからは、以上でございます。

質疑応答
円高・株安
Q: 冒頭にもお話をいただいているのですが、円高、株安についてですけれども、昨日、緊急対策というのを打ち出しましたけれども、日経平均はバブル後最安値を更新してしまって、その後かなり底が見えないといったような状況にあるかと思うのですが、日本経済に与える影響というのはどのようにお考えでしょうか。

A: 実体経済に極めて厳しい環境といいますか、状況に置かれている今日でありますが、我々経済産業省として取り組むべきことは、一にも二にも、ここは中小・小規模企業の皆様、いわゆる420万社からありますこの企業を守るといいますか、積極的にこれらの企業の皆様が、元気を出して次なる目標に向かってチャレンジをしていただくという場面の対策を講じなければならないと思っております。いまご案内のとおり、9兆円の枠でもって特別保証と緊急融資ということを考えているわけですが、私はいまのこの状況から見ますと、また同時にこれは8月のころに我々のほうで考えて、こういう要求をしたわけであります。そのときは、経済産業省は少し思い切ったことを言われるなという雰囲気でした。ほかの省庁からは、特に補正予算について要求は出ておりましたが、そんなに大きなものが出ていたわけではありません。ですから、経済問題を論ずるときには、経済産業省の分がどうだということがいつも最初に話題にのぼったわけですが、私はそのときは9兆円で十分とは申しませんが、一応の対策はこれで打てる、一応中小企業の皆様が路頭に迷うようなこと、あるいは融資の問題で大変お困りになったというようなことだけは回避できるのではないかと考えた時点もありますが、今日この状況を見ますと、とてもそんなことでは間に合わないのではないかという声が非常に多くなっておりますし、私もそう思っております。従って、これから与党あるいは与謝野経済担当大臣等ともよく打ち合わせをし、また中川財務大臣とも連携をとって、次なる目標といいますか、経済産業省としてはこの時点で如何にすればいいかということに対して、相当思い切った対策を考えなくてはならないと思っております。先般来、麻生総理からも中小企業の問題に対しては、くれぐれもよろしく頼むということを言われておりますから、総理の期待にもこたえて、中小企業の皆様に対する対応を、これからいろいろな方々との調整に入りたいと思っております。続きを読む
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2008年08月27日

本日の二階大臣発言録その1

 甘利経産大臣の発言録と同じく、後任の二階経産大臣の発言も引いておきます。
http://www.meti.go.jp/speeches/index.html
(ピークオイルはワシントン・ポストでも紹介されちゃってますよー。)
いつになったら語り始めるのでしょう、11月のIEAの報告書が出てからでしょうか。

●平成20年8月26日(火)
11:38〜12:07
於:記者会見室
(二階大臣、初めてですが、現在の状況認識として「第3次オイルショック」という言葉を使いました。)

(閣議/閣僚懇)
 まず、今日の一番大事な問題、安心実現のための総合対策についてご報告をしておきたいと思います。

 これは目下引き続いて政府・与党で精力的に検討を進めておりますが、先ほども閣議終了後、総理と私たち経済関係の4閣僚で、これまでの作業状況等について、また今後の段取りについて話し合いを行いました。

 昨日はご案内のとおり、この福田内閣の新しい体制になって初めての経済財政諮問会議でありましたが、私のほうからは省エネ、新エネを梃子にして構造改革を行いつつ、いま直撃を受けている中小企業等の皆さんに対する金融対策等をしっかり講ずるべきだという意見を申し上げた次第であります。

 なお、大企業が下請け企業に対して、例の下請代金支払遅延防止法というのがありますが、実際にこれがどこまで機能しているかということを考えるときに、代金支払いを早くしようということを、経済界からむしろ関係の皆さんに呼びかけていただいて、そして下請代金等については、少しでも前倒しででも払ってあげていただけるような機運をつくってもらいたい、ということを申し上げた次第でありますが、出席の経済界の皆さんからもおおむね賛同をいただいたと考えております。月内に予定されております取りまとめに向けて、私たちはこの総合対策について、経済産業省も重要な立場でありますから、しっかりした対応、そして福田内閣として国民の皆さんにこの表題のとおり、安心実現の総合対策となるように努めてまいりたいと思っている次第であります。

 なお、私は明日からシンガポールで開かれます日・アセアン経済大臣会合に出席する予定でありますが、WTO等では重要な役割を果たしておりますインドのナート商工大臣、豪州のクリーン貿易大臣等とバイの会談が予定されておりますので、これらについてもしっかりした対応をしてまいりたいと思っております。
テーマは大きく分けて3つあろうかと思います。
・・・
 2つ目は、エネルギー・食料価格の高騰などへの対応であります。
 各国共通の課題として、東アジア地域全体でこの緊急課題に対して、お互いに知恵を出し合っていきたいと思っております。また、ERIAがここで活用をする大きなチャンスをいただいているとも思っておりますので、私たちはこの16カ国の連携を軸にして打開策を考えていきたいと思っております。
 なお、先ほど申し上げました総合経済対策の取りまとめでございますが、明日もう一度4大臣の会合を持とうということであります。私はその会合に出席の後にシンガポールに向かって出発し、29日金曜日にいわゆる財源等のことも考慮した一つの考え方が出されると思いますので、その総合対策の取りまとめに間に合うように、国際会議を少し早めに切り上げて、帰国をするという予定でありますが、しっかりと対応してまいりたいと思います。

(質疑応答)
【総合経済対策】
Q: 総合経済対策ですけれども、政府の原案がまとまったと思いますが、経済産業省として現時点で考えているメニューについてお聞かせください。

A: 私たちは、当初からこのたびの経済対策においては、あくまでも中小企業を中心とする地方経済の活性化も含めて対策を講じなくてはならないと思っております。経済産業省の任務は何も中小企業だけではないわけですが、比較的自力で頑張っていただける大企業の皆さんに比べて、中小企業はやはり政府がある程度バックアップをしなければならないということもあります。同時に、大企業の繁栄を持続していくためには、下請けを担当する中小企業の皆さんが元気であることが大事でありますから、そういう意味で中小企業対策に重きを置いている次第でありますが、今回の事態を受けて、融資の面で相当バックアップをしたいと考えております。

 あとはよく言われるバラマキとか何とかという批判だけを意識する必要はないかもしれませんが、私たちは投資をしたものが日本経済の発展、それぞれの地域の躍進、そしてまた、企業の皆さんの繁栄にもつながるような形の経済対策を打っていくことが大事であって、政府が助成をしたが、大した実績、効果があらわれなかったというようなものは極力避けるべきだという基本に基づいて、我々は今度の対策で効果の上がるもの、効果が期待できるものを考えて対策を打っていきたいと考えている次第であります。

 また、当省としては大変力を入れております環境の問題、そして省エネルギーの問題、これらに対して、いま我々は世界の最先端を行くということをみんなが言ってくれているわけでありますが、このことを一つの強み、これを梃子にして我々は日本経済のさらなる躍進のために頑張っていけるチャンスにしたい。いま非常に難しい状況でありますが、我々経済産業省はこれを引っ張って、やがてもう一度日はまた昇る、第1次オイルショックも第2次オイルショックも国民の皆さんと協調し、結束をして我々の先人たちはこれを乗り越えてまいりました。大変尊いことであったと思います。その結果どうなったか。日本は前よりも進んだ技術力と経済力でもって、国際社会にも認められるような国家として躍進を続けてきたわけであります。我々はそれらの先人たちのご努力の経過をたどるときに、この第3次オイルショックとも言うべきこの事態を乗り越えられないわけはないと、こういう決意でもって対応していきたいと思っている次第であります。

 また、皆さんや皆さんの先輩たちにもご協力をいただき、我が省が相当の努力を尽くして作成した「新経済成長戦略」なるもの、今日のエネルギー価格の高騰、あるいは資源、食料、いろいろな問題が山積するこの中において、新経済成長戦略の描くところと、どこがどう異なるのか、基本的な考え方は持続していくことは当然でありますが、同時に私たちはいまの事態においてどう対応するかということなどを十分考えて取り組んでいきたいと思っております。

 また、新しい経済政策等についても、総理のほうにもお考えがあるとの報道がなされておりますが、我々はこの福田構想と「新経済成長戦略」との間に、お互いに協調できるようなことを考えることは当然のことでありますが、総理のそういう10年、20年先を見越した壮大な計画に対して、我々も現下のこの状況を乗り越えるために、「新経済成長戦略」はしっかりと整合性のとれる形で頑張っていきたいと考えているところであります。

Q: いまのお話で、中小企業のお話に関連してなのですが、資金繰り支援で新たな保証制度を検討しておられるという一部報道がありましたが、どのようなことをお考えですか。

A: いまいろいろな視野から、中小企業対策ということを考えておるわけでありますが、同時にこの10月1日から、ご案内のとおり私たちの中小企業金融を担う各部門が民営化をされるというときでありますだけに、しっかりとした中小企業の金融がおろそかにならないように、関係者の皆さんの積極的な協力を求めてまいりたい。私は民営化の問題を推進するに当たって、中小企業団体、その他の皆さんとご相談する際に、本当に困ったときに頼れる中小企業金融というものを成り立たせなくてはならないということを基本に置いて、当時小泉内閣で取り組んでまいりましたが、いまいよいよこの福田内閣において10月からそうした新たなことがスタートするわけですが、そういう精神はしっかりと受け継いで、関係者の皆さんの奮起をお願いしたいと思います。いまご質問にあった点については、いま内部で検討している最中でございますが、できるだけ時代の流れに沿うような中小企業金融に対して、あるいはまた中小企業の皆さんが活躍しやすいような舞台をつくっていくために、保証問題等に対して意を用いていきたいという考えは持っております。

【新経済成長戦略】
Q: 新経済成長戦略の改訂なのですが、どのようなタイムスケジュールでまとめることをお考えなのでしょうか。

A: こういう状況の中で方針の転換を図るのかという点が、お尋ねの中にお気持ちがあろうかと思いますが、私どもは基本のところはきっちりと継続し、持続的に将来の発展の方向へ持っていきたいと考えておりますが、皆さんもご承知のように、今日の原油の問題、あるいはまた各資源の問題、そして農業を営んでいく上における肥料その他の材料が、予想をはるかに超えるような状況で高騰をしているこのときに、我々は新経済成長戦略の目指すものと、現下の状況との間に乖離があるとすれば、我々はどこをどう修正していかなくてはならないか、これは積極的に対応していかなければいけないと思っております。

 ご質問のように、私はできれば今月内くらいに皆さんにお問いかけができるようにいたしたい。昨日も私は経済財政諮問会議において、この改訂をまとめるに当たって、経済財政諮問会議にもご意見を伺う機会を持ちたいということを申し上げましたので、それらの日程等をあわせれば、9月頭といいますか、できれば一日も早いほうがいいと思っておりますが、そういうときに改訂版を世に問うことができるようにいたしたい。そしてみんながもう一度気持ちを新たにして、日本経済を成長、発展の方向にご努力をいただくようにお願いしたいと同時に、経済産業省はそのようなことに対して省を挙げて懸命な取り組みを行っていきたいと思っている次第であります。従って、できれば9月初旬にそれができればいいなと私は思っております。続きを読む
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2008年08月02日

本日の甘利大臣発言録その8

 甘利経済産業大臣の閣議後大臣記者会見の概要
http://www.meti.go.jp/speeches/index.html
 から、最近の発言を逆順に掲載しておきます。

 結局甘利経産大臣はピークオイル問題を公式の場で発言することなく、大臣のイスから離れることになりました。後任の二階俊博大臣の発言も続けて紹介するかどうかはまた様子を見てからにしましょう。

●平成20年8月1日(金)
14:30〜15:12
於:記者会見室

 それでは、先ほど辞表を提出してまいりました。

 今日が8月ですから、月数で言いますと1年と11カ月、経済産業大臣として経済産業行政の陣頭指揮をとってきたわけであります。

 私がここに就任しましたときに、とかく役人バッシングの中でどうやって日本を率いていく重要官庁の職員諸君のモチベーションを上げるかということを、まず思い至ったわけであります。この役所というのは、言ってみれば国富を生み出す官庁、つまり日本を豊かにしていくことを使命としている官庁であって、豊かにした資源を各省が使っていろいろな行政を推進していく。だから、我が省がなければ、ほかの行政はないのだということを肝に銘じて、我が省なければ国家は存在せずというぐらいの思いで、困難に立ち向かってほしいという話をしてきたわけであります”

 ”資源外交について言えば、私は就任してすぐ、国が前へ立たなければ、これは絶対遅れをとる問題だ、もう遅いかもしれないと思っておりました。日本は市場があるのだから、民間が買ってくればいい。スーパーマーケットで何でも売っているから買えばという状況でしたが、資源の現場で見てとてもそんな状態では勝てない。上流に荷担していなければ、これはどうにもならないということは案の定わかったわけであります。そして、石油から始まって石炭、天然ガス、そして重要なウラン資源、これで感慨深いのは、カザフスタンで2時間大統領と差しで話をして、その15分後に、「OK、日本の主張はわかった」ということで、必要量の三、四割について我々が供給しようというコメントが発せられて、翌日が休日であるのを大統領令で取りやめて、それは日本との交渉のために休日を平日に変更してしまって、それで24本の契約を結んで帰ってくることができたということです。

 中央アジアであるとか、あるいはアフリカ、レアメタルが世界を制するというときに、石油以上に資源国が特定の国に偏ってしまっている、これは早く手を打たないと、まさにエネルギーも産業の血液だけれども、レアメタル、レアアースに至っては産業の素材そのものだという危機感で出かけていったわけであります。中南米の訪問につきましても、実はブラジルのルーラ大統領を初めとする首脳との会合が、今回のWTO交渉でも日本の不利な点を相手に多少なりとも応援をさせるためには、大きな前提になったというふうに交渉の過程で痛感をいたしました。”

 温暖化・エネルギー関連ではセクトラルアプローチをねじ込む外交をやったことを、最も重要と考えているようでした。


つづく
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2008年06月24日

裸の王様の発言

 北畑経済産業事務次官−退任間近だそうですが、もちろんこの方がバカだからこんな発言をしている、と思っているわけではありません。
 経済官僚のトップとして、こういうことを言わなければならない立場はお気の毒でありますが、批判の槍玉に挙げられるのがトップの役割でもあります。

「次官等会議後記者会見の概要」から、特徴的な今回の会見だけ引用しておきましょう。

●平成20年6月23日(月)
15:03〜15:16
於:記者会見室
(質疑応答)
【原油価格高騰】
Q: サウジアラビアのジェッタで開かれた産油国消費国閣僚会議ですが、投機資金の監視強化なども含めた声明を打ち出して、サウジも一定の増産方針を示したようですが、今回のサウジが示した対策、あるいは声明などが今後の市場にどのような影響を与えそうか、今回の会合の成果も含めてお願いいたします。

A: 大変意義のあった会合だと評価しております。最大の産油国のリーダーでありますサウジアラビアがこういう形で招集をして、主要国の閣僚が出席、イギリスは首相まで出席し、こういう会合が開かれたこと自体が、歴史的にも非常に画期的なことだったと思います。

 それから、いまご質問の中でおっしゃった共同声明、これはサウジアラビア、OPEC、IEA、IEF、この4者の共同声明ということですけれども、こういう形で共同声明が出たというのも、これは今までなかったことです。OPECは産油国側、IEAは消費国側、IEFは産油国、消費国両方入っていますけれどもフォーラムという形であった。この3つの国際的な機関に、産油国のリーダーのサウジが参画をして共同声明をまとめたということは、象徴的なことだと思います。甘利大臣が産油国と消費国は同じ船に乗っているのだという「同じ船論」をずっと言っておられたわけですけれども、そういう産油国と消費国の対話から、共同声明を出して共通の行動ができるというところまで進化をした、甘利大臣の言っておられる「同じ船論」が具体的な姿を持ってきたという意味で、非常に意味があると思います。

 原油価格にどういう影響を与えるかということですけれども、原油価格高騰の議論にはいろいろありますが、青森で現在の価格水準は異常だという認識が共有されたということでありますし、今回の共同声明でも、原油価格の高騰は世界経済に有害だと、特に最貧国にとって問題があるという認識を共有した、共通の認識ができたということが第一点です。

 それから、価格の高騰は需給の問題と投機資金の問題、この2つあるというのが我が国の主張であり、主な国もそう言っておるわけです。まず需給のほうから申し上げますと、これは中国、インド等の新興国が今後とも石油を大量に消費する、それに対して供給が必ずしも十分ではないかということが価格値上がりの大きな理由になっているわけですが、この中でサウジアラビアが産油国として率先して必要があれば1,500万バレルまで拡大をするということを表明したというのは、かつてないことだと思います。

 サウジアラビアの過去の生産の実績を調べたのですが、80年代に990万バレルまで生産を拡大した実績があるのですけれども、その5割増し以上になるわけです。世界の需給が逼迫するのであれば、サウジアラビア1カ国でもここまで増産をするという姿勢を示したというのは、中長期的な需給の問題に大きな影響を与えることだろうと思います。

(王様は言う、 OPECは増産をしないと金の卵が割れてしまう! と。)

 それから、投機資金の動きについては、JODI(ジョイント・オイル・データ・イニシアティブ)と言いますが、産油国がいろいろなデータをIEFの元で整理し発表しているわけですけれども、この中に上流、下流の能力拡大計画を盛り込むということです。

 それから、石油市場の動向、見通しや金融市場の部分についても分析をすることになっており、このJODIの機能拡大と投機資金、需給動向の分析を強化するということは、わずかな事実で価格が暴騰するという部分に対する対抗力になります。

(王様は言う、 投機筋こそが口先介入のPKOを発動しているのだ! と。)

独立記念日にアメリカ人がドライブに出るからという情報が、世界中の原油を10ドルも上げるというのは、いかにもおかしい。正確な需給のデータが出てくる、あるいは投機資金について分析が行われるということは、そういう動きに対する対抗力になり得る。投機資金の規制についても言及があり、報道されていますけれども、このJODIのデータも含めて、投機資金対策になっています。

 したがいまして、いますぐ直ちに下落するかと言われたら、これはいろいろな要因があるので、そうはならないかもしれませんが、確実に下がる方向に動いていく。個人的見解ですが、140ドルを突破して200ドルにいくとか、そういう分析はいまやもう非現実的になり、これ以上大きく上がるということは、無いのではないかと私は期待をしております。

(王様は言う、 石油バブルの崩壊は近い! と。)

むしろ、サウジの会合の結果、何カ月かかるか、二、三年かかるかわかりませんけれども、正常な方向に動くことになる。経済産業省、資源エネルギー庁はファンダメンタルズ60ドルと言っているわけですけれども、60ドルに合理的な説明がつく範囲内での地政学リスク等を勘案した価格に収斂していく。後から見れば流れを変えた画期的な会合だったということになるのではないかという意味で期待をしております。

 (裸の王様が言わないのは、"Prepare Now! Peak Oil"。)
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2008年06月21日

本日の甘利大臣発言録その7

 甘利経済産業大臣の閣議後大臣記者会見の概要
http://www.meti.go.jp/speeches/index.html
 から、最近の発言を逆順に掲載しておきます。

 ピークオイル問題を公式の場で発言するのはいつになるのでしょうか。

●平成20年6月20日(金)
9:47〜10:05
於:記者会見室
 私からは3件の報告があります。
 まず、出張についてです。明日まで国会でありますので、国会の了解が得られれば、明日からサウジアラビア王国、それからクウェート国、そしてブラジル連邦共和国を訪問します。
 サウジアラビアでは、ご案内のとおりジェッタで開催をされる石油産消国閣僚会合に出席をしまして、現下の油価高騰問題をめぐりまして、産消間で率直な議論が行われるということであります。青森でのエネルギー大臣会合の議論も踏まえまして、積極的に議論に貢献したいと思っております。
 クウェート国では、首長や関係閣僚ほかとの会談を調整中であります。実現をした暁には、エネルギーを中心としつつ、幅広い分野での経済関係の強化について意見交換を行いたいと考えております。
 ブラジルでは、日系移民百周年の特別な機会をとらえまして、貿易投資促進委員会の設置、これはMOUに署名をする予定など、両国企業のビジネス機会拡大を後押しするとともに、バイオエタノール・ワーキンググループの開催など、エネルギー資源分野での協力を強化し、成果を出したいと思っております。
(質疑応答)
【石油産消国閣僚会合】
Q: 22日に予定されている石油の産油国、消費国の閣僚会合ですけれども、大臣としては、例えば産油国からどういう約束、あるいはコミットメントを引き出せれば、この会合を成功と見るのですか。

A: 一番大きな点は、設備投資を行うということ。増産をするキャパを上げていく、生産する能力を高めていくための投資が行われるということが一番いいと思っております。

Q: まだ調整中ということですが、バイ会談の設定とかはいかがでしょうか。

A: バイ会談はナイミ大臣をはじめ、主要なところとしたいと思って調整中です。

Q: 日本としてはどういった主張を展開されたいとお考えですか。

A: 原油高、これは異常な高騰ですし、それは少なくとも先般のG8+3のエネルギー大臣の間では、認識は共有されました。そして、産油国側でも、このままでは世界経済全体に与える影響が極めてマイナスに働くという認識を持つ国も出てきていると思います。

 そこで、この油価高騰の原因をしっかり分析、今回はIEA等、国際機関も入っております。彼らの分析も見解も発表されると思います。そうした分析に従って、対処策がどこまでできるかということにかかっていると思います。もちろんサウジが20万BDの増産を正式に発表しました。ただ、いずれにしてもマーケットが何を指標として、油価を決定するかというところをしっかり分析して、それに合った対処ができるということが大事だと思います。ファンダメンタルズの改善でありますから、私自身、消費国、産油国を通じて、できる投資を行うということが効果的だと思います。つまり、上流投資と下流投資、下流投資はもちろん精製能力もあります。アメリカは精製能力がハリケーン等で大分棄損したままということですから、下流投資も大事ですが、同時に下流投資は省エネ、代エネ投資が大事だと思います。需要に供給がきちんと追いついていくということを将来にわたって見通せるということが一番いいのだと思います。

Q: 油価高騰の件で、この間のエネルギー白書でも投機資金が一つ要因として挙げられているわけですけれども、この間のG8財務相会合では、IMFに分析を進めてもらうことを歓迎するということで、逆に言えば、分析の話は先のほうの話になったのですけれども、そうした中で今回の閣僚会合で投機資金の話というのはどこまで深められるのでしょうか。

A: IEAに対しまして日本が拠出をして、投機資金と市場との関係の分析をしてもらっております。そういう中身も田中事務局長から発表されるのだと思います。

 アメリカ自身が、一括りでファンドを位置づけることは危険だと思うけれども、しかし、投機をあおるような行動、市場を攪乱するようなことについては、強い警告を発していますから、適正な投資がファンドによって行われるということを妨害しないように、市場攪乱要因を取り除いていくということが、どういうメッセージでできるのか、その種の発言も当然出席者からはあろうと思います。

 産油国が、投機資金の影響であって、我々の努力の外にあるということをおっしゃっていますが、投機資金がそっちに向かうような状況を極力なくすという環境整備は、産油国にできるわけです。つまり産消対話でできることは、将来にわたってタイトにならない、使うほうを減らすような技術開発投資をしていく、それから必要に応じて増産できる設備能力を持つ、この両方のメッセージが出せれば、当然マーケットは沈静化してきます。将来にわたって上がらないものを高値づけすれば損をしますから、そういう冷静な行動を促すような環境整備をしていきたいと思います。

【東シナ海における資源開発問題】
Q: 東シナ海のガス田なのですけれども、この前も伺いましたが、まずは合意した2カ所について、いつ実際に動き出すのか、大臣としていつごろまでにしっかり動き出させたいと考えていらっしゃるのか、また残る海域の部分、その辺りの協議の見通し、その2点伺いたいと思います。

A: 2カ所あります。白樺のところは、向こう側が既に事実として開発に着手しているところに日本側が出資をするということですから、これは民間の体制が整って、交渉が始まれば進んでいくのだと思います。この上の北部地域、そこの点は条約を作って、それに基づくいわば特別法のようなもので対応していくことになります。そうした環境が整い次第、あるいはそれが整うのと並行して、両者共同による詳細な調査ということになると思います。その上で、具体的な民間法人のスキームを作っていくということになるかと思います。

 いつまでにということは、なかなか難しいと思います。いずれにしても、両国で条約を結んで、それに基づいて特別法のようなものを作ってやることになると思いますから、いずれにしても政府や国会の手続が必要になるのではないかと思います。

Q: この特別法というのは、どういったことを定める法律のイメージなのでしょうか。

A: 中国法でも日本法でもない、既存の法律でないもので、両者が共同でやる仕組みを、条約及び法律の枠組みで作るという意味です。

Q: 今回、共同開発に参加する企業をこれから検討されていかれると思うのですけれども、既に試掘権を設定している帝国石油、あるいは新日本石油の存在がありますけれども、こういったところが開発の有力候補になっていくのでしょうか。

A: そうでしょう。大変に意欲を示されておられますから。やりたいところの中から、技術的にも信頼に置けるところが担当するということになりますから、そういうことになっていくのではないでしょうか。全く他をはじいているということではありません。

【石油産消国閣僚会合】
Q: 22日の件ですけれども、産油国から安定的な供給のための投資などがあればということなのですけれども、日本としては、例えばそういう面で技術協力など、どういう協力ができるか、何か考えていることはありますか。

A: いろいろなことはあると思います。我々よりお金は十分に持っているわけですから、投資資金は潤沢にある。あとは、技術的な問題で協力する部分がどこにあるかでしょう。いろいろそういう話があれば、我が国にできることは最大限させてもらいたいと思います。

つづく
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アクターズの現状認識はこんなところでしょうか?

Actors
という、2次元マトリックスの現状認識の図をまとめてみました。

「アクター」といっても役者やのー、という意味で使っているのではありません。交渉などにおける立場をカテゴリー化したものです。
左端に考える主体が、右上に客体、相手方が位置しています。
 右下に下がる黄色に塗られたコラムには、ピークオイル論に絡めた現状認識を書いています。
 各主体の本音を書いてみれば、この石油価格高騰の中で大喜びしているのは居るとしてもせいぜい投機家くらいでしょうから、悪口ばかりとなっています。
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2008年06月18日

ロイターエネルギーサミットで出席者は語る

 ロイター配信の記事で
What they said on hot energy topics エネルギーの熱い話題について語ったこと
http://www.reuters.com/article/WealthManagement08/idUSL0211964420080610
という記事がありました。全編発言の引用なので、部分的に紹介するのもやりにくいのですが。
トピックスは3つ。

1.ピークオイル論
(ピークオイル:世界の石油生産量が頂点近くにあり、その後大幅に減少するという概念)

2.エネルギー価格予測

3.CARBON CAPTURE AND STORAGE (CCS)
炭素の回収と貯留(CCS)
地球温暖化問題の対策としてのCCSプロセスについて

となっています。

 1.を全文紹介しておきます。
−−−
OPEC事務総長
「現在も見通せる将来にも、市場での供給面の不足はないと確信している。」続きを読む
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2008年06月11日

本日の甘利大臣発言録その6

 甘利経済産業大臣の閣議後大臣記者会見の概要
http://www.meti.go.jp/speeches/index.html
 から、最近の発言を逆順に掲載しておきます。

 ピークオイル問題を公式の場で発言するのはいつになるのでしょうか。

●平成20年6月10日(火)
9:29〜9:57
於:参議院別館経済産業省控室
 それから、青森での一連の会合でありますが、各国の閣僚と現在の油価はまさに異常であり、消費国・産油国双方の利益に反するものであるということについて、強い懸念を共有いたしました。

 それから、上流・下流両方を含めた投資拡大や、特に消費国で言えば省エネ・代エネの促進等の取り組みの一層の強化、また本当の需給関係がどうなっているかということ、それからそれも含めた市場の透明性向上等について合意をしたわけであります。

 ファンドとの関係については、G8財務大臣会合があります。ここで金融の議論が出ると、これを支持するという表明をさせてもらったところであります。

 国際省エネ協力パートナーシップ(IPEEC)、セクター別アプローチの重要性、原子力等の低炭素エネルギー革新的技術開発の国際協力等、エネルギー面からの気候変動への対応についても合意をいたしました。

 特に原子力やCCSの重要性について、大多数の国から極めて強い支持が表明されました。イギリスのハットン大臣から、30年間やっていなかったけれども、原子力発電所の設置について力強く踏み出すという宣言が行われました。イタリアはいままで反対していたのですが、イタリアからも環境と経済の両立という点で原子力が有効で、我々もそちらに方向転換するという宣言がなされました。インド、中国、韓国もそうでありまして、原子力については私の予想を超えた強いコミットが各国から発せられました。

 また、CCSの重要性について、要するに途上国を含めて、世界中に賦存量の一番多い石炭を使わざるを得ないだろうと。ですから、これをクリーンに利用するということが大事だという意味でCCSは重要だということについて、認識の共有がなされました。

 それから、省エネが最も効率的な環境対策だということで、IPEEC、国際省エネ協力パートナーシップを立ち上げるということで、全員から強い意思表示がありました。これは現状自主的に目標・行動計画を立てて、省エネに取り組んでいくと。それから、技術の移転、知見の交流等の協力をしていくということであります。これに初めて主要排出国を含めた、つまり中国、インドを含めた全体のある種の意思統一が図られたわけであります。この点については、昨日我が省を訪れましたイタリアの経済大臣から、極めて画期的なことだと、初めて京都議定書に入っていないチーム、先進国で言えばアメリカ、途上国で言えば中国、インド、これが入った地球温暖化に貢献する合意が史上初めてできたということで、これは特筆すべきものだという絶賛がイタリアの大臣から昨日もありました。

 原子力も含めて、青森宣言をイタリアのG8エネルギー大臣会合では、『青森宣言』をフォローアップする会合としたいということも言われました。極めて評価が高かったわけであります。

 ここでは、『青森宣言』として発出したことをエネルギー面からも具体的な対応策を中、印、韓も含めて合意した画期的成果だと考えておりまして、サミットに向けた重要なインプットになるものと考えております。

(質疑応答)
【原油価格高騰】
Q: 青森ではお疲れ様でした。その中で、先ほどもご指摘ありましたように、金融面での油価への影響について、さらに分析を進められるということなのですけれども、これは日本や中国などはそういった点を指摘しているかと思うのですが、アメリカはかなりそういうようなものではないというふうに聞いておりまして、財務大臣会合でもそういったところの話をどういうふうに進むとお考えでしょうか。

A: アメリカも投機資金、ファンドの市場先導については、強い警告を発すると、厳しく取り締まるということを、商品先物取引委員会が表明しました。これは、投機ファンドが市場誘導することについては、しっかり監視するという意思表示でありますから、そういう意味での危機感はアメリカも持っているのだと思います。そうでなければ、そういうことにはならないと思います。

 ただ、気をつけるのは、私が思うことは、ポートフォリオ型ファンドというのはそれぞれの国経済を支える大事なファンドですよね。米国債を支えたり、あるいはサブプライムによる金融機関の棄損をしっかり支える。日本で言えば公的資金注入的な役割も果たしているわけであります。

 そういう重要な金融が果たす機能と市場扇動型とは分けなければいけないと思うのですね。一緒くたの議論をしてファンド性悪説に走ってしまうのは、冷静な議論ではないと思います。そこら辺をしっかり分析して、冷静な対応が必要だという意味で、慎重であることは正しいことだと思うのです。

 そして、財務大臣会議は金融の専門的議論をするところであり、そこで研究や議論をするということですから、それを支持するということで意思統一されているわけであります。ですから、アメリカも別に後ろ向きではなくて、議論が混同されないように、慎重・正確な分析が必要だと思っているのだと思います。

つづく
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posted by おぐおぐ at 01:00 | TrackBack(0) | 楽観論・懐疑派 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月28日

平成19年度エネルギー白書発行

経産省資源エネルギー庁: 平成19年度 エネルギーに関する年次報告書(エネルギー白書)
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2008/index.htm
で紹介されています。

概要
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2008/outline.pdf
 この中では、ファンダメンタルズ(つまり需給)のみの要因でも継続的な原油価格上昇が起こっていることを明記しているグラフが目玉かなと思います。

昨今の135ドル台についてはどこまでファンダメンタルズが上がっているのでしょうか??

 原油価格の構造変化で需要も1割程度の下げを見込んでいるようですが、EIAによる2030年100ドルという予測は甘利にもお粗末ではないでしょうか。
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2007年12月17日

本の紹介『陰謀国家アメリカの石油戦争』

陰謀国家アメリカの石油戦争―イラン戦争は勃発するか!?(著)スティーブン ペレティエ,Stephen Pelleti`ere,荒井 雅子
陰謀国家アメリカの石油戦争―イラン戦争は勃発するか!?
出版社/メーカー:ビジネス社
価格:¥ 1,785
ISBN/ASIN:4828412638
Rating:★★★★


「陰謀国家アメリカの石油戦争 イラン戦争は勃発するか」America's Oil Wars
スティーブン・ペレティエ著2006年
ビジネス社発行

 9.11以前の米国の石油権益あるいはOPEC諸国との関係についてちゃんと書かれた国際外交の本をはじめて読んだ気分です。(リンダ・マクウェイグの「ピークオイル」で取り扱っている時代の前史と言ってもよいかもしれません。)
筆者は元(80年代)CIAのイラク担当分析官。

 ピークオイルの話は出てきませんが、サウジアラビアの重要な変化についてちゃんと指摘していますね。OPEC諸国は2つに別れていて、ハイ・アブソーバー(国内市場がある)諸国とロー・アブソーバー諸国のうち、湾岸の首長国とサウジはかつてはローアブソーバー諸国だったのが、サウジが国内人口の急激な増加に伴いハイアブソーバー諸国になりつつあり、このことがOPECの意思決定の変化要因となっていると指摘しています。
 これはある意味輸出ピークの一つの現われにもなるのですが、価格政策に与える影響というのは初耳でした。

 この本の説を延長していけば、現在の石油関係の苦境はひとえに、米国の誤った中東の情勢分析に基づく不注意な政権運営と、軍産複合体および国際石油資本の独立した動きの相互作用により引き起こされた政治的な危機だ、という論になり、早期ピークオイル論の出番をなしでも現状を説明できるかもしれません。

(なお、副題には イラン戦争は勃発するか とありますが、そのような先の話を予想した予想ものでは全然ありません。)
posted by おぐおぐ at 01:33 | TrackBack(0) | 楽観論・懐疑派 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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